呪歌
メロディヤ、それは歌、只の歌
メロディヤ、それは唄、美しくも寂しい旋律
メロディヤ、それは詩、哀れで愚かな調べ
人にとっては言葉の羅列、
天使にとっては悲願とも取れる願い
そして、悪魔にとっては道化の戯言
だが其れは呪歌である
とある人魚の切なる願いのウタ
魔女に声を明け渡す前に歌う
一生に一度の恋のウタ
其れはウタであり、悲願であり、呪でもある
すべての種族に捧げるウタだ
魔女は笑う:ああ、また美しい声を手に入れた!
狂喜の中タダタダ笑う
人魚の覚悟も知らず
その歌の意味も知らず無邪気に残酷に喜ぶ
さあ、願いを叶えようではないか
その声の代わりに人と同じく陸で呼吸する器官を与えよう!
天使は嘆く:ああ、なんと云う事だろう!
また人魚が人に恋をした
今度は男の人魚だ
哀れな、憐れな、魔女は願いをすべて叶えぬというのに
ならば我らは祝福を与えよう
全身を覆うその鱗と引換えに人と同じ肌を!
悪魔は嘲う:ああ、なんと愚かなことか!
人魚がまた懲りずに人を愛した
何時になったら学習する、その道が茨の其れだと
馬鹿な天使は知らないのか、人には二本の足がある事を
仕方ない俺たちは呪を与えよう
その尾鰭と引換えに人と同じ足を!
人魚は詠う世界のために
願いを適えた者達に
過度な対価を得た者には呪を
慈悲による祝福には呪を
解りずらい優しさには呪を
その声が奪われる前にウタいきる
そして人となるその瞬間
完全に無くなる前に
消え逝く声で聞こえるだろう
ただ、ヒトコト、
《ありがとう》
少し違う人魚物語
さてアナタはタイトルを如何読みますか?
感想お待ちしています(ペコリ)




