自分探し
部室には漫画にゲーム機、小説が置かれている。普通学校にゲーム機を持ってきたら問答無用で没収される。だけどこの部室にゲーム機が置かれているのは校長先生が置いたからだそうだ。
先生は見習いみたいで“正式な“顧問が校長先生らしい。先生が一人前になるまで校長先生が帰宅部のケツを持っているから
(マ○オにドラゴン○―ル。○ケモンに色々揃っている…!)
内海先生から最初に提出された課題『趣味を見つけること』。趣味とは『自分の好きなことを好きにする』こと。今の僕には好きな事もものも何一つない。だから今からそれを作る。
(手にもっただけで湧き上がってくるこの感じ。これは一体……)
少しの間『モンÝ』のソフトが入ったパッケージを眺めた後取り出してさっそく起動した。XYは僕がゲームで一番気になっていたから最初にゲームをする時はそのどっちかだと心に決めていた。プレイするのは僕が大人になってからだと諦めていたけど、こんなにも早くプレイできて嬉しいし感動している。
僕の人生の殆どは■■■によって決められたからゲームは勿論、漫画もアニメもグッズの何もかも禁止されたから存在しか分からない。
第一志望だった高校の受験が落ちて激怒した母さんが僕に……とにかく、今の僕は解放されて自由の身だから今はずっと気になっていたものに専念しよう。
「今更ですけど、学校でゲームして大丈夫なんですか? 内海先生」
「君の言う通り帰宅部はゲームは勿論禁止されているけど、条件を満たしていれば顧問の許可を得てゲームすることができるから気にしなくて大丈夫だよ和人君」
「そ、そうですか。ありがとうございます。内海先生」
ゲーム機を起動して表示されたソフトを入力。少しして音が鳴り始めて画面にゲームが映ったのを見て興奮とワクワクした。無論学校内なので音量はまあまあ。
博士? の指示で自身の性別と名前を作ってゲームが開始し、小さい鳥のモンにたたき起こされて冒険が始まった。
名前は内海先生のアドバイスで「カズラ」と付けた。僕の名前の最後を名字の最終と入れ替えた安直な名前だけど、どこか気に入ったからそれで決まった。
(これが……ゲーム!!)
少しの間主人公が住んでいる町を捜索した後主人公の友達たちのあとを追って次の街へ着き、そこで最初のモンを選ぶ場面に入った。
「――おお……!」
『テーレッレー、テレレレレー!』という大音と共に僕が選んだモンが僕のものとなった実感が僕をさらに刺激して盛り上がる。
主人公の家へ帰宅しようとしたところで友だちとバトルし勝って帰宅した。
戦闘の音楽が流れたから「如何にも勝負が始まった!」と実感させてくれて熱くなった。
最初のゲーム戦闘は勝った。あっけないというか、簡単すぎたけどBGMと動くモンの姿がそれらを帳消しにして盛り上がらせてくれたからとにかく楽しかった。
「楽しんでいる所に水を差して悪いけど、もう時間だよ和人君」
気づけばもう19時近くになっていた。内海先生の指示でレポート(セーブ)を終えて電源ボタンを押して止めてソフトを抜いてしまおうとしたけど、「そのゲームとソフトはしばらく貸すから持って帰って」と言われたから持って帰った。
その後、内海先生の指示で僕の自宅で『モンY』を思いっきりプレイするようになった。
校長が部活の顧問なのは変かもしれませんがそこは勘弁してください。