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三題噺

女子高生・ロングブーツ・年金生活

作者: 小峯静人

 街で次の「パパ」を待っていると、見知らぬおじいさんに話しかけられた。警察? どう見ても、退職して年金生活してるぐらいの年齢だし、とてもそうは見えない。訝しむあたしに、「友里恵……」と知らない女の名前をつぶやくと、その場で大粒の涙をこぼし始めた。

 そのまま放っておくこともできず、少し落ちついたおじいさんをカラオケボックスにつれていくことにした。あたしは知らない男と密室で二人きりなんて、しょっちゅう経験しているから、別に怖くない。それに、ラブホと違って防犯カメラだってついてるし。あたしは、おじいさんにあたしに話しかけてきたワケを訊いた。

 「友里恵に……、二十年前に行方不明になった娘に、君がそっくりだったんだ」

 おじいさんは、悲しそうに語り出した。娘さんは、冬のある日「友達と遊んでくる」と言ったきり、戻ってきていないそうだ。隣の県の海岸で、娘さんが履いていたのと同じロングブーツが見つかったそうだが、それ以外の手がかりは無し。奥さんはそれから精神を病んで、間もなく亡くなってしまった。あたしはなんだか可哀想になって、

「じゃあ、あたしが娘になってあげようか」

 そんなことを言ってしまった。

 それから、あたしには新しい「パパ」ができた。他の「パパ」と違って、セックスしたり高いレストランで奢ってもらったりするわけじゃない。普通の父親と娘がするように、公園を散歩したり、奥さんのお墓参りに行ったり、手料理を振舞ったりするだけだ。あたしには父親がいないから、ちゃんと娘らしくできているかわからないけど、「パパ」がよく笑ってくれるからこれでいいんじゃないかな。


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