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かつて魔王が支配し

勇者の活躍で平和になった世界で

勇者の力は後世に活用するため解析された


だが、勇者は魔王を生み出した元凶として扱われ

ほどなくして歴史から抹消された


100年ほど前の話である


その後、この世界は

勇者の力を使い魔物たちから大陸を取り戻した人間たちの手によって支配された結果


新国家が乱立


そして世界は、平和を望んでいたはずの人間たちの手によって

ふたたび戦火に包まれていくことになる


---


「急げ!ことわりの崩壊が起こる前に少しでも多く救い出すんだ!」

「なんだよこれ?まるで魔王じゃないか!」

「装置の回収を急げ!」


全長30m高さ10mほどの岩塊が

上空15mの位置で停止している

その端に開けられた小さな入り口から、焦りに満ちた怒号が響いていた


入り口から地面に向かって伸びたロープの先には人々が乗った籠が取り付けられており

そのさらに下の地面はすでにマグマと化し、ゆっくりと溶け始めていた


地面から有毒の煙が吹き出し

鋼鉄のカゴが放射熱で焙られ

カゴに乗っている人々から悲鳴が上がる


「早く引き揚げろ!」

「重さが限界です!」

「しかたない!このまま発進する。全速力で離脱しろ!」


岩塊の後部に青白く光る輪が出現すると、かごを吊り下げたまま高度を上昇させつつ

マグマから離れるように空中での移動が始まる


「見て、『理が崩壊』し始めてる」

「ああ、今回のは酷いな」


岩塊の上でそう言っている彼らの後方で、今もゆっくりと地面をマグマに変え続けている「元凶」は

もはや知覚の外側に向かって落下をし始め、その形状を認識できなくなり始めていた


「こんなに早く『帰還の限界点』を超える例は見たことがない」


「カゴの回収終わりました!」

「もう干渉が始まってる。逃げるよ!」


その直後、地上の一点を中心にして直径1キロ近くもある巨大な球体が発生

知覚できず真っ黒に見えるその巨大な球体は、時を待たずさらなる膨張を始めていた


「理が落下した!」

「勇者に祈らなければのぅ」

「沈まねぇよクソババァ!この船はなぁ、勇者様ご一行が使ってた船なんだからな!」


岩塊に付けられたエンジンがうなり声を上げる

青白い光の輪がさらに光ると、空飛ぶ岩塊は一気に加速し

空のかなたに飛び去った


---


かつて勇者の力と禁忌の魔法を融合させる研究があった。

完成したそれは「理の解錠」と呼ばれ、世界の法則まで書き換えられる神の技と言われた。


だが、複雑極まりない術式とこの世界にはない特殊な言語によって構成され

わずかな間違いでも発生させれば即座に過剰な作用をもたらし

不可逆的な崩壊を引き起こすという危険な魔法でもあった


この世界から勇者が消えてすでに100年


勇者の残した力を引き継ぐと決めた「彼ら」は、

世界の崩壊から人々を救い回ることとなる


これは、勇者の力を無理やりこじ開けた人類の手によって壊れ始めた世界で繰り広げられる


異世界崩落の物語である


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