お菓子よりも「」が欲しいキミ
「いや、マジで今回はごめん!」
「いえいえ、そこまで謝られなくても大丈夫ですよ。」
「でも、そういう訳にはいかないからさ。だから、ごめん!」
「もうー、先輩は律儀ですね。私は別に良いと言っているのに。」
「……そうは言っても僕が良くないからさ。あっ、そうだ、お詫びと言っては何だけどさ。何か欲しいものは無い?」
「え、欲しいもの……ですか?」
「うん、そう。欲しいものがあったら、何か買ってあげるよ。」
「そ、そこまでなさらなくても。」
「いいから、いいから。ほら、何か欲しいものないの?」
「うーん、そうですね……。……何でも良いんですか?」
「うん、何でも良いよ!気にせず言ってごらん。なんせ僕は先輩なんだからね。」
「……それなら、先輩が欲しいです……。」
そう言いながら、後輩ちゃんは僕の服の裾をキュッと掴む。
「……えっ?」
僕はそんな彼女の急な行動に固まることしかできない。
えっ?どういうこと?
僕が欲しい?
……そ、それってつまり……?
「…えっと、それはど、どういうことかな?」
僕は少しドキドキした気持ちを隠しながら、そう言う。
その言葉で我に返ったのか、後輩ちゃんは顔を赤くしながら、服の裾をパッと離す。
「あ、す、すいません!な、なんでもないです。ご、ごめんなさい!」
「あ、いや、うん、べ、別に良いんだけど。そ、それで結局欲しいものは……僕という事で良いのかな……?」
「そ、そんな、滅相も無いです!えーと、うーんと、あっ、お菓子、お菓子が欲しいです!」
「お菓子?そんなんで良いの?」
「はい!お菓子をお願いします。」
「分かった。……それなら今から一緒に買いに行く?」
「良いんですか!」
「うん。お菓子ぐらいなら今からスーパーにでも買いに行った方が良いと思ってね。」
「そうですね、そうしましょう!」
「よし、そうと決まったなら行こうか。」
「はい、行きましょう。」
そうして、僕たちは近所のスーパーに2人でお菓子を買いに行くことにした。
……因みに心のドキドキはまだ収まっていない。
皆さんこんにちわ 御厨カイトです。
今回は「お菓子よりも「」が欲しいキミ」を読んでいただきありがとうございます。
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