褒められて伸びる子と毒舌を言って伸びる子
「ふぅん、結局予選落ちだったのね」
「……うん。みんな強すぎて勝てなかったよ」
とある公園のブランコに少年、相馬夕貴と縦に髪を巻かれた少女、雪宮朱里が並んで漕いでいた。
しょんぼりとした夕貴にため息をつく朱里。
今までの経験上、ここから先は罵倒されると肩を落としたが、なにも言ってこないので、おそるおそる彼女を見ると、先ほどと変わらないすまし顔。
じっと見つめていても、なにも言ってこない。
「……夕貴さんにしてはよく頑張られたわね。でも、来年こそよ」
「うん、頑張る」
はじめて罵倒ではない純粋な応援をしてくれた。
嬉しくて目を輝かせた夕貴だが、次の瞬間、キッと朱里が夕貴をしっかり見てきたので、再び身構えてしまった。
「そうですね。もし来年、あなたが優勝できなければ、私たちはもう会うのをやめましょう」
なぜかは知らないけれど、夕貴は朱里と会えなくなるのが怖かった。
だから、うん、絶対に頑張る!とガッツポーズを作る。
そんな彼の様子を見て、朱里は心の中で夕貴さんならば、来年じゃなくても、いつかは絶対に勝てると思った。端から彼女は夕貴と別れるつもりなんてなかった。けれども、こう言わないと夕貴は頑張らない。
「ええ、その調子で頑張ってね」
夕貴に気づかれないくらい、少しだけ口角を上げた朱里は楽しみにしてるわねと頷いた。




