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異世界召喚だぁ?

文具会社に勤める私、伊藤めぐる(25)は初めてプロジェクトリーダーに抜擢されて張り切っていた。


新卒でこの文具会社に入社してから3年、大変なこともあったけど元々文房具が大好きだったから、いつか自分が企画発案した文具が売り場に並ぶことを夢見ていた。

その夢が、ついに一歩前進して浮かれていたのかもしれない。


市場調査と称して文具コーナーを巡りペンにシール、ノートにメモ帳などを大量購入しウキウキで帰路へ…

まず家に帰ったらお風呂に入ろう。途中コンビニで夕ご飯も調達済みだから、心おきなく文具たちを愛でることが…


ぐふふ…と声が漏れそうになるのを抑えながら自宅アパートの鍵を開ける。

ガチャリ…

ん…?

部屋の中身がない…?

というか…なんか真っ白…?


立ちすくんでいると白い空間が扉の外まで広がり、視界がぐんにゃり、気が付くと…ここどこだ?


たくさん人がいるけどみんなコスプレみたいな恰好をしている。場所は私のアパートではない。高い天井、絢爛豪華な装飾。

すごく見られている。めっちゃ見られている。

その中でも中央で立っている男が近づいてくる。金髪碧眼。すらりと長身。まるでおとぎ話のようないで立ち。うーんこれはありきたり王子。


目の前で立ち止まり、跪くありきたり王子。

「ようこそ異世界より舞い降りし我らの聖女様。わたくしポモドーロ国第一王太子ステファン・ゼーレと申します。」


ありきたり王子は本当の王子らしい。これが夢や、どっきりでなければ。

そしてこいつは今“異世界より舞い降りし”と言った。

私だって日本で異世界転生ものを読んだりするし、知識としてはある。あれはお話として読むから面白いんであって実際に自分の身に起こってほしいなどと思ったことはない。

ってかそんな非科学的なこと起こってたまるか!

目の前のありきたり王子はキラキラした視線をこちらに向けている。

「聖女様、お名前を伺っても…?」

と手を差し伸べてきた。


…だんだん腹がたってきた。私は元の世界に不満はないし、苦節3年ついにプロジェクトリーダーになったのに、知らない場所に勝手に召喚とは?

しかも私を聖女と呼ぶということは国が一大事とかなにか問題がとかで呼んだんだろう。助けて聖女様~ってことだろう?


よし決めた!

「お断りします!!!元の世界に帰してください!」

大きな建物に私の声だけが反響した。



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