第2話
広田 寿裕 ひろた としひろ(男)
自称学園進学高校3年 医進コース所属
人見知りな性格であるが、プライベートスペースに入った人には饒舌になる。
他人に興味がなく、人間関係の構築が苦手で、ほとんどが受動的で来るものは拒まず去る者は追わずを信条に生きてきた。
補足情報として、男子なのに男女問わず可愛いと言われている。時々ふざけて男子から女子扱いを受けることもある。
梶並 穂乃香 かじなみ ほのか (女)
自称学園進学高校3年 医進コース所属
人見知りはあまりしない用に見える。自分の意見はしっかりと持っている気が強いタイプの女性。
面接のような場所では模範となるような言動ができるが、自分という人間をアピールできていないと言われる。
補足情報として、かなりの美人で可愛いのでモテているらしい
梶並穂乃香:( ゜∀゜)o彡フゥフゥ♪
梶並穂乃香:ごめんね、めっちゃテンション高いのw
広田寿浩:そうなんですか!(;°ロ°)
正直なところこの段階で梶並さんとのメッセージのやりとりに苦手意識を感じ始めていた。顔文字をよく使ってくるのと、反応に困る文章が多かったので、ネットで返信の仕方を検索したり、友人にどう返信するべきか相談をしていたほどだ。
会話を終えるタイミングが掴めなくて面倒な女だなと思うようになってきた。しかし、自分のコミュニケーションの苦手さは自覚していたので、それの改善のために会話を続けようと思った。
梶並穂乃香:休日だからね!w
広田寿裕 :そっかぁ
梶並穂乃香:wwwwwwwww
梶並穂乃香:黙りまーすw
広田寿浩 :朝から深夜テンションでいいね(笑)
梶並穂乃香:夜になるともっと元気になるよ!w
広田寿浩 :深夜テンションですね
梶並穂乃香:そーなんですよ(ノ´∀`*)
広田寿浩 :まだ昼だぞー(笑)
梶並穂乃香:気分は夜です←
広田寿浩 :一日中元気で疲れないの?
梶並穂乃香:テンション高いから疲れに気づかない…w
梶並穂乃香:でも割とへーき!w
広田寿浩 :羨ましいな
梶並穂乃香:そう?
梶並穂乃香:自分でよくうるさいなぁって思ってるんだけどね〜w
広田寿浩 :やりたいこといっぱい出来そう
広田寿浩 :自分で思っちゃうんだ(笑)
梶並穂乃香:あ〜、結構出来てるかもしれないw
梶並寿浩 :え、だって、うるさくない?w
梶並穂乃香:うるさいなー誰だよ… 私か(・。・)的な
広田寿浩 :一人なのにうるさくなるものなの?
我ながらよく会話が続けられるものだと思う。正直、梶並さんがここまで会話のノリが軽い人だとは思ってなかった。何というか、彼女は美人で高嶺の花というイメージが合った。浮いた話も聞いたことがなかった。それと同時に彼女がバトンチアに所属していたこともあって偏見の目でも見ていた。僕の中でのバトンチア部のイメージは、すごくモテていてかつ、イケメンと遊んでいるというイメージがあった。その偏見が梶並さんと関わり始めて崩れてきた。
梶並穂乃香:1人だと寂しいから歌い出すよね←
広田寿裕 :なるほど、確かにうるさくなりそうだね
梶並穂乃香:でしょ?w 静かなのは体調悪い時だけだよ(๑•̀ㅂ•́)و✧
広田寿裕 :ある意味わかりやすい
梶並穂乃香:そうそうw
広田寿裕 :もしかして学校の方が静かだったり?
梶並穂乃香:んー、いや、学校の方がうるさいw
梶並穂乃香:さすがにw
広田寿裕 :そうなのか
梶並穂乃香:家だと親が寝てたりするから騒げないw
広田寿裕 :確かに親いると騒げないね(笑)
梶並穂乃香:怒られちゃうからねwww
広田寿裕 :うん(笑)
さらに数日ほどメッセージを続けていると〇〇○←やwwwを使っているところが散見された。個人的には「〇〇○←」の←の意味もわからないし、wwwを使う人はとても下品に見えてとても苦手だ。しかし、多くの人がその表現を使っていることは知っていたし、僕のように思う人間は少数派だということも認識していたから我慢することにした。多分なれると信じて...
梶並穂乃香:だからね、学校めっちゃ楽しいwww
広田寿裕 :学校は友達もいるしね
梶並穂乃香:そそそ!!
梶並穂乃香:友達いるとほんと楽しい!
広田寿裕 :うん
広田寿裕 :外から見てると梶並さん楽しそうだなーっていつも思う
梶並穂乃香:おーまじ?w
梶並穂乃香:としくんはねー、なんかいつもロッカーと椅子の間に挟まってるイメージw
広田寿裕 :うん
広田寿裕 :そんなイメージあったの?
梶並穂乃香:なんか休み時間になると挟まってる気がするw 面白いなーって思って見てるけどw
広田寿裕 :あー、確かにそんなことしてたかも
梶並穂乃香:してますよお主www
広田寿裕 :なんか落ち着くんだよね
広田寿裕 :そういえば風邪ひいたの?
梶並穂乃香:猫かwwwでも分かるかもw
梶並穂乃香:んー、そもそもはアレルギー反応から来てるんだけど、試験最終日にカラオケ行って喉潰して、その日の夜マスクもせずにエアコンガンガンの部屋で寝た結果このザマですw
広田寿裕 :カラオケ行ったんだ
広田寿裕 :しかも、エアコンガンガンは風邪ひいちゃうね
休み時間にロッカーと椅子の間に挟まっていたのは事実だったけど、それを梶並さんが見ていたことには気づかなかった。気恥ずかしい気持ちもあったが、梶並さんのような美人に僕の存在が意識されていることはなんだか嬉しかった。
梶並穂乃香:行った行ったw
梶並穂乃香:そーそーw 馬鹿だよねwww
広田寿裕 :折角の連休だからゆっくり休んでね
梶並穂乃香:ありがと〜ヽ(;▽;)ノ
梶並穂乃香:次学校行く時は元気になってるよ(๑•̀ㅂ•́)و✧
広田寿裕 :そりゃ良かった
梶並穂乃香:ふぇっふぇw 親にマイコプラズマじゃない?って言われたけどな!←←
広田寿裕 :えぇー マイコプラズマってめっちゃ辛いやつじゃん
梶並穂乃香:咳止まんないのwww
梶並穂乃香:やっばいよwww
広田寿裕 :病院行ってみた方がいいんじゃない?
梶並穂乃香:思ったんだけど面倒いんだよなぁ←
広田寿裕 :…行くんだ
梶並穂乃香:めんどいよ〜〜ヽ(;▽;)ノ
広田寿裕 :面倒なのはわかるけど… 治るものも治らないぞー
梶並穂乃香:(●´^`●) 自然治癒力で何とかなんないかな〜←
広田寿裕 :肺炎だったらアウトだぞー
梶並穂乃香:いや、私なら治る←←
広田寿裕 :まじか
梶並穂乃香:無理かな(๑• •๑)?
広田寿裕 :念の為に行こうよ
梶並穂乃香:気が向いたら行きますw
梶並穂乃香:学校休んだりしたくないしね!
広田寿裕 :うん
このタイミングで1日返信が来なかったので、なにか不快な思いをさせてしまったのではないかと不安に思った。梶並さんは基本的に返信が早いタイプの人だからね。そんな不安な中で返信が来たときはとても安心した。
梶並穂乃香:治ったーーーーー!!!!!!
広田寿裕 :良かったーーーーー!!!!!!
梶並穂乃香:なんかすっごい嬉しい!!w
広田寿裕 :治ったから?
梶並穂乃香:そーそー!
梶並穂乃香:ハイテンション!w
広田寿裕 :テンションの差(笑)
梶並穂乃香:おもったwww
広田寿裕 :すごくわかりやすい
梶並穂乃香:褒め言葉ですありがとう!!!!
広田寿裕 :どういたしまして?
梶並穂乃香:wwwwww
梶並穂乃香:日学校ではっちゃけますよ!!
広田寿裕 :メーター振り切らないようにね
梶並穂乃香:気をつけまーすよ!
広田寿裕 :よろしい(笑)
梶並穂乃香:いやー楽しみですなぁとしくん殿!!騒ぎましょーぞ!!
広田寿裕 :騒ぎましょー!
結局学校で会った梶並さんはまだ風邪を引いているようだった。しかし、彼女は心配をかけないようになのか、治ったと発言していたので、風邪の話題は出さないようにした。