オモイ
「…死にたい」
「出ました。本日3回目の死にたい」
「だって本当のことだもの」
「うん。知ってる」
「…冗談だと思ってるでしょ?」
「いいや、きみは死ぬね。あたしが保証してあげよう」
「ありがとうって言うべき?」
「礼には及ばないよ。あたしには、きみが本気で死ぬことを選んだ時どうしてあげることもできないんだから…」
「………」
「せいぜいあたしに出来ることといえば一緒に死んだげることくらい」
「…悪い冗談ね」
「冗談だと思う?」
「………重いんだけど」
「そりゃそうさ。重くなければ意味ないもの。あたしはきみの"重り"になりたいんだから」
「はいはい…」
「あたしの命をきみに乗せることで、きみがたった1グラムでも余分に躊躇してくれるなら、いくらでもこんな命差し出そうじゃないか」
「…死ぬなら独りがいい。はっきり言って迷惑なの」
「迷惑だなんてそんなこと分かってる。あたしはいつだってきみに迷惑かけてばかりだからね」
「分かってるならやめてよ…」
「でもきみだって全く意図していないところで見ず知らずの誰かに迷惑かけてるかもしれない。ならあたしにだってきみに迷惑をかける権利があるはずじゃないか」
「…あなたのそういうところ、大嫌いよ」
「あたしはきみのこと大好きだよ。誰より優しいところも、人一倍傷つきやすいところも、そのサラサラの綺麗な髪もみんなね」
「…なら今度髪切らなきゃ」
「言ってなかったっけ?あたしショートヘアーの方が好きなんだ」
「………死にたい」
「ハイ、本日4回目頂きました」
おわり