失望
炭酸に溶ける杞憂。
底から湧き上がる気泡と希望。
どっちか味わおうとするのは
無謀としか言えないのではないか。
そんな謀略を張り巡らせながら
黄昏れる二月のある日。
心の片隅には僅かな期待と不安。
これは夢なんだろうかと
錯覚するような
倦怠感が炭酸水に溶けて消える。
一気に飲み干し血液に溶かす。
気泡は、希望は、細胞に行き渡る。
そんな私の身体は甘い刺激に包まれる。
ああ、これ以上は身体を蝕んでゆくだけ
そんなことを言っているうちに足が欠ける。
心も脳も溶け出して
決壊寸前のダムのようだ。
朽ち始めた足でもまだ歩けるだろう。
いっそのこと走ろうか。
夜の空気は澄んでいるし
国境はいつも邪魔をしてくるけれど
境界線を越えてゆけ。
気まぐれ。