その他の詩『天使』
『天使』
銀色の錦に天使は包まれていて
その裾は雲間から長く
幾本もの光と共に地に垂れている
まるで祝福の手を
下界へ差し伸べるかのように
絢爛たる織柄
咲き誇る百花の色彩
豪奢な架空の鳥が翼を広げ
風に靡いて舞い上がる
雨あがりには
奇跡のように美しく輝く
なぜ見えるのだろう
なぜこんな物が見えてしまう
不運な人間の一人なのだろう
見上げれば目眩が思考を奪う
この錦の先には天使がいて
引き摺り下ろされるべく眠っている
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無垢で清らかで美しくて、
一片の救いにもならない何か