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神速の龍(修正版)   作者: 五十嵐紅兎
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プロローグ兼第一章

プロローグ



 薄暗い部屋の中・・・。そこに、一人の少年が居た・・・。

「・・・・」

 少年は、一枚の紙を持って笑みを浮かべている。

「里見龍・・・。十年振りの再会か。ははは。会うのが楽しみだよ。兄さん・・・」

 その言葉は、静かだったその部屋に、よく響く。少年は持っていた紙を机に置き、部屋にこう言い残しそこから姿を消すのであった・・・。




「兄さん、残りの人生を楽しむといいよ。この世の中は、僕達〝A〟が変える・・・・」




「すべては、この国の為に」





第一章  襲来と裏切り



 ピピピ、ピピピ、ピピピ・・・。

「ん・・・・・」

 聞き慣れた、スマホのアラーム音で目を覚ます。

 朝の陽射しを鬱陶しく思いはするが、どこかこの鬱陶しさが気持ち良く、幸せな気分にさせた。

「・・・もうこんな時間か」

 時計を見ると、のんびりしていたら遅刻してしまう時刻だった。

 もう少し余韻に浸っていたかったが、このままだと「遅刻した理由は何だ」だとか、学校の先生に色々聞かれて面倒な事になりそうなので、伸びをしてその余韻から脱出する。

 すると、下から聞き慣れた、母さんの声がした。

「龍ー! 起きなさーい、朝ご飯出来てるわよー!」

「おー、今行く」

 俺はそう答えを返し、制服に着替え、自室にある鏡を見ながら、いつものように、左目が軽く隠れるように、髪を整える。



「おはよう」

「おはよ。早くご飯食べちゃいなさい。遅刻するわよ?」

「わかってる」

 黒髪を頭の後ろで一つに結び、エプロンを着ている母に挨拶を済ませ、椅子に座ると、いつもなら、其処に居る筈の人が居ない事に気付いた。

 その疑問を解く為に、洗い物をしている母に問いかける。

「あれ、そういや姉貴は?」

「昨日言ってたでしょう。今日は月に一度の、先生達との模擬戦があるって」

 模擬戦か・・・。

「あー、そう言えばそうだった」

 そう言いながら、俺は朝ご飯を口に運び始めた。



「はい、これお弁当ね」

「ありがとう。・・・あれ、なんで二つ?」

「楓が忘れたみたいなの。持って行ってあげて。」

「・・・分かった」

 正直、面倒臭い。そう思いながら、姉貴の分も受け取った。

「じゃあ、行って・・・」

「龍! 刀は!?」

 行ってきます。と言おうとした瞬間、突然その言葉は遮られた。

「あー、昨日持って帰るの面倒で、学校に置いてきた」

「危ないじゃない! 〝A〟が其処ら中にいるのよ? いつ襲われてもいいように持ち歩きなさい! あなたまで死なれたら・・・私は・・・」

 そう言いながら、母さんは泣き崩れた。

「・・・ごめん。ちゃんとするよ・・・。じゃあ、行ってくるね・・・」

「・・・行ってらっしゃい」



「・・・」

 俺には、父さんがいない。

 最初からいなかったわけではない。十年前に殺されたのだ。

 殺したのは〝A〟の〝戰刄榊〟と言う奴。この〝A〟とは、テロリスト集団の名前である。十年前から活動する組織で、全国に拠点がある。

 今の日本では、もうテロなんて日常だ。その為、政府は銃刀法を廃止し、学校は以前まで必修科目であった教科は、さほど大切ではなくなり、戦闘技術が必修科目になった。そして、半年に一度、日本で一番を決める大会が開催されるようにもなった。その大会は二つに分かれ、小学生から参加する事できる。

 小学一年生から中学三年生までが、

ヤングで上位四名は、政府から賞金と、日本をテロ戦争から守る役割を持った、特殊チームに加わる権利を得る。そして、十八歳から、成人となる。

 まだ、俺は小さくてよくは覚えてないが、それでも鮮明に、昨日の事のように覚えている事が一つだけある。

あいつの・・・、〝戰刄榊〟の顔が・・・。

 絶対、あいつだけは・・・! 許さねぇ・・・!

そう思いながら、俺は近くにあった壁を、力一杯握り締めた手で殴っていた。手に鈍い痛みがジワジワと迫ってきて、俺はその時初めて、自分の手から出血している事に気付く。

 すると、後ろの方から聞き覚えのある声がした。

「龍ー! おっはよー!」

「おー、瞳か。はよー」

 こいつは、幼馴染みの上條瞳。見た目は大人しそうに見えるが、性格は間逆。簡単に言ってしまえば、好奇心旺盛。まだ、それなら良いのだが、こいつはなんでも自分でやらず、俺にやらせた。

 こいつの性で何度怪我した事か・・・。

「この高さから海に飛び込んだら、お腹は痛くなるのか気になんない? ちょっと龍やってみてよ!」、とか言い出してごねる俺を突き落とし、案の定俺は腹を痛め、気絶したり。


「コンセントで電気ショックってできるのかなぁ!? 龍!」

「出来ないよぉ・・・。それに、死んじゃったらどうするの・・・。僕は嫌だよぉ・・・」と俺は言いながら俺は嫌な予感がした。

「大丈夫! 調べてちゃんと勉強したから!」

 この時俺は、││││やっぱり・・・。そう思った。だから、全速力でにげた。・・・・けど遅かった。


 あの時は本当に、死ぬかと思った・・・。

 こいつは自分の好奇心の為ならなんでもする。だが、今はそれなりに落ち着いた。

 まだ挙げればきりが無いのだが、瞳には何度も助けられているのだ。

 昔泣き虫で、いじめられてた俺を、何度も何度も自分が傷ついても助けてくれたのだ。

 そう思い出を思い返していたら隣から声がした。

「ねぇ、そういえばさっきから隠してるけど、手、どうかしたの?」

 バレた・・・。

 瞳に心配させまいと、出血している手を隠していたのだ。

「隠してねぇよ」

「そう? それなら、見して?」

「な、なんで」

「いいから!」

「いっつ・・・」

 思わず小さな声で悲鳴をあげてしまう。

「ほら、隠してるじゃない。昔から一緒にいるのよ? 私が貴方の癖を理解してないとおもった?」

「・・・」

 何も言えねぇ・・・。

「手当てするから、手、貸して」

「・・・ありがとう」

「ふふふ。いつもそれくらい素直なら可愛いのに」

「うるせぇ・・・。て言うか、可愛いって何だよ。俺ら同い年だろ」

 少し自分の顔が赤くなってるのに気付く。

 なんだこれ、凄いドキドキする・・・。



「はい。お終い」

 俺はまたお礼を言い、二人で歩き始めた。

「あ、そういえば、楓さんは?」

 いつもなら一緒に登校してる姉貴がいない事に疑問を覚えた瞳が聞いてくる。

「先生方と朝から模擬戦だとよ」

 そう言うと、突然大声を上げた。

「えぇぇぇぇぇぇええええ!!!!!」

「どうしたよ」

「どうしたもこうしたも無いわよ! なんで教えてくれないの?! 私達幼馴染みじゃない!」

「幼馴染みだからって、教える事でもないだろ」

「何いってんの! 楓さんは超名門校の天城学園、通称天学のトップよ?! 八方美人な生徒会長よ?! 楓さんの模擬戦なんて滅多に見れないのよ?! ましてや先生方と何て、今まで全生徒が見たかった試合よ?!」

 そう、俺の姉貴は全国の学校で一番有名な学校の、生徒会長なのだ。

 天学の先生は、皆過去に大会でベスト四をたたきだしているというのに、政府からの依頼を蹴った人達だ。

 だから全生徒は凄い興味があるのだろう。

 天学のトップと、この国を守れる程の実力者の先生方との、試合が。

 まぁ、どうせ姉貴が余裕で勝つけどな。て言うか││

「俺達もその名門生なんだが。」

「そうだけど!」

「それに模擬戦なんてお前が頼めばいくらでもやってくれると思うぞ」

 何てたって幼馴染みですから。

「うんうんうん!!!!!! そんな恐れ多い事できるわけないじゃない!!」

 激しく首を横に振り否定する。

 あ、なんかこれ面白い。

「て言うかそんなん、ビデオで撮ってんだから、遅れてもテレビで見れるだろ」

「生じゃなきゃ意味ないじゃない! ほら! 龍、早く行くよ!」

「いや、別に俺はいいよ。姉貴の戦い方なんて見飽きてるし、俺には何の得も無いしなー」

 家で嫌と言うほど手合わせしてんだから。

「あんた別に強いわけでもないんだから、少しでも見て勉強しなさいよ!」

「強いわけではないが、弱いわけでもないだろ」

「うっ・・・。そ、そうだけど! そうだけど、私よりは弱いじゃない!」

「まあなー」

「じゃあつべこべ言わずさっさと行くよ!!!!!」

 そう言って、俺の服を掴み走り出す。

「え、あ、お、おい! 瞳! やめろって!」

 なんて理不尽なんだ・・・。




       *          *         * 




「はぁぁぁぁあああっっっ!!!!!」

「ぐはっ・・・!」

 俺達が学園にある、第一闘技場についた瞬間、教師陣の一人が倒された所だった。

「はぁ、っはぁ・・・っ良かったー、まだ終わってない〜・・・」

 そう息を切らしながら瞳が言うと、客席入場ゲート近くから馴染みのある声がした。

「おー、瞳と龍じゃねぇの。どうしたよ、そんなに息切らして」

 今話かけて来たのが、林秋人。

 こいつとは、中学以来の腐れ縁だ。

 見た目はチャラそうだが、申し分ない実力者だ。なんてったって、中学三年間ジュニア大会で準優勝を取っている。あくまで準優勝だ。秋人曰く、「一位の奴が強くてよー。三年間戦ってきたけど、あいつ手抜いてた。次はぜってー勝ってやる!」とか言っていたが、それから大会では見かけていないそうだ。

 だが、大会で準優勝を取ったのは、一位には劣ってしまうが十分凄いことである。勿論、成人するまでは、配属出来ないが政府からのスカウトもあった。しかしこいつは、「あ、もう就職先決まってるんで良いです」と断ったのだ。

 本当勿体無いよなー。

「あ、あぁ・・・秋人。・・・っこの馬鹿が、姉貴の模擬戦絶対に見る・・・っとか言って、見る気もない試合の為にくっそ・・・っ走らされたんだよ・・・」

「馬鹿って何よ! 教えてくれなかった龍が悪いんじゃない!」

「はははは。今日も仲がいいこって」

「「良く無い!」」

  俺達はいつの間にか息が整っており、口を揃え否定する。

 すると秋人が、「ははははははは。タイミングバッチリのくせに何言ってんの。あー、腹いてぇ」と言い、俺らをからかっている。大声で腹を抱えながら笑いころげてる。

 何だろう。無性に殴りたくなってきた。殴って良いかな?

「で、戦況はどうなってるの?」

 瞳が少しキレ気味そう聞き、秋人は少しビビりながら「すまん、すまん」と言った後に答える。

「流石会長と言った所だな。二十人近くいる強者の先生方を、一人残して瞬殺だ。残ったのは、教師陣で一番強い服部先生だけだな」

 やっぱり姉貴が勝ってんじゃん。

「お、そうこしてるうちに決着つきそうだぜ」

 そう秋人が言い、俺達はステージの方に目を向ける。

「里見流抜刀術壱型・一閃」

 〝一閃〟とは、簡単に言えば普通の抜刀術だ。(日本刀を鞘に収めた状態で帯刀し、鞘から抜き放つ動作で一撃を加えるか相手の攻撃を受け流し、二の太刀で相手にとどめを刺す形の事)だが、里見流は少し違う。何が違うのかというと、単にスピードだ。人体の筋肉の動きを徹底的に研究し、合理的に片手だけで両手で振った時と同じスピードにするか、考えに考えて生み出された。結果、初期運動時に全ての筋肉をフル活動時と同じにすると、目で追え無いほどのスピードになる。

 しかし、そんな事普通の人間には早々出来るものでもない。だが、代々里見流の門下は、十年特殊な修行を行えば出来ると言われている。

 ││姉貴はそんな修行を五年でクリアしてんだ。負けるわけがない。

「ぐはっ・・・!!!!!!」

「うっひょー。容赦ねー」

「姉貴は相手が誰であっても手加減しねーからな。姉貴ーー!!!」

 俺はそう客席に言い残し、ステージに飛び降りる。

「龍! 珍しいじゃない! 貴方が私の模擬戦に見に来るなんて!」

「別に来たくて来たわけじゃねぇよ。瞳に無理矢理連れて来られたんだよ・・・」

「へぇ〜。瞳ちゃんにねぇ〜。そんな言い訳しなくてもいいのに〜」

 楓がにこにこしながら顔を覗いてくる。

 楽しそうだなぁ・・・。

「言い訳なんかじゃねぇ」

「まあ冗談はさておき。どうしたの?」

「母さんに頼まれて弁当渡しに来た。ほら」

「ありがとう! 助かるわ〜」

「次は忘れんなよ。もう子供じゃねーんだから」

 そう言い残し、俺は秋人と入れ違いで観客席に戻る。

「なんか、今日はいつも以上に冷たいわね〜。なんかあったの? 秋人くん」

「瞳に会長の模擬戦絶対見るんだーって言われて走らされたみたいですよ」

「あら、仲良い友達みたいでいいじゃない」

「誰が仲良いって?!!!!!」

 俺は後ろから聞こえた声に反射的に返す。

「この距離で聞こえるのかよ・・・」

「えぇ、なんだかちょっと怖いわ・・・」

 秋人と姉貴が驚くのも無理は無いだろう。なんせ距離は百メートル以上離れており、声のボリュームは日常会話で出す程度の大きさだ。なぜか昔から耳はいいのだ。

「ところで会長。次の生徒会会議の事なんですが・・・」

「あいつ生徒会役員だったけ?」

 そう瞳に質問する。

「え?! 入学して半年にもなって知らなかったの?! ああ見えて、一年生で副会長を務めてる、凄い頭のいい人なのよ?!」

 天学の生徒会役員の決め方は少し特殊で、年度毎に全学年でセンター試験を行う。其処で優秀な成績を収めた順から、会長、副会長、会計、書記、などに分かれる。

 つまり秋人は天学で二番目に頭がいいということだ。

「そうだったのか。まあ、興味無いが」

「本当にあんたって、人に興味ないわね・・・。にしても、この距離で会話が聞こえるだなんてほんと、耳だけは良いわね」

「うるせぇ」

「あ、ちょっと待ってよ! どこいくの?!」

「教室だ。付いてくんな」

「付いてくんなって言われても、同じクラスなんだからしょうがないじゃない」

 そう言いながら教室に向かおうとすると、後ろから姉貴達の会話が聞こえてくる。

「分かったわ。その仕事すぐ終わらせるから、秋人くんは教室に行って良いわよ」

「分かりました。よろしくお願いします」

 そう秋人が言うと、俺達のところに来た。

 秋人も同じクラスなので、一緒に行く事となった。




       *          *         * 




 其処は第一闘技場裏。

 周りに見られたくなさそうに、木陰で誰かが電話をしている。

『わかってる? 今日、例の作戦を実行してね』

 電話からの声は、どこか子供を連想させる。

「しつこいわね、わかってるわよ」

『あははは。ごめんごめん。○○ちゃんが忘れるわけないよねー』

 相手は笑いそう言う。

 カラスの鳴き声が重なり、名前だけが聞こえない。

『じゃあ頼んだよ。全ては、この国の為に』

「・・・全ては、この国の為に」

 そう言い残し、その場から立ち去る人影・・・。



 そして運命の歯車は回り出す・・・。

 龍はまだ知らない。

 この先に待ち受けている幾つもの〝試練〟と〝悲劇〟を・・・。




       *          *         * 




 今俺達は四限の授業を第一闘技場で受けている。

「今日の授業戦闘訓練だ。まず二キロ全力で走りこみ。それが終わり次第、息を整えてから各自ペアを作って武器を使用し、個人で戦闘開始。三十分後に一ペアずつ模擬戦を行って貰う。では、はじめ!」

 先生の合図と同時にみんな一斉に走り出す。



 スタートから十分したくらいで、全員走り終え、各々ペアを組み戦闘を始めていた。

 俺は秋人と、瞳は風祭凛と言う人と組んでいた。

 凛は簡単に言ってとても明るく優しい子だ。

 例えば、自分が急いでるというのに、困った人を見つけるとすぐ助けに行ってしまう、そんな子だ。

 そう瞳達の方を見て考えてると、秋人が邪魔をする。

「ちょこまかちょこまかまどろっこしいいな、おい! ちょっとくらい止まってろよ! 龍!」

 言葉を発しながら、正面から斬りかかってくる。俺はそれを右に躱し、秋人そうくる。また躱し逃げる。

 秋人の獲物は逆手の小太刀、俺は二尺二寸(約七十三センチ)の二刀流。

「馬鹿を言うな。それじゃ意味ない、だろっ!」

 俺はそう言いながら、秋人の突きを回転しながら右太刀で急所に返すが、ガードされてしまう。

「それもそうだなっ!」

 ガードをしていた手を思いっきり上に振り上げ、蹴飛ばす。

 そしてまた逃げ回る。


「瞳ちゃん。バトってる最中に余所見は・・・危険だよっ!」

 視界に長槍襲い掛かる凛が見える。

「え?うわぁぁぁあああ!!」

 その奇襲に対処しきれず、擦りはするが何とか躱す。

 瞳の獲物は一刀の刀。凛とは相性が悪そうだ。

 にしても何て声あげてんだか・・・。

「もう、集中してよー」

 凛は呆れたようにそう口にする。

「いててー・・・。ごめんねー・・・」

「まあ、あの二人の戦いはどうしても見入っちゃうよね〜」

 そう、瞳は俺と秋人の戦闘を見ていて反応が遅れたのだ。

「なんでかね」

「ねぇ〜。にしてもなんだろうこの違和感・・・」

「ん? 私はそんなの感じないけど・・・?」

「なんか龍くん・・・。いや、気の所為だったみたい! このまま二人見てよ!」

「うん?」

 瞳は疑問を覚えながらも、凛の提案に同意する。



 しばらく逃げ回っていたが、秋人が決着へと仕掛けてくる。

「これでどうよ!」

 右上から小太刀を振ってくる。これなら躱せると思ったが、俺の目は信じれないものを捉えていた。

 本来なら、小太刀は膝上辺りないと可笑しいのだが、それは俺の目の前にあったのだ。

 そう、振り下ろす途中で秋人は小太刀を手から離していたのだ。

 しまっ・・・!

「かはっ・・・!」

 俺は腹を肘打ちされ吹っ飛び、秋人は宙にある小太刀を手にとって一気に距離を詰め、それを首に当てる。そして、ニッと笑みを浮かべた。

「・・・・。まいった」

「おいおい、まじかよ?!」

「聞こえなかったのか? 俺の負けだ」

 そう言いながら、二刀を納刀する。

「そうじゃなくてよ! 前から思ってたけどよ、お前本気で戦ってねーだろ?!」

「やっぱり・・・」

「え・・・。やっぱりって?」

 少し離れた所から見ていた凛がそう言う。

 そして瞳は答えを求め、それに答える。

「さっきの戦い見て思ったんだー。明らかに秋人くんが優勢で、龍くんは攻撃も受けて防戦一方なのに、ダメージが全くと言って良いほどない。それに、さっきの攻防で秋人くんは息は切れてないものの、結構の消費してるはず。けど、かなり動いてて、ましてや攻撃もくらってる龍くんは息を切らすどころか、体力が微塵も減ってないんだよ」

「そ、そう言えば。で、でもそれって体力が人並み以上にあるってだけなんじゃないの?」

 凛から聞いた答えにまた疑問が生まれた瞳は聞く。

 これくらい、みんな気付くはずなんだけど・・・。

「確かにそう言ってしまえばそうなんだけど、凄いのはそこじゃなくて、自分がダメージを喰らわないように受け流しつつ、秋人くんの身体に負担がかからないようにしてたんだ。こんなの相当な手練れじゃなきゃそんな真似・・・。一高校生になんて出来る技ではないよ」

「う、うそ・・・」

 凛の答えに驚愕する瞳。

 ││て言うか何でそこまでわかってだ・・・。

「龍、何でそれ程の力があるのに本気でやらないんだ。お前なら先生達・・・」

「うっせーよ。お前は俺を過大評価し過ぎだよ。俺はそこまで強くない」

 そう、秋人が思ってる程強くはない・・・。

「いや、けどよ・・・!」

 秋人の表情はどこかイラだっているようにも見える。

 そりゃあそうか。俺だって手を抜かれればイラ立ちを覚える。

「うっせーつってんだよ。それは良いから、ちょっと付いてこい」

「え、あ、ああ」

 突然にそう言われた秋人は気の抜けた返事をする。

「どこ行くのかしら?」

 急に離れていく俺らを見て、瞳が疑問に思う。

「連れションじゃない? トイレ行って・・・ふふっ・・・ふふふ・・・ジュル」

「り、凛?」

 そんな二人の会話が聞こえてきたが、聞こえない振りをする。



「さて、ここら辺でいいか」

「おい、龍こんな所でなんだよ」

 俺らは今、第一闘技場から少し離れた、学校の中庭に来ている。

 まだ授業中の為、人気は全くない。

「秋人。さっきの話だが、確かに本気じゃない。この事に気付いてるのは、お前と凛くらいだろ」

「って事は、俺がお前に負けるから手加減したってことか?!」

 そう怒り気味で秋人が返す。

「まあ、怒る気持ちもわかるが、待ってくれ。一度だけ少し本気を出す。秋人はそこにいてくれ。俺は百メートルほど離れる。秋人がそれまでに殺れると思えば、殺ってくれて構わない」

「・・・わかった。後悔すんなよ」


「準備いいか?!」

 百メートルほど先の秋人に声を貼り聞く。

「ああ! いつでもオッケーだ!」

「行くぞ」

 そう言い俺は一気に距離を詰めるが、辛うじて目で追う事のできた秋人が、正面に小太刀を突く。

 全く芸のない奴だ。

 だがそれも虚しく空を切る。

 その突かれた小太刀を持った手を掴みながら、地面を軽く蹴り上に飛び上がる。そして背後に回りこみすかさず秋人の首元に、左太刀をそっと添えこう言う。

「チェックメイトだ」

 カッコつけすぎたかな・・・。

「まじかよ・・・。予想以上に強いな・・・」

「お前が馬鹿なだけだ。なんで闘技場と同じ手で返すんだ・・・。学年トップの頭脳だろ・・・」

「そ、それはお前が早すぎて考える間が無かったと言うか・・・」

「それもそうだな」と笑いながら言うと、「肯定すんのかよ・・・」と秋人が呆れ笑いを浮かべながら言う。

 そう他愛ない会話をしながら、闘技場に戻る歩を進める。

「そういやお前って大会とか出てたのか?」

「あぁ、まあな。確か五歳から小六まで出てたな。本気でやると相手を殺しかねないから手を抜いて、いつも良い成績では無かったけどな。でも一部の人にはバレてたみたいで、裏では〝神速の龍〟なんて凄い厨二くさい二つ名で呼ばれてたけどな」

「似合わねー」と笑いながら言い、その後に「ジュニアか、懐かしいな」と言った。

「そういや、お前も出てたんだっけな」

「ん? 中学の三年間だけな。まあ毎年二位だったんだけどなー。一位の榊ってのがよ、ほんっと強くてな。全く歯が立たなかったぜ」

 そう秋人が物思いにふけっていると、俺の足が止まった。

「・・・ちょっと待て。今、なんつった・・・」

「? どうしたよ?」

「榊とか言ったな・・・。苗字はなんだ?」

「なあだから・・・」

「苗字はなんだ!!」

 眉間に皺を浮かべながら、俺は秋人の胸倉を掴む。

「た、確か・・・。戰刄・・・戰刄榊つったかな」

「・・・っ! クソッ・・・!!!!」

 俺は、掴んでいた手を離し地面を殴る。

 こんなに・・・こんなに・・・近くにあいつのヒントがあったのかよっ!

 俺はひたすら、ただただひたすら地面を殴り続ける。

「おいおいおい! だからどうしたんだよ!」

「榊、そいつは・・・俺の父さんの仇だっ!」

「それって・・・!」

 秋人が何かを言おうとした刹那、それは起きた。

「きゃあああああああああ!!!!!!」

「! 今のって?!!」

「ああ! 瞳の声だ・・・! 秋人、急ぐぞ!」

「おう!」

 そう言い闘技場まで走る。


「瞳!」

「な、なんだよ・・・これっ・・・!」

 扉を開けたその先の景色は、見るに堪えない光景が広がっていた。

 先生も、生徒も、皆大怪我しており倒れ込んでいた。

「・・・これは」

「・・・なんだ、知ってんのか?」

「ああ・・・。このやり方は〝A〟だ・・・。とりあえず俺は瞳を見る。秋人は他を頼む!」

「ああ! おい、皆大丈夫か?!」

 俺は瞳の傍に行き、秋人は皆の傍に行く。

「瞳! おい瞳! 起きろ!」

「りゅ・・・う・・・・?」

「瞳! どんな奴にやられた?!」

「こう、こうせ、いくらい・・・。」

「瞳! 瞳!」

 クソッ・・・! 誰が、誰が・・・!

 そう悔やんでいると窓の方から、聞き覚えのある、子供のような無邪気な声が聞こえてきた。

「やあ! 久しぶりだね、龍くん! 何年ぶりかなぁ? おや? おやおやおや? そっちにいるのは秋人くんじゃないかい?! ジュニアぶりだね!」

「・・・榊、てめぇなにしにきた」

「見ての通りだよ?」

 怒りで震える声で、俺は疑問を問いかける。榊は両手を広げ、目の前に広がる光景を指し楽しそうに言う。

 俺はそれに更に怒りを覚える。

「ぜってぇ許さねぇ・・・!」

 瞳を優しく床に寝かせ、二刀に手をかける。

 瞳、ごめんな。すぐ終わらせて医務室に連れてってやるからな。

「あー! 待って、待って! 君の相手は僕じゃないよ! 君の相手は・・・新しく〝A〟の幹部になった彼女にしてもらうよ!」

「・・・・っ! なんでっ・・・! なんでなんだっ! ・・・姉貴っ!」

「・・・」

 俺の質問に反応せず、楓は無言でこちらをみている。その対応に怒りを覚える。

「・・・っ! 質問に答えろよ!! なぁ?!」

「・・・龍、構えなさい」

 楓はひどく冷たい声でそう促す。

「・・・あくまでも答える気は無いって事かよ!」

「・・・」

 変わらぬ対応に悲しみすら覚えた。

「っ! ・・・わかったよ! 里見二刀流壱型壱番・乱れ咲!!!」

 俺は悔しさ、怒り、悲しみを噛み締め、攻撃に移る。

 〝乱れ咲〟それはまず右太刀で袈裟、次いで素早く左太刀でも袈裟。息つく間もなく身体を反転させ、二刀同時に相手の脇腹を横に一閃する。

「くっ!」


 秋人が龍に参戦しようとすると、榊が前に現れる。

「おぉーっと。君の相手は僕だよ! あの二人の戦いはじゃまさせないよ! それに、君が行ったところで足手まといになるだけだよ? ははは」

「ふっ、言ってくれるじゃんよぉ。・・・てめぇとやんのはジュニアのあの時以来だな」

「そうだね! あの時の秋人くんの負けっぷりは、最ッッッ高だったよ! あはっ」

 榊はそう無邪気に、楽しそうに秋人に言う。

「っ! あん時のまんまだと思うなよ? 榊!」

 怒りを覚え、殴りかかる。

「おっと、いきなりとはまた危ないなー。素手で戦うつもり? 死んじゃうよ? あはははっ」

「随分と下に見られたもんだな。てめぇなんか素手で・・・十分だっ!」

 もう一度正面から殴りかかるが、余裕で交わされてしまう。

「あはは、威勢がいいねぇ! それだけの虚勢を張ったからには、ちゃんと僕を楽しませてよね?」

「お望みどおり楽しませてやるよっ! はぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!!!」

 そう言いながら秋人は突っ込む。


「里見流抜刀術壱型・一閃」

「・・・っ! 完全には避けきれなかったか・・・」

 楓の横一閃の攻撃に間一髪のところで、後ろに飛んで躱すが服の切れ端が宙に舞う。

 すると楓がやっと口を開く。

「・・・・・・相変わらず逃げるのは上手いのね。だから未だにお父さんの事からも、逃げ続けてるんじゃないの?」

「っ! 逃げずに向き合った結果が! 姉貴って事かよ・・・!」

 俺が楓に疑問を問いかける。

 答えは、残酷に、無惨に、俺の心を引き裂いた。

「・・・・・・・・えぇ、そうよ」

「・・・っ! そうかよっ・・・! もう・・・あんたは俺の姉貴でもねぇ・・・! この裏切りもんがよぉぉぉっっっ!!!!!」

 今にも泣き出しそうな声で俺は言う。現実じゃ無いんだと、思い込みながら。

「・・・」

「里見二刀流参型・蓮華!」

 〝蓮華〟これは背面状態で片方の一刀で横に一閃し、もう片方の一刀で上から一撃。そして素早く後ろに移動をし二刀で横一閃。また素早く後ろに移動。これの繰り返しだ。

「・・・無駄。颯行くよ。里見特殊一刀流属性型・動封」

「くっ! うご、けねぇ・・・」

 〝颯〟そう言われたのは刀である。この刀は特殊で、属性を持っている。この属性を持った刀は、全部で五種類存在する。火、風、水、闇、光と有り、一属性に刀は一振りのみとなる。何故刀に属性というものが有るのかは、謎に包まれている。そして、何故楓がそんなものを持っているかと言うと、里見家にはその属性を持った刀は、〝颯〟を含め三振りあるのだ。

 因みに、〝動封〟は〝颯〟の風の力で、動きを封じる技だ。

「・・・・・流、本気で掛って来なさい。じゃなきゃ・・・お父さんと同じ様に・・・・・・死ぬわよ」

「っ!!!! ・・・・本気なんだなっ! なぁ! 楓!!!」

「・・・・・・えぇ」

「・・・そうかよ、そうかよっ!! じゃあ、お望みどおりみしてやるよ、本気ってのをよぉぉぉぉおおおおおお!!!!!!!」


 秋人は身体の至るところから血を流している。

「ハア・・・ハア・・・ハア・・・。まだ、だ・・・。かはっ!」

 立とうとはするが、力が入らず倒れこむ。

「そんな身体でまだやるってのかい? あははっ! もう僕飽きちゃったよぉー。だから一思いに殺してあげよう! と、思ったんだけど、その出血量だとほっといても死んじゃうし、それなら冥土の土産に見て行くといいよ! 彼の力の本質をさ! まあ力を、って言っても昔僕が掛けた呪いなんだけどね? あはは」

 相変わらず榊は無邪気に笑いながら楽しそうに言う。

「はぁ・・・はぁ・・・。っのろい・・・・だと・・・?」

「そ! 死ぬまで死ぬほど苦しみを与え続ける呪い! 自殺したくても強制的に出来ない様にしてあるから、すっっっっごい辛いと思うよ? だからあんなに無愛想なのかな? あははっ。それと、この呪いは力を解放できてね? 解放すれば身体能力は飛躍的に向上するんだけど・・・。おっ、始まるみたいよ?!」


 俺はその言葉を強く噛み締め、それを音にする。

「本当はこんな力使いたくもなっかたんだがな・・・・。呪いよ、力を貸せぇぇぇぇぇ!!!」

 そう叫ぶと、刀から炎と水を連想させるオーラが俺の周りを覆い、それは急に黒く色が変わる。しばらくするとそれは消え俺の服装は変わり、死神を連想させる。

 〝焔〟と〝時雨〟は、属性を持っている刀のことだ。

「・・・里見二刀流壱型弐番・乱れ夜桜。」

 〝乱れ夜桜〟のベースは〝乱れ咲〟と対して変わらない。違うところは、夜桜の様に華麗でどこか儚げに攻撃をする技である。スピードもキレも掛け離れて優れている。その為俺は、身体能力が飛躍的に向上する、呪いの解放時にしか使えない。

「・・・っ! 早いっ!」

 楓は後ろに飛び辛うじて躱すが、腕に掠ってしまった。

「・・・里見特殊二刀流属性融合型・霧雨。・・・次いで、里見流歩法術伍番・霧影」

「・・・っ! しまった、誘われた!!」

「誘われたって、どうゆう・・・・・」

 楓の咄嗟に反応した声に、秋人は疑問を覚える。それに対して、答えを返したのは、榊だった。

「あー、それについては僕が説明してあげるよ」

 榊は語り始める。

「霧雨は〝焔〟の火で、〝時雨〟の水を蒸発させて、霧を作り出すんだ。それで、霧影は里見家初代当主、里見蓮しか使え無かったと言われてる歩法術でね? 特殊な足捌きで、じぶんの分身を生み出すんだ。でも、霧影は霧があると、無いとでは、大きく変わってきてね。無いと、ほとんどの人が、見分けがついてしまうけど、霧があると、全くと言って良いほど、見分けが付かず、百戦錬磨の強者ですら、判別するのに半日は掛かるだよ!」

「そんな高度な技なのか・・・・?」

 秋人は技の実態を知り、地に這い蹲りながらも、痛みすら忘れて驚愕する。

「まあね! 常にてきにバレ無いように、霧を生み出し続けないといけ無い上に、特殊な足捌き。凄い集中力が無いとまずでき無いだろうね! 呪いの解放時にしか使え無さそうだけどね。はははは、けど、いつ習得したんだろ?」

「すげーな・・・・。って、そもそも里見家って何だ」

 榊はその疑問を聞いて目を丸くし、数秒後に大きな笑い声をあげる。

「君、中学からの長い付き合いなのに、そんなことも知ら無いの? ははははははははは!!! ダメ、お腹痛い・・・!」

 これが終わったら説明しなきゃいけないな・・・・。

「他にも疑問はある! こんな高度な技が使えるなら、なんで最初から使わなかった・・・。呪いを解放しなきゃいけ無いにしても、それも最初から使えば問題無かったはずだ!」

 その疑問に、榊は深い溜息をしてから、呆れたように言う。

「君さ、本当に頭良いの? 馬鹿だよね? 僕は言ったはずだよ? あれは呪いだよ? 解放して無い時ですら、結構しんどいはずだよ? ってことは? いくら馬鹿な君も、ここまで言って分からない馬鹿じゃ、ないよね・・・? ははは」

 少し考え込み、自分が怪我をしてるいるということすら、忘れて飛び起きる。

「っ! 今すぐ辞めさせねーと・・・・!」

「あーダメダメ! そんことしたら、つまらないじゃないか! だから、おとなしくしててね!」

「ぐぁっ・・・・!!!」

 行かせないように、近くにあった刀を拾い上げ、秋人の両足を突き刺す。

「てっめぇ・・・・!!」

「ははは、そう怒らないでくれよ。さぁ、決着がつくよ」

 そう言い目線を俺達へと向けらる。

「・・・・これで終わりだ、楓。里見二刀流零型霧影・百花繚乱」

 そん言葉が合図となり、一斉に分身の俺と共に、俺は楓に突っ込む。

「くっ・・・! 里見流弐型・乱風!」

 くるりと身を翻し、刀から風を発生させ鎌鼬を作り、それを乱れた風の如く、放つ。

 しまっ・・・・!

「がはっ・・・・!」

 まともに喰らってしまい、呪いの解放も解けてしまう。

 くそっ・・・・。

「へぇー鎌鼬で霧を消したか。龍くん、一つ質問に答えてもらうよ? 君はこちらに来る気ないかい?」

「ある・・・・・わけねぇだろっ・・・・・・!」

「だよね! よし! もう十分だ、楓ちゃん切り上げるよー!」

 まるで、その答えじゃなきゃ、つまらないといった雰囲気を出し、榊は去っていく。

「・・・・わかったわ」

 そう言いながら楓は、ポケットから小瓶を取り出し、地面に叩きつける。すると、中に入っていた液体は気化していく。

 これは・・・。

「・・・・・ウチの・・・・睡眠薬・・・・・・か・・・・・・。ま・・・・て・・・・。にげ・・・・・る・・・・・・・・・のか・・・・・・・・・・楓・・・・・・・・・・」

「・・・・勘違いしないで、龍」

 そう吐き捨て、去って行こうとするが、秋人の前で止まり何かを伝える。

「・・・・・・・秋人くん。絶対、二度と・・・・・あれを使わせないで」

「・・・・かい・・・・・・ちょう・・・・・・・・・あ・・・・・・・な・・・・・・・た・・・・・・は・・・・・・・・」

 そこで秋人の意識が切れる。

 視界がぼやける中で、俺は楓の背中を見続けた。

 手を伸ばせば、まだ間に合うそんな気がして、手を伸ばすが、それは叶わない。




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