剣
退路を阻まれた 俺達は為す術が無かった
ジャックが近付いて来る、想定外の強さだ!
「逃がさないぜ、白龍…」
くそ、奴の狙いは俺か?
ならば… 一か八かだ
俺は 弾幕の隙を就いて 飛び出した
ジャックは右利きだったハズだ、奴の左側に回り込む
しかし 奴は見向きもせずに、シルバ達に攻撃を続けた!
俺は ワイヤーアンカーを射出し、奴の左腕に巻き付けた
「何だ?この武器は?」
ジャックは一瞬 隙を作った、俺は見逃さない
マインが後方から支援してきた、地面を打ち付ける弾丸が土煙を上げさせる!
俺は ジャックの周囲をグルグルと回り ワイヤーで縛り挙げた…
ジャックは身動きが取れない
マインは キャノンをチャージして 発射体制を取る
俺が ワイヤーを切り離し、マインが狙い撃つ!
ジャックは苦し紛れにミサイルを射出した
射出したミサイルは マインの砲弾より先にジャックに着弾する
「自爆?」
マインの砲弾は ジャックの居た場所をすり抜けて
遥か後方に着弾した
「やったのか?」
辺りを警戒する、相手はジャックだ
すると 上空からミサイルが降り注いだ!
マインの方角だ
「危ない マイン…」
シルバ以外は 全員気絶している
シルバも かなりのダメージを喰らった様子だ
「まぁ、こんなものか?……、さてと白龍 遊びは終わりだ」
ジャックが仕掛けて来た!
俺はバルカンを撃ち込む…
「遊びは終わりだと言ったろ!」
ジャックは剣の腹で 俺を殴りつけ、鞘で突き飛ばした
俺はうつ伏せになり、ジャックは俺の上にドカッと座った
「おぃおぃ、頼むよ! 何だ?この様わ!」
「お前の狙いは俺か?」
「はぁ?… まだ あの おねーちゃんの方がいいねぇ」
プチン!
俺は クリスタルに力を込めた
「マインに手出ししてみろ、テメェ ぶっ殺してやる」
「ほぅ、少しは…」
俺は ドラゴンを構えた、 ジャックも剣を構えている
剣と剣の戦いになった!
ジャックは余裕の表情だ、難なく受け流している
踊っているかのような 軽やかな動きのジャック!
俺は ドラゴンを目一杯振り回すが
ジャックには 届かない…
一撃だ! 一撃さえ入れば… 「突け…」
誰だ? 誰でもいい、突きなら通用するのか?
俺は 斬撃から突きに切り替えた
しかし ジャックには見切られている
「何だ、こんなものか? 残念だ…」
ジャックはタメ息を吐いた
次の瞬間 ドラゴンはシールドを展開するかの様に
口を開いた… 「撃て…」
俺は ドラゴンにファイヤーキャノンをチャージした
ジャックは とっさに剣でガードする
「ファイヤーキャノン…」
射出された ファイヤーキャノンは通常の物より凄い威力だった
片腕でドラゴンを持っていたせいか、 右腕が上がらない…
肩の付け根まで 痺れている!
「また ドラゴンが進化した…のか?」
それを見ていたシルバも駆け寄る
「龍… 大丈夫ですか?」
「また、ドラゴンに助けられました…」
「待って下さい、動かないで」
シルバは 俺の腕を治癒してくれた
仲間の元に戻り、シルバが全員 治癒してくれた
あの声… まさかクリスタル…?
分からない、今度 エリックにでも聞いてみるか
俺達は 帰り支度をした… そのすぐ後ろに奴が居た!!
「……なかなか、やるじゃないか!動きは悪いが、戦い方が変わってる」
「全員撤退しろ…」
「おぃおぃ、 もぅいいよ! この剣の使い方も判ったし、これ以上やる意味も無い」
「えっ、?」
「……………、だから剣のテストは終わりだって」
ジャックの顔は 少し焦げてたが、満足そうな表情だった
「あぁ、シルバ… 少し手直しして欲しい箇所があるんだが… 頼めないか?」
意味が解らない…
何故 敵の武器を手直ししなけりゃ いけないんだ?
ジャックは辺りを見渡している
「あぁ、… 無理な様だな、………残念だ」
気まずそうなジャック…
「その…… 何だ、誤解されている様だが ……俺は剣のテストをしたかった訳で…… 」
「何の真似だ、 ジャック」
「そう 怒るな… 白龍、新しい武器を試したかっただけだ」
全員警戒した… こんな奴に隙を見せたらヤバイ
ジャックは 諦め半分で パワードスーツを脱いだ
剣も シルバに渡し、 自ら両手を頭の上に置いて
座った!!
「これなら 話くらい聞いてくれるか?」
「動くな、 目的は何だ?」
ビーズとレッガがパワードスーツを回収した
「だから、武器のテストだって… 俺の事… そんなに信用出来ない?」
「出来ない」
「じゃぁ、どうすれば…… 信用してくれるの?」
「信用なんて出来ないさ、水龍のジャックだろ?」
「そんなに 水龍のジャックって 悪い奴じゃ無いんだが…… あぁ、 俺…何かしたか?」
俺はジャックに関する事を話した
逃げられ無い様に、ジャックを取り囲む!
「あぁ、確かに 間違いじゃねぇ……が それの何処がそんなに信用無いんだ?」
「チハ様を殺したのも事実なのですか?」
「あぁ、親父が望んだからな…… なんで?」
「そこまでして、パワードスーツが欲しかった訳を教えて頂けますか?」
「んな物に興味なんて無いさ、だから……親父の望んだ事だって…」
おかしい、では何故 ジャックはチハの船を襲ったのだ?
「…………、親父から 頼まれたんだ… この鎧を守れって…」
「なのに 船を襲う必要は無かったハズですが?」
「知らねぇよ、全部親父の指示だ…」
俺は ジャックの首にドラゴンを添えた…
「本当の事を言うか、首が飛ぶか… 選べ」
「………………、判ったよ! 親父の指示でやったのは事実だ、ブルッケンの事も聞いている。
親父は 病に侵されていて先が無かった、パワードスーツを守り切る事は無理だ。
親父の指示で戦士達は全員気絶させ、俺は鎧を預かった。
そして 親父は俺に 殺す様に言ったんだ」
「何故チハは そんな事を?」
「親父は判ったんだろうよ、ブルッケンの事件の犯人が誰か…」
「誰なんだ?」
「火龍だよ… 奴から鎧を守れるのは俺だけだ」
チハは事件の後 すぐに調査をして、ブルッケンから
真犯人を聞き出していたのだ!
火龍相手では 今のルナ王国では対抗出来ない…
チハは ジャックに連絡を入れ、呼び出し全てを語ったが
断られた…
ジャックは 当初チハの申し出を断ったが
チハの最後の頼みと聞き…… 海賊らしく 振る舞った
「親父の奴… 普段は海賊なんてやめろって話ばっかしやがって、こんな時だけ 海賊なら奪い取れだと。
まぁ、あれだけ吐血してりゃ 助からねぇわな。
最後は 俺の手で……って言うからな
そうすりゃ 火龍も 俺の所を狙うかも知れねぇ…
狙いがルナ王国だとしてもだ…
俺が この鎧を持ってる事実は変わんねぇんだ
火龍の奴も 下手に動く事は出来ねぇさ…
それが 親父の考えたシナリオだ…」
「まさか、そんな事…」
「信じれ無いか、…… なら 俺は関わりたく無いんで 失礼する 」
そう言って 立ち去ろうとするジャック…
「待て… なら この街は何故作った?」
「……… これは 俺の暇潰しだ、だがもう 関係ないけどね…」
「関係ないのか? 親父と呼べる奴が最後に託したんだろ… お前に」
ジャックは立ち止まった…
普段から 軽いノリのジャックだが、今は違った!
「だから 潰しに行くだよ、火龍の奴を」
「ジャック… どの箇所が問題ですか?」
シルバはジャックに問い掛けた
ジャックは 驚いた顔をしている
「パワードスーツの方は問題無いですか?」
「………あぁ、 いい鎧だ… 少し改良点もあるか」
ジャックは戸惑いながら答えた
俺達は ジャックを引っ張り 街の方へと帰って行った
「ジャック、パワードスーツも運ぶと重いので着けて貰えますか?」
ジャックは言われるがまま パワードスーツを装着して シルバから剣を受け取った
街までの間 俺達とジャックは色々な話をした
都市チハでは 過去のネピウス事件を調査していた
ジャックは チハがネピウス事件の真犯人を探している事は知っていた
ジャックは海龍を使い ルナ王国に何か起きている事を伝えたかった
ジャックが海賊をしていた 本当の理由は 真犯人探しだったのだ
時々 怪しい船がルキハの街の近くに停泊する姿をジャックは見ていた…
しかし 証拠が無い、チハにも伝えたが止められた
「あの船の造りは 都市ヨミカのだ、俺は最初から火龍が怪しいと思っていた。
アイツ… 何か企んでやがる」
ジャックは 火龍相手に戦う為に この土地を調査していた
ルナ王国の情報は 常に都市チハから入って来ていたので すぐにビーズ達と合流する事が出来た
Beシステムの話を聞き 直ぐに向かった先がここだ
「ここって どの辺りなんですか?」
「未来言う エジプトだ」
そうか、だからピラミッドを作ってんのか!
火龍が潜伏している辺りも調査済みらしい
「何で火龍は こんな事をしたんだ?」
「…………俺に聞くな、 判ってれば苦労してない」
ジャックの街の開発は 火龍対策だった
ここが完成すれば エリックが攻めて来ても
大丈夫な様に考えてある
「ジャックも俺達と一緒にルナ王国に帰れば…」
「………それはダメだ、折角親父が命を掛けて した事が台無しになる…… 俺は派手に動け無いんだ」
ジャックは エジプトに身を隠す事になった
俺達は その分 派手に動けと言われ
数日後ルナ王国に帰る支度をし始めた…
「………湿気た面すんな、 Beシステムで連絡はいつでも取れるんだ…… だろ?」
「火龍の情報が入り次第 直ぐに連絡します」
「……任せたぜ、間違っても奴と戦うなよ!」
「……忘れてた、いい加減ガーディアンを出すの止めるように言っといてくれ」
「分かりました」
俺達は ルナ王国に戻る為 地中海に呼んでいた船目指して出発した
少し寂しい気分で 船に乗り込み 船は出航した
そんな気分を ぶち壊すように
ジャックは 暇があればBeシステムを使って通信してきた
やる事が減って 暇なんだな
帰りの航海は 海龍に守られながら 順調だ…
シルバは KIDに情報を選びながら 入力していた
「全てを入力すると 火龍の手の者に情報を盗まれた時に困りますからね、ジャックの事は省きましょう」
数日後… 俺達はルナ王国に帰って来た!
この数日 俺は 何をしてたのか、決まっている
マインと何をなにしていた…




