地下室
暗闇の中を歩いていると
窓辺から ロウソクの薄暗い明かりが見える
俺は ベッカを探しに向かった
街と言っても現代とは違い 街灯など無い
所々に松明の明かりが見える程度か
次第に 闇夜に目も慣れて来た
騎士団の事務所を見張れるポイントを探した
いた、ベッカだ
「どうだった? ほら、飯だ」
「ん?あ、ありがとう… 何も動きは無いぞ」
「そうか、交代だ 宿に行け」
「いや、いいよ」
「俺が シルバに起こられんだ、早く行け」
ベッカは渋々 宿の方へ向かった
暫く 俺は騎士団の事務所を見張るが
何も動きは無い
俺が諦めて帰り掛けた時だった、ボロ布を身につけた奴が 事務所の中に入って行った
辺りを見渡し 俺は事務所の方へ移動した
ここなら 壁越しに会話が聞こえるだろう
「ブルッケン一味が略全滅した、 そしてBeシステムも奪われた」
「何だと、Beシステムが… あれが無くては計画が」
「ブルッケン一味は いいとして、武器とBeシステムは痛いぞ」
「そこで、ビウラ様からの指令だ…」
くそっ、肝心な所が聞こえにくい
ビウラって誰だ?
「そんな事出来るのか?」
「やるしか無いだろ」
コイツら 何か企んでるのは間違い無い!!
俺は 窓からこそっと 中を覗いた
誰も居ない!!
さっきまで話し声が聞こえていたのに…
すると 床が開き人が出て来た!!
地下室があったのか?
出て来た奴は夜の巡回に行くみたいだ
俺は 後をつける事にした
街の広場辺りまで来た時に 奴が俺に気付いた
「貴様 何のつもりだ?」
俺は 広場に向かって逃げた、奴は追い掛けて来る
逃げた先には シルバがパワードスーツを装着した
状態で待っていた
「おや、上手くいきましたか?」
「結果的には しくじりました」
シルバは騎士を取り押さえ 事の内容を吐かせた
コイツらの親玉は ビウラ 現団長だな
ビウラは ネピウスの元部下だ 事件後は上手くやり
この街の団長に成り上がり
ネピウスの計画を実行しているのだとか
「計画とは何ですか?」
「そ、そせは言ぇねぇよ」
「そうですか、残念です…」
ボキッ…
「ウギャー………モゴモゴ……」
「五月蝿い奴だな、治癒してやるよ」
シルバは 腕の骨を折り
俺が 治癒してやった
「話せますか?」
「か、勘弁してくれ」
「そうですか、残念ですね」
「ま、待ってくれ… 話す、話すからもう折らないでくれ」
「最初から素直に喋ったら 痛い思いもしないのに」
ネピウスは クリスタルの力を使って大陸で国を作る計画を企てていた
しかし、ビウラは クリスタルより 武器やBeシステムに目をつけて 計画を実行したのだ
しかし 何故一騎士団団長が 国の秘密次項を知ってるのか?
その謎は 騎士団の事務所 その地下にあった
俺も宿にパワードスーツを取りに帰って
シルバと騎士団の事務所に向かった
地下室の入り口を見付けると シルバは周囲をサーチした
「下に5人いますね、範囲は…」
シルバが 床をぶち抜いた!!
床ごと落ちるシルバと俺、 着地と同時に敵を攻撃する
シルバが素早く2人 俺が1人と床の下敷きになったのが1人…
最後の1人には 色々お話を聞きます
この地下室の 更に下 そこに秘密があった!
そこには ムーへの入り口があり
ネピウスにビウラは そこから戦艦ムーへと侵入していたのだ
案内された場所には サブシステムの部屋が有り
情報は ここから盗んでいたのだ
「成る程… システムは繋がってますからね」
「これ 止める事は出来ないの?」
「調べてみましょう」
その間に 俺は1人始末した…
ここの場所を知ってる奴がいたら また今回みたいな事が起きるだろう
「龍… ここのシステムは切れません」
「では、知ってる奴は…」
「また やって来るでしょうね」
シルバの提案で 入り口付近を硬い岩盤で塞ぎ
地下室を埋めていった
「出来る限り 硬いので塞ぎました」
「ご苦労様です、さて ガズユ様に報告しなければ」
俺達は 宿に戻って ガズユに通信した
対策は ガズユの方でするらしく、俺達には帰還命令が出た
翌朝 俺達は都市ガズユを目指して 歩き始めた
「シルバ、こいつ どぉすんだよ?」
「放り出す訳にもいかないでしょう」
当然のように ベッカも付いて来た
こいつ 風呂に入って無いのか
凄く 匂う…
帰り道は早かった、ゆっくり休憩を入れながらでも
夕方には 都市ガズユに到着した
「今日は ここで泊まりますか?」
「そうだな、俺… 少し寄りたい所があるから
出発は少し待って欲しいんだ」
「アロンが 気になるのよね」
マインは流石だ、俺が行く先が分かってた
「朝方には戻るよ」
俺はバイクに乗り 急いでロイの家に向かった
シルバのチューニングしたバイクは速い!!
パワードスーツを着てなかったら 振り落とされる
お陰で 移動は短時間で済んだ
森の入り口には アロンがいた
「アロン… 久し振りだな、いい子にしてたか?」
一応心配だったから 見には来たが
アロンは強いし、狩りも自分でするから
大丈夫だった
俺は 夜明まで アロンと一緒にいた
朝日が昇る頃 俺は アロンに別れを告げて
都市ガズユに戻って来た
中庭に ベッカが寝ていた!
何でコイツ こんな所で寝てんだ?
廊下を歩いていくと 前からシルバがやって来た
「おはようございます、シルバ」
「龍 おはようございます… もう 済みましたか?」
「はい、心配無かったみたいです」
シルバの手には クリスタルとパワードスーツ
一体何をするんだ?
「シルバ… それは?」
「えぇ、ベッカにと思いまして」
「アイツに… クリスタル反応するのか?」
「試してみなければ、分かりませんね」
少し興味がある、俺はシルバに付いて行った
「ベッカ… 起きなさい」
「……………、もう行くのか?」
するとクリスタルがベッカに反応した!!
「えっ? まさか!」
シルバは ベッカにクリスタルを装着してやった
「ベッカ… 私達と旅するならこれを着なさい」
シルバはそう言って パワードスーツをベッカに与えた
当然 上手く動けるハズが無い!
シルバから 時間をくれと言われ 俺は部屋に向かった
朝から 何がなにだ…
「ちょっと…龍」
「…………………、」
「もう、…」
昼過ぎには ベッカの特訓は一段落し 食事する事となった
「さて、食事が終わりましたら 大都市ルナへ向かいましょう」
ベッカの属性は 火だった
クリスタルはイブが着けてた物だ
それなら 属性は 水だと思ったのだが
それは 関係無いらしい
それにしても コイツのクリスタル 普通の火の属性と少し違う…
赤く輝き 中心は黒い点のような物が…
パワードスーツの特訓ってのは バイクにしがみつく事だった
俺達は 旅の支度やをして 大都市ルナへ向かった
シルバの後で ベッカの奴 泣きそうになってやがる
休憩する度 シルバから 狩りをして来いだの
水を汲んで来いだの ベッカは鍛えられていた
焚き火をするのに 技の練習をしたら火事になった
コイツは危険だ!
大都市ルナに着く頃には ベッカもそこそこ動ける位になった
これなら 騎士団の入団テストを受ける位は出来るだろう
大都市ルナ 拠点に到着し 俺達はガズユの元に向かった
「皆、ご苦労であった」
「ビウラは どうなさいますか?」
「チハ殿が 向かった」
チハは 戦士としても強い 土の属性のクリスタル所持者だ
任せて置いて 問題無いと ガズユは言った
ルキハの街には パックの部隊を派遣したらしい
「って事は 俺達は やる事が無いな」
「いえ、Beシステムの追跡をしなければ」
「そうじゃ、頼めるか?」
「はっ!」
俺達は 旅の支度を始めた…




