職業
ルキハの街
街の広場で鐘が鳴る…
騎士団の事務所を出て 食事が出来る店を探した
街に来た時位は 店で食べたい
暫く西の方に向かって歩いていると 酒場があった
俺は この世界に来てから こういった場所に来た事が無かった
カウンターの端の席に座り 食べ物を頼んだ
久しぶりに 一人で飯を食べた気がする
「ったく、仕方無いな」
俺は店の者に頼んで 一人分の食事をテイクアウトした
店を出て 更に西の方へ向かった
その先には 小さな公園があった
「おい、飯だ!」
驚いた顔をしながら 物陰から ベッカが出て来た
「な、何で気付いた…」
「バレバレだろ、最初から」
ベッカは 俺が買って来た 飯を食べた
まぁ 今は シルバとマインに付いてられても困るし
俺が面倒見るしか無いよな…
「なぁ、お前らが着てる鎧って 何処の騎士団のだ?」
「これは 騎士団の鎧じゃ無い」
「その デカイ剣は 何処で買った?」
「内緒だ」
ベッカは食べカスをこぼしながら 色々と聞いて来た
「強くなるには どうしたらいい?」
「………、さぁ」
「お前は どうやって強くなったんだ?」
「俺は… たまたまだ」
このガキ 面倒クサイな…
「お前 稼ぎはいいか?」
ん?
そう言えば、俺… この世界に来てから仕事って!
金は無くなれば ガズユがくれてたし…
あれ? 俺… 無職だ
「なぁ、稼ぎはいいかって?」
「稼ぎは… 無い」
「えっ? 何でだ?」
「何でって、無いものは無いんだ」
ベッカの頭の上にクエスチョンマークが出ている
説明しても 分からないもんな…
ベッカはつまらないって顔をしながら
自分の短剣を眺めた
「強くなっても稼げないのか…」
そうだな、俺…強くなっても稼げてないわ
帰ったら ガズユに相談してみるか…
さて 次は 何処に聴き込みをするかだ
俺は資料を見た
何枚か 破られた跡が残っていた
手掛かりになりそうな事は 載ってない
この街では こんなものか、後は騎士団の動きに変化があれば 追跡調査する
俺は来た道を帰り 騎士団事務所の近くで宿を探した
無職の俺だが ガズユからは金を貰っているので
支払いは心配無い
ベッカは金が無いから自分はいいと言って入って来ないので、仕事を頼んだ
騎士団の見張りだ!!
ベッカは 俺から金を受け取り、張り切って騎士団事務所の方へ向かって行った
アイツ… 金持って逃げないだろうか?
日が暮れる頃 俺は街の広場にいた
一人では暇なので 街を探検していたのだ
「おお~い」
誰かに呼ばれ 振り返ると マインとシルバがいた
二人とも 満足そうな顔をしている
「すみません龍… マインが」
「大丈夫です、それより 親子の時間はどうでした?」
マインとシルバは楽しそうに 話してくれた
俺は 宿を取ったと言うと マインとシルバは
宿の方へ行こうと 言って歩き出した
宿に着いてから 俺は二人に今日の報告をした
「あんな子供に見張りを頼んだのですか?」
シルバに聞かれ 事情を話した、ちゃんと仕事をしていたら ベッカは奴等に顔を知られていない
適任だ、俺達はパワードスーツのお陰でバレバレだ
だからと言って パワードスーツを置いては行けない
イブの時みたいに奪われたら大変な事になる!
「成る程… しかし…」
「誰かが 留守番してればいいのよ」
「そうですね、私が今から行って来ましょう」
シルバには 資料を見てもらいたいので脚下だ
仕方無い 俺が行くか…
「シルバ 少し頼みがあるんだ」
「………、何ですか?」
宿を出て ベッカを探しに向かった
もう 完全に街は暗くなっていた…




