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   3話「敵が多すぎる!」

 高さ5m、幅10mほどある扉にどんどん穴が空いていく。腕力半端無いな。

 その穴からぞろぞろとグランデ・ヴァイオシスが入ってくる。

 

「撃て~!」


 茂さんの合図で俺らは一斉に射撃を開始した。

 大量に入ってきたグランデ共に命中して肉片が飛び散る。

 だが、骨や右腕は命中して飛び散ってもすぐに元に戻る。

 やはり心臓を狙わないと……


 それに、射撃音がすさまじい。耳が痛い。思わず顔が歪む。

 反動もすごい。俺のひょろい体じゃ吹き飛びそうになる。

 でも、俺は吹き飛ばされないように腰を落としてガッチリ脇に銃を挟み、撃ち続けた。

 

 その時、銃声の中、鈴華さんの声が聞こえた。


「忘れてた! 銃の弾は一回で30発しか撃てないから!

 撃ち終わったらバナナの形した弾倉を外して新しいのつけてね!」

「はい!」


 俺は銃声の中でも聞こえるように精一杯叫んだ。

 同時に弾も切れたようだ。連射速度速いな。3秒ほどで撃ち尽くした。

 俺は言われたとおり弾倉を外し、持ってきていたものをつけた。

 そしてまた撃ち続ける。


 俺は適当にガンガン撃っているのでなかなか心臓に当たらない。

 が、鈴華さんは手馴れていて、確実に心臓を撃ちぬいていた。

 龍斗さんは後方でスナイパーライフルと思われる銃で狙撃していた。もちろん全部一発で心臓を撃ちぬいている。

 

 って悠長に周りを見てる場合じゃないな。早く銃の扱い方を覚えなきゃいけないし、油断したら殺される!

 

 そう考えている間にもグランデ共はどんどん倉庫内に入ってくる。

 100体? もっといるんじゃね?

 鈴華さんを見るとテヘッとした顔でペロッと舌を出している。もちろん銃は撃ちながらだ。

 ……なんかむかつくな。

 この数の多さで手持ちの弾が無くなってきた。


「全員射撃は続けたまま後退しろ! 弾を補充するぞ!」


 茂さんの指示で俺らは少しずつ後退して行った。

 

 そして最後の弾倉も撃ち終えたとき木箱に足がぶつかった。


(よし! 間に合った!)


 俺はすぐさま木箱の中に手を突っ込み弾倉を取り出した。

 そしてすぐ取り付けようとしたが……


(あれ? 全然入らないぞ!)


 どうやら違うタイプの弾倉を手に取ってしまったらしい。

 え? なんで? どうして!? ちょっ! これ!

 その時は急なことで銃のことを理解していなかったし、本当に命がかかっているからか、間違っていると気づかずにずっと銃と格闘していた。


 手元が急に暗くなった。前を見るとグランデ・ヴァイオシスが目の前まで迫って来ていた。

 俺が銃と格闘している間にだいぶ進行を許してしまっていたようだ。

 グランデは機械の左腕を振り上げた。

 あ、俺もうダメだ……


 覚悟を決める……というよりも諦めたとき、風を切る音がした。

 次の瞬間目の前のグランデが倒れた。

 後ろを見ると龍斗さんがこっちを狙っていた。助けてくれたのか。

 安堵して呆然としていると、


「なにしてる! 落ち着いて弾倉、それか適当な銃を取って撃ちまくれ!」


 茂さんの響き渡る大きな声で我に返ると、すぐに木箱から新しい銃を取り出した。

 今度は少し大きくて重い銃を取り出した。これは多分機関銃というものだろう。


 俺は落ち着いて、さきほどと同じように脇で固定し、腰を落とし撃ちまくった。

 この銃は装弾数が多いのか長い時間撃つことが出来た。といっても10秒ほどだが。


 そのおかげで、ずいぶん前進していたグランデ共の足を止めることに成功した。


 と、不意に嫌な気配を感じた。

 これは上からだ。俺はバッと上を見る。

 すると、5体のグランデが上から落ちてきていた。でも俺の真上じゃない。

 落下地点を見ると鈴華さんがいた。


「鈴華さん危ない!」


 俺はそう言いながら銃口を鈴華さんの上へ向け、グランデを撃った。

 だが、4体しか心臓に当たらず1体殺し損ねた。


(やばい! グランデのあの力じゃ一発でペシャンコだ!)


 そう思ったとき、また急にグランデが力尽きた。

 

「(グッ)」


 龍斗さんだ! 

 彼は親指を立ててグッドポーズをしている。

 

「みなさん! 上からの敵に注意してください!」

「「了解!」」


 俺は銃声の中でもみんなに聞こえる声で言った。

 


 

 3分ほど経っただろうか。

 グランデ共は減るどころか逆に増えている気がする。

 仲間でも呼んでいるのだろうか。

 これでは拉致があかない。それにあの真ん中らへんにいる赤黒いグランデは何者だ?

 そう思っていたときだ。


「みんな下がって伏せろ!」


 倉庫に良く通る凛々しい声が聞こえた。まるで勇者みたいな声だ。

 初めて聞いたな龍斗さんの声。


 後ろを見ると、鈴華さんと茂さんはもうすでに下がって伏せていた。さすが慣れている。

 こういう現場に慣れていない俺はすっかり逃げ遅れていた。

 龍斗さんを見ると肩にでっかいロケットランチャーを担いでいた。

 まさか、あれを撃つ気じゃ……


 次の瞬間発射音と共に先端についていたものがグランデ共の真ん中に放たれた。


「やっぱり撃っちゃうのね~」




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