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第八十九話 悪夢

 昨夜の夢は最悪だった…と優太は思った。眠ったのが深夜帯だったせいもあった。

 いつやら、正月前に友達から聞いた話で、元旦の夜、寝る前に枕の下へ七福神の絵が描かれた紙を忍ばせておけば、素晴らしいラッキーな初夢が見られる・・ということで、勇太は不審に思いながら、試してみた。結果、残念ながらその夜、夢は見なかった…と優太は、その一件を思いだした。素晴らしい夢も悪夢も見なかったのだから、この一年は、まあ中吉ぐらいの運勢なんだろうな…と、勇太は軽く考えていた。それが甘かった。次の日に見た夢が最悪だった。それが昨夜の正月三日である。優太は意固地になった。こうなりゃ、なにがなんでも素晴らしい夢を見てやる! と、勇太は意気込んだ。とはいえ、夢というものは、そう意気込んで見れるものではない。形のない無形の心象風景だからな…と、勇太は小難しく考えた。まあ、焦ることはない。眠りをさまたげる寝相ねぞうとか、眠れない状況とかで悪夢を見る場合がある・・とは、優太がいつか得た知識だった。よしっ! 努力だ! まず快適に眠ろう…と優太は益々、意気込んだ。ひとっ風呂浴び、早めに寝た。結果、残念ながらその夜も夢は見なかった。優太は次第に夢を見ることがトラウマになっていった。それがこうじたある夜、悪夢を見た。地獄の閻魔えんまさまが針の山の頂上にむしろを敷いてどっかりと座り、鬼達に『少々、痛いぞよっ! もう少し厚目の筵はないのかっ!』と、赤ら顔でどやしつけていた。優太はどういう訳か雲の絨毯じゅうたんの上からその光景をながめている・・という悪夢だった。なんと、その光景のおそろしいことといったら…筆舌に現わせないもの凄い悪夢だった。同じ夢を数日見続けた。優太は、もう夢のことは忘れようと思った。このままではメンタル面で駄目になる・・と思えたのだ。どういう訳か、その夜から夢をみなくなった。

 一年が巡り、翌年の正月になった。優太は夢のことが気にならなくなっていた。二日の朝、優太は素晴らしい初夢を見た。七福神達が乗った宝船に、優太が乗せてもらっている夢だった。


                 完

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