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激戦炸裂ホビースピリット!!  作者: 本文・挿絵・管理『ENMA.STATE レベル2』  協力『ジオラマ偶像』
第4話『人の生きる場所』
21/29

流れて輝く刃っぽい何か

 『激戦炸裂ホビースピリット!!』はこの下スグ!!

サイトはそのままだ!!


※この物語はフィクションであり、登場する人物、地名、団体名などはすべて架空のものです。

玩具などで叩く、投げつけるなどの行為は大変危険です。

玩具の使用は用法を守り、安全な遊びを心がけましょう。

 「えっ…、シオンさん!?」


 突然のシオンの介入にサトルは戸惑いの声を上げる。このタイミングでシオンが玲に攻撃を加えることは、サトルにとっても想定外だった。


 「もう少しで俺の『必殺技』が決まるとこだったんスけど…。」


 玲の動きを封じたあの瞬間、恐らくシオンが介入しなければ、サトルは玲に決定打となるホビー技を叩き込めていたかもしれない。結果的に直撃を与えることにはなったが、だからといって最大の好機を潰されたサトルが納得するわけではなかった。


 「え? そうだったんだ。」


 だが、シオンはそれほどを気にとめることなく、天高く蹴り上げた玲を追撃すべく、地を蹴り跳び上る。




 「あの2人、ギスギスしてる…?」


 シオンとサトルのやりとり見て、巴心はそう呟いた。


 「真奈と玲も特別連携出来てる訳じゃない。でもあの2人…、シオンとサトルには連携以前に信頼関係が無いね。『理由』は分からないけど…。」


 そう語る彩祐佳に、巴心は同意を込めて静かに頷いた。




 「戻れ相棒ォ!! ブッ走るゼェ!!」


 上空に蹴り飛ばされた玲と、それを追うシオンとの距離が縮まった瞬間、玲は突如として叫び、それに呼応するように彼のゲイラカイトは、その圧倒的速度をもって主のもとへと瞬時に飛び寄る!

 そしてそれは、玲の足元へと掠め飛び、その瞬間彼の姿が掻き消える!


 …否、正確には『玲の身体が超速のゲイラカイトに接地し、それと同等の速度で動き出したことにより、一瞬だけシオンの視界から消えた』と表現すべきであろう…!


 「そうそうヤスく仕留められると、思ったンじゃねぇかよォ!!」


 ゲイラカイトに脚をつけ、身体を屈め、文字通り『ゲイラカイトの上に乗った』玲は、紺の軌跡を描きながら小型の戦闘機の如く縦横無尽に空中を飛び回る!

 先程までの、『ゲイラカイトを遠隔操作する形態』を『リモートスタイル』と呼称するなら、現在の『ゲイラカイトに乗って移動する形態』…  正しく…


 「『ライディングスタイル』だ!!  俺のスピードに付いて来れっかァ?目付きの悪ィ根暗さんがよォ!!」


 「………。」


 その挑発に動じること無く、シオンは静かに玲を正面に捉えた…!




 一方…


 「うッ…、派手に貰った…!」


 グラウンドの隅より立ち上がる人影は真奈。シオンの蹴りの直撃を受け、校舎の壁に派手に激突したものの、ただの一撃でスピリットダウンする彼女ではない。直ぐ様、両手の長銃を握り直し、後方へ向け噴射!ハイドロスラスターによりグラウンドの中央へと躍り出て、たった今開始された玲とシオンとの攻防を見上げる。


 ライディングスタイルにより、紺の曲線的な軌跡を描き空を駆ける玲と、『一瞬で間合いを詰める謎の移動技』により、薄いピンクの直線的な軌跡を描き動き続けるシオン!両者は空中で乱れあい、ぶつかり合い、火花を爆ぜさせ、縦横無尽に飛び回る!

 地上から遠目にその様子を見ると、まるで紺と薄桃の光の玉が同色の筋を大空に描きながら不規則に入り乱れているように見える!


 「玲…、シオン…。」


 だが、その様子をゆっくり眺めているわけにもいかなかった。覆うような精神波の気配を感じ慌てて周囲を見回すと、視界に映りこむは自身を取り囲む4つの糸電話!瞬間、禍々しい発射音と共に、そこから放たれるは柿色の光粒――サトルの全方位攻撃!

 真奈は周囲から次々と飛来する光粒を、前後左右に加速して次々と回避!そして、距離を取るため流れるように斜め後ろへ飛び上がる!


 「コイツがいた…!」


 真奈は空中より淡いエメラルドの光弾を二連射!それは地上のサトルに飛来するが、サトルは素早く右にステップを取り回避!同時にガントレットに包まれた右腕を真奈に突き出す!その手は、甲を正面に向け、人差し指と小指を真上に立てた、謎の指使いだった。


 直後、真奈の右下と左下より光粒が襲いかかる!それを、落下しながら後方に加速して回避!地上に着地した直後、今度は自身の後方に回りこもうと飛来する2つのカップを視認!そして、サトルの右手をよく見ると、今度は、中指と薬指を立て第二関節で折り曲げた指使いだった!


 ――もしかして!?


 真奈はサトルに向け光弾を発射しながら直感で右に飛び退く!すると予想通り、元いた場所を後ろから光粒が通りすぎる!


 ――そうか…! 糸電話の動きと、あの指使いは同期してるっぽい。 それに、多分…


 真奈は微かに唇を吊り上げ、サトルへ向け加速!それに対し、光弾を躱したサトルは、右手の手のひらを正面に向け、4本の指を立てる。そして、その指をガッと握りしめた瞬間、真奈の前方、左右後方、頭上と立体的に四方向に控えていた糸電話が一斉に光粒を吐き出す!!


 ――来た!!


 真奈は全速力で斜め上に向け跳躍!頭上からの光粒に掠ったものの、握り潰すような四方向同時射撃によるダメージを最小限に抑え、姿勢も崩すことなく空中より間合いを詰めることに成功!


 …そして、真奈の予測が正しければこの瞬間こそが…

 …四つの糸電話で同時に射撃を行った直後こそが…、 好機!!


 真奈は、サトルに向け落下しながら両腕を頭上で交差させる!


 ――格闘の間合い! ワイヤードスプレッドを! 


 二丁の長銃の先端より淡いエメラルドの光が出現!それは射出されること無く銃口より伸び、『しなりを見せる柔軟な針形状』を形作る! それはまるで光る長剣!


 流れる水のようでありながらハッキリとした形状を維持するそれは、止まりし清流…

 否…、流れいづる奔流をその内に潜めし刃と言えるだろう!!



 ――今、叩き込めば… イケるハズ!!

 「クローズィ・フィローゼッ!!!!」

挿絵(By みてみん)


 落下の勢いのまま、頭上で交差させた両腕を押し開き振り下ろす!すると二対の刃はそれに合わせ、バツの字を描きサトルに襲いかかった!碧き閃光が爆ぜ、巨大な衝撃波が周囲に吹き荒ぶ!サトルは、4本の糸電話のもう一端、右腕に固定された4つのカップ部分を盾にする!  が…


 「う゛ぁああ!?」


 それが、ワイヤードスプレッド・クローズィ・フィローゼのパワーを受け止め切ることはなかった!二対の刃は、盾にしたカップを飲み込みサトルの腕を、頭部を、胴を引き裂くように駆け抜ける!干渉波と共に、サトルの身体からホビー魂がドウドウと大量に吹き零れた!


 直撃ではないが、かなり深いヒット…! 削り取ったホビー魂は多い…!


 ――思った通り! 四つの糸電話を全て攻撃にまわした直後は『糸電話全体のホビー魂強度』が一時的にダウンする! 攻撃用の4つのカップをフル活動させた直後は… 防御用の4つのカップの防御能に穴が出来る!


 衝撃で吹き飛ぶサトルを見ながらワイヤードスプレッドを解除したその時、不意に上空より悲鳴が木霊す!


 真奈は、ハイドロスラスターで後退しながらチラとその方へ視線を移した。


 声の主、玲は大気を突き破るような凄まじい速度で地表に向け落下していた!頭を下にした姿勢と先程の悲鳴からして、空中戦の末に蹴り落とされたものと思われる。玲は、落下しつつ身体を回転させ受け身を取り、なんとか脚から着地!

 だが直後、上空より玲の頭上に向け一条の白き閃光が神速で伸びる!玲は直ぐ様ゲイラカイトを自身の頭上に移動させ、盾とする!


 直後、轟音と共に玲のゲイラカイトとぶつかり合うは、もちろん閃光の如く瞬間落下してきたシオンの、その脚の鉤爪、紙鉄砲である!


 「うぁッ!!」

 「くぅ!!」


 大地が揺れると同時、ぶつかり合った際の衝撃により玲は後方によろめき、上空より襲いかかったシオンもまた弾かれる!

 玲はたたらを踏みながらゲイラカイトを自身の足元へ移動させ、その上へ乗り、『ライディングスタイル』へ移行しつつ声を上げる!


 「真奈ァ!! 『霧』頼む!霧ィーー!!」


 そして、直ぐ様真奈へ向け飛行! 対する真奈は…


 「『霧』じゃない! 『泡』だっつーの!!」


 と言い返しつつサトルの放つ光粒を飛び上がりながら躱し、流れるような動きで両腕の長銃を腰のベルトへ収め、かわりに二丁の黄色い小銃に手をかけ叫ぶ!


 「ファーリン・ファインダーッ!!」


 二丁の小銃を引き抜くと同時に投擲!その内一丁はサトルへ、もう一丁はシオンへと回転しながら飛来し、2人の周囲を縦横無尽に飛び回りながら大量の小さな気泡を吐き出す!

 瞬く間に、シオンとサトルを中心とした周囲一帯は気泡の霧に包まれた!


 「なんスかこれは!?」


 「…何も見えない。」


 突然の視界不良に戸惑うサトルとシオンの声に、真奈は「よし」と呟く。『撃つ』事だけが銃ではない、投擲し、スモークグレネードの様に視界を奪うという使い方すらも可能とするのが、四丁流・水乃真奈である。また、この射出した『泡』は当然真奈のホビー魂によるものであり、それ自体が精神波を放射している。そのため『ファーリン・ファインダー』は視界だけでなく、相手の精神波感知をも遮断、撹乱する効果があるのだ!


 ファーリン・ファインダーを放った真奈のもとへ、ライディングスタイルの玲が高速で飛び寄り、突然その腕を鷲掴む! いきなり腕を掴まれ、凄まじい勢いで空中を引っ張られた真奈は、思わず「きゃッ!」と声を上げた!

 宙吊りにされながら首を回し玲の方へ視線を移すと、彼は口を開いた。


 「チョイ隠れンぞ。」


 「えっ、なんで?」


 予想だにしない言葉に真奈は反射的に聞き返す。すると玲はチラと横目で真奈を見ながら含みのある声で一言…


 「――作戦会議♪」


 それは、頼もしい友の声だった…

『激戦炸裂ホビースピリット!!』

 次話も見てくれよな!!


 ホビーファイト… スピリット・・・

 クラーーーーーッシュ!!!!

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