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激戦炸裂ホビースピリット!!  作者: 本文・挿絵・管理『ENMA.STATE レベル2』  協力『ジオラマ偶像』
第2話『魂の革新』
13/29

寒空の上と下で

『激戦炸裂ホビースピリット!!』はこの下スグ!!

サイトはそのままだ!!


※この物語はフィクションであり、登場する人物、地名、団体名などはすべて架空のものです。

玩具などで叩く、投げつけるなどの行為は大変危険です。

玩具の使用は用法を守り、安全な遊びを心がけましょう。

 「ウ嗚呼呼呼呼呼呼呼呼呼呼呼呼呼呼呼呼呼呼呼呼呼ァアア!!!!!!!!」


 ――私の存在そのものが、勝利の必然のその中に!!!!


 琉樹が放ったブレイズダクトにより生まれた天突き眼を焦がす灼熱の柱の中、焼かゆく洲葉はカラカラの喉を振るわせた!!


 「火嵐琉樹ィィ…!」


 その声を受け、彼、琉樹もまた声を返す。


 「洲葉ォ…!」


 遥か空の上で…、赤と白の灼熱だけの世界で…、意識を保つのがやっとのホビーファイター二人…。 琉樹はメンコに…、洲葉はトランプに…、手にするホビーに最後のホビー魂を込める。


 そして…  両者、消えるかのように猪突!


 一瞬の閃光の爆発の後、メンコとトランプが、琉樹と洲葉が、激突! 手に持つメンコとトランプが押し合い、両者の間より互いのホビー魂が干渉! そこからいずる膨大なエネルギーが空中放電を発生させ、稲光と轟音を空に広げる!!!!




 「 ツ ゥ ア ア ア ア ア ア ! ! ! ! 」



 「 シ ィ イ イ イ イ イ イ ! ! ! ! 」




 ホビー魂の干渉波に照らされた二人の咆哮が爆音も轟音も突き抜け天を揺らす!! 両者目を見開き大きく開かれた口が怒声で震える!!


 次の瞬間、手に持つメンコとトランプが互いに弾き合うように離れ…




 「シィィイィィィ!!!!」


 「ぐゥはァアア゛…!」


 洲葉!! 頭上よりトランプを振り下ろし、琉樹の額を強打する!! 頭蓋を貫く痛みに重く唸る琉樹、

 ……が!


 「ツゥアアァァアアア!!!!」


 「うぉああぁ゛ぁ゛…!」


 次の瞬間、お返しとばかりに、右手のメンコを洲葉の鳩尾(みぞおち)にめり込ませた!!

 だが苦しみに顔を歪めながらも、洲葉はさらに力強く攻撃を打ち込む!!


 「シィィィアアアアアアアァアァアアアア゛!!!!」


 「ううぅおぇあ゛ッ・・・!」


 琉樹の首に、横なぎに打ちつけられるトランプ!!!!

 琉樹もまた苦痛の中で歯を食いしばる! そして力強くメンコを振りかぶり…


 「ツゥゥアァガァアアアアアアアアア゛!!!!」


 「げふぅおッッッ゛…!」


 洲葉の顔面を押しつぶす!!!!


 洲葉が…!

 琉樹が…!

 洲葉が…!

 そしてまた琉樹が!!

 渾身の一撃を見舞い合う!!

 二人は回避も防御も忘れ、絞りだす全ての力を相手の身体にぶつけ合う!!!!



 「琉樹…!!」


 「洲葉…!!」


 「琉樹ィ!!!!」


 「洲葉ォ!!!!」




 「ヒ ガ ラ シ  リ ュ ウ キ ィ ィ ! ! ! ! 」



 「ス ヨ ウ  ト オ ル ゥ ゥ ! ! ! ! 」



 二人の最期の激突により発せられた精神の爆発は、天を貫く閃光を内部から破壊!!


 再び暗い闇夜に戻った上空より、力を使い果たした琉樹と洲葉が廃ビルに向け静かに落ちていった…





 ・・・・・・・・・・・・





「ハア… ハア… ハア… ハア…。」


 2人分の荒い息遣いだけがその場を支配する。

 全てを出し切り、果てた洲葉は、倒れたまま起き上がることも出来ず呼吸をするのがやっただった。


 対するもう一人は、


 ふらつきそうになりながらも、その身に僅かなホビー魂を纏い、立ち続けていた…!


 

 ――決着



 星煌(ほしきらめ)く夜空の下にて行われたホビーファイト… それを制したのは…


 紅蓮の爆撃人、火嵐琉樹…!!




 「やったぜ、琉樹ィ…!!」



 「凄い! あの洲葉徹に勝ってしもた!」


 歓声を上げる良囲、空珠。

 琉樹はゆっくりと2人に振り返り笑みを見せる。


 「ハア… ハア…、ああ、何とか勝てた… みたいだな。」



 その時である…


 「何故だァ…! 何故負けなければ…、ならない!?」


 突如、地に伏した洲葉が苦しそうに、そして悲しそうに声を上げる。洲葉の方に顔を向ける3人。一瞬間を空け、琉樹は洲葉に歩み寄った。


 「何故だ… 火嵐琉樹? この私…貴様に勝たなければならなかった。あのとき敗北によって大切な物を奪われた私は…、貴様を… 全てのホビーファイターを倒し…

敗北した罪…、償わねばならなかったァ…!」


 「………。」


 洲葉の瞳には琉樹に敗北した自身への憎しみ、そして現状況を認めたくないという哀しみが映っていた。


 「なのに何故ェ…!  何故、貴様が勝利してしまうゥ…!?」


 じっと洲葉の言葉を聞いていた琉樹はゆっくりと口を開く。


 「…洲葉。 …俺はお前が何を考えて、反則まがいのファイトまでしてホビー狩りなんてやってるかなんて知らねぇし、別に知るつもりもねぇよ。でもさ…、何で勝たなきゃいけねぇんだ?何で負けることが罪なんだ?」


 「…貴様にッ、…貴様のような人間に、分かるはずなど… なし!」


 「…いや、俺が分かりたいわけじゃねえ。お前にその理由をもう一度考えて欲しいんだ。お前とファイトしてさ、お前と魂ぶつけ合ってさ、なんつーか…、悲しそうだったんだよ、お前の魂…。」


 地に伏す洲葉の眼前に、一本の手が差し伸べられた。


 「ッ………!?」


 火嵐琉樹により差し伸べられたその手は、暖かい熱を放っていた。


 「勝利が敗北がどうのこうのとかさ…、勝って罪を償うとかさ…、真面目すぎっつーか…。

お前、細けぇんだよ…。 ホビーファイトって、そんなややこしいこと考えずに、勝つか負けるか分からねぇ緊張感を楽しむモンだと… 俺は思う。

 …お前はどう思う? 『お前のホビーファイト』は、お前が見つけたモノがきっと正解になる。 でも、『焦って見つけた正解』はきっとお前を苦しめるだけだから…。 もうちょっとゆっくりしてもいいんじゃねぇかな…?」




 ――『焦って見つけた正解』…

 そうなれば、やはり私の所業…、それこそが罪… かもしれん…


 …ならばこの私…、もう一度『自分で見つけた自分のホビーファイト』…、探さねばならんか…



 洲葉は、琉樹の手を取りゆっくりと立ち上がった。





 その時である…! 上空より近付く、空気を何度も切り裂くような轟音! 琉樹はそれに気付き上空を見上げる。


 上空には1台のヘリと、そのヘリから身を乗り出す1人の少年の姿があった。距離が離れていたため確実なことは言えないが、琉樹達と面識のないその少年は、じっと琉樹を見つめていた。


「………!」

挿絵(By みてみん)

 琉樹とその少年の目が一瞬合う!琉樹とその少年の視線が重なりあう!

 その瞬間、琉樹の身体に、その血管に…、芯に…、頭の中から脚の指の先まで…、

 熱い血が流れだし、肌が僅かに泡立った…!


 なぜかは分からない!何かは分からない! しかし琉樹は、ヘリから身を乗り出すその少年に特別な何かを感じたのだった!


「ッ…。」


 琉樹が言葉を発しようとした瞬間、ヘリは急上昇!空を切るローター音とともに、あっという間に、それは夜の空に吸い込まれていった…。





 ………………………





 「でぇぇい!!」


 「甘いで!」


 「今だ、貰ったぜい!」


 「そう来よるか!」


 いつもの河川敷に、いつもの声といつもの激突音が鳴り響く。この日、この場所では、良囲と空珠とのホビーファイトが白熱していた。

 飛び回り激突しあう、良囲のおはじきと空珠の打ち独楽!彼らのホビーが、戦える喜びを体現しているかのように唸りを上げる!


 そう、ホビーは本来あるべき持ち主の元へ戻ったのである。洲葉徹は、火嵐琉樹とのファイトの後、自らの行為を反省し、これまで奪ってきた全てのホビーを1つ1つ持ち主のもとへと返し始めたのだ。返却されたホビーは丁寧過ぎるほどに手入れが行き届いており、彼が奪う以前より綺麗になっているホビーも少なくなかったという。流石は『美のホビーコレクター』を名乗るだけはあるようだ。


 ただ、川に沈んだ、あるいは流された良囲のおはじきだけは、良囲の身体から離れて時間が経ちすぎていたため、おはじきを手元に引き戻す良囲の技『集雷』で回収することが出来なかった。そのため洲葉は数多くの玩具店をハシゴし、本人曰く『最も強い美を感じる』というおはじきを購入し、良囲に手渡したという。


 「やるな空珠!」


 「良囲こそ、エライ調子良いやないか!」


 「徹が買ったおはじきが俺のホビー魂によく馴染むんでぃ!」


 しのぎを削りあう2人!勝負は縺れ合い、何方が勝つか分からない好試合である。


 しかし、その時…



 「ヴァーティカルランチャー!!」


 突如2人の間に真っ赤な火の玉が落下し、大爆発を起こす!


 「うおお!!?」


 「うわああ!!」


 爆風によって吹き飛ばされる2人!


 「よーう! やってんな、お前ら!!」


 爆発によって発生した煙の中より出る人影は、爆撃人、火嵐琉樹。それを見た良囲と空珠は、大声を上げる。



 「くっ、イテテ…。 テンメェい! 何やってくれてんでェい!」



 「ホンマや!ファイト中に割り込むのはマナー違反やで!」


 「悪ィ悪ィ…。何か楽しそうだったからさ~。」


 琉樹は頭を()きながらにこやかに謝罪…。 だがしかし、この典型的な舐め切り具合…、本人に先程の行為を反省する気は毛頭ないようである…。


 「こんの…、 テェやンで、ベらぼう、バァロォがぁぁい!!」


 良囲は高速で琉樹の真横に移動! 片足を琉樹の脚に(から)め、同時にもう片方の足を琉樹の首に掛ける。そして琉樹の腕を曲げ、自身の片脇に抱え込んだ!

そう、関節技、卍固めである!


 「挨拶がわりにボカスカボカスカ爆発起こしやがってェい! 今度ばかりは許さねぇぜい!」


 「あだだだだだ!! おい空珠、見てないで助けろ!」


 良囲の強烈な卍固めに、琉樹は思わず叫びを上げ空珠に助けを求める。


 「…ワイは知らん。」


 だが、空珠はそれを否定。尚も卍固めは続く。


 「痛だだだだ! …悪かったって、もうたぶん二度としませ~ん!!」


 河川敷に響く悲鳴。良囲の卍固めにより、この日一日、琉樹は腕が上がらなかったという。





 何気ないファイト、何気ない会話…

 ホビーファイトが結んだ3人の繋がりは、今日も緩やかに日常を作っていく…


 何かを償うためでもなく、何かを奪うためでもなく、ただファイトそのものを楽しむことの大切さ…



 今回の一件で、彼らはそれを改めて知った…

 そしてこれから、洲葉徹の様に、その大切な事を忘れてしまったファイターと再び出会ったのなら、

 それを知る自分たちが思い出させなければならない…


 そう、強く感じたのだった…!









 人は誰しもそれを持つもの…


 皆それぞれ、十色の過去が心を…、十色の今が立場を作る…


 過去も、今も、未来も… 物理的な程に共有できず…

 知ることが出来ず知ろうともせず… 心も立場も理解が出来ない…


 だから誰しも分かり合えない… 決定的に…


 でも… そうなることが分かるからこそ…

 今… そしてこれから… 私達は…


『激戦炸裂ホビースピリット!!』

 次話も見てくれよな!!


 ホビーファイト… スピリット・・・

 クラーーーーーッシュ!!!!

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