夏の水
6話ですここまで読んでいただき感謝しかありません
ともう少しで二桁...頑張ろう
乱「やったー!プールだー!!」
恐「遊ぶぞー!!」
乱斗と恐一は奈々海プールランドに来ていた
人が多く沢山の観光客で賑わっていた
乱「お、流れるプールじゃーん!!」
恐「いいね!泳ぐぞー!!」
プールへ猛ダッシュする二人の襟を誰かが掴んだ
乱&恐「「ぐえっ!!」」
神「何が遊ぶぞー!なんだ...私達は任務に来たんですよ自覚持ってください」
乱「いきなり襟を掴むなよ!苦しい!」
恐「そうだそうだ!」
神「はぁ...支部長にいうか」
乱&恐「「すんませんでした」」
止神 乱斗、神居 恐一、七海 神の3人はここ奈々海プールランドにて違法薬物の受け渡しが行われると聞いて出動したのだ
恐「でもなぁ神」
神「なんですか?」
恐「その程度の任務にさぁS階級3人も必要?」
恐一は疑問に思った
S 階級は支部の最高戦力集団だそのような奴らが出向く任務じゃない
最悪、普通に警察で事足りる
恐「お前の采配か?」
二人の間で沈黙が起こる
神「今回の采配は私じゃなくキッドさんが決めた」
恐「キッドさんが?」
乱「サボり魔で有名なキッドさんが!?」
神「そうサボり魔で有名な軽薄な嘘つき副支部長のキッドさんがです」
恐「いうねぇw」
その頃、基地
キッド「ヘックショーーン!!」
感「ん?風邪か?サボり魔」
キッド「わかんねぇけどバカにされてる気がする」
幸「当然のことだねレロロ」
キッド「当然って何?ねぇ、なんで当然なの?すっごい傷つく」
奈々海プールランドにて
恐「うーん... キッドさんの命令なら仕方ないけど...うーん少々過剰戦力なんじゃ...」
神「ですがキッドさんは能力も相まって軍師としては私に並ぶ天才 私達には想像もつかない何かに気づいたのかもしれない」
恐「なーるほどねぇ 俺、外見張ってくるわ」
神「よろしく頼む」
乱「ねぇ見てアレ!でけぇウォータースライダー!!」
神「緊張感を持て」
真面目な空気ぶち壊しな乱斗はは既に水着に着替えていた
そして準備運動をしている
神「何してるんですか」
乱「プール入る準備!あと戦闘準備!」
神「戦闘準備?」
フッフッフと乱斗は微笑む
乱「フォーチュンランドの時みたいに水でズドーンとふっとばしたり何なりする!」
神「却下」
乱「えぇ...」
サラッと却下された
神「あれの処理にいくらかかったと思ってるんですか!!」
乱「う〜ん200万ちょっと?」
神「残念0が3桁足りません」
乱「あ〜20億か」
神「あ〜じゃないですよ...反省してください」
乱「さーせん!」
神「ぶん殴りますよ」
乱斗は華麗なジャンピング空中キリモミ3回転からのスライディング大土下座を決め、神にぶん殴られた
同刻、奈々海プールランド屋外
恐一は怪しい人物がいないかチェックしていた
恐「うーん...全員が普通の人にしか見えないな...」
彼の恐眼は怪しい人探しには向いていない
俺よりかはこういうのに向いてる能力を持った幸が来るべきだったと心底感じている
恐「ま、受けてしまった以上しかたねーことだが」
一週間前
乱「ふっかーつ!!」
恐「退院おめでとー!」
治「おめでとうじゃねぇよ誰のせいで拘束期間がこんだけ伸びたのか思い出せよ乱斗」
乱「俺自身のせいですあの時はスミマセンでした」
治「よろしい」
キッド「おー退院したの?おめでとー!」
キッドがドアを勢いよく開けて入る
治「乱斗の所在を教えていただきありがとうございました」
キッド「いやいや、そっちのほうが面白そうだから協力したまでよ」
乱「おい治!バカってなんだバカって!!」
治「えーっとな 〝知能が劣り、愚かなこと〟だとよ」
乱「そういう意味で聞いてねぇよ!!」
騒がしくなっていく
キッド「ちょっち失礼、お見舞いのついでにお前らに任務をよこしに来たんだ」
乱「任務!!」
キラキラした目でキッドを見つめる
例の脱走から約一週間、能力が使えなくなる特殊な手錠で捕まりミイラのようにぐるぐる巻きにされて無理やり安静にさせられたため乱斗は暇で暇で仕方なかったのだ
キッド「この基地からちょーっと遠くなるけど奈々海まで行ってもらうことになる」
治「遠いですね...その日は別人雨があるため俺はいけないんですが」
キッド「無問題!!任務に出向く人はもう決まってっから!!」
治「そうですか...」
キッド「恐一、乱斗行ってくれるかい?」
恐「受けるべきじゃなかったなぁ この程度の任務だし、観たいアニメもあったし」
まるでやる気が出ない なにせS階級3人も必要な仕事ではない
恐「でもなぁ、乱斗の言葉も気になるし何かありそうな気もしなくもないかぁ」
乱斗の言葉を思い出す
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乱「でも俺は嫌な予感がするぜ」
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恐「アイツの勘は当たるしなぁ ま、外れてくれればいいんだけど」
施設の外側を歩き回る
人目のつかなそうな施設の裏口、嫌に防犯カメラが多い駐車場、館内入口、中庭、そして屋上まで行ってみた
防犯カメラの多いとこで薬の受け渡しはしないだろうと思わせといて行う可能性もなくはない
結局何もなかったが
恐「だぁーーー!!!そもそも施設 、クっっっっっソ広いんじゃぁ!!!見つけるのも至難の業だぞこれぇ!!」
奈々海プールランドは宿泊施設も兼ねていて、遊泳棟と宿泊棟に分かれていた
しかも棟自体がまぁ広い もし落とし物なんて落としたら二度と見つけられる気がしない
駐車場まで戻った恐一は頭を抱えた
奈々海プールランドは宿泊施設も兼ねていて、遊泳棟と宿泊棟に分かれていた
しかも棟自体がまぁ広い もし落とし物なんて落としたら二度と見つけられる気がしない
駐車場まで戻った恐一は頭を抱えた
恐「俺の能力で一人ずつ|脅して無理やり自白させる《犯罪者かどうか教えてもらう》のもなんか違うし、かといって時間かけたら逃げられるよなぁ...困ったなぁ」
木々が揺れ、葉が落ちる
恐「ん?」
ナニカに
気づいた
一方、遊泳棟にて作戦を考える乱斗と神も頭を抱えていた
物理的に...
乱「いででででで!!神!もう勘弁して!!!ジャンピング土下座の件は謝るから!!!」
神「無理です」
乱「クソぉ!!」
神が乱斗に向けて綺麗な関節技を決めていた
これも頭を抱えている(物理的には)...のだろうか??
その時、バタバタと慌てるスタッフの方々が目に入った
神「...」
乱「ねぇ!なに!?どうした!?お前の腕で何も見えないんだけど!!なんで急に黙った!ねぇ!!怖い!!」
乱斗を雑に投げ、スタッフに駆け寄る
神「SCCtの者です 何かありましたか?」
スタッフ「あ、SCCtの...実は館内の全ての監視カメラがハッキングされて...」
神「ハッキング...?」
スタッフ「はい 全く何も写ってない状況です」
どうやら監視カメラが全て止められたようだ
薬の受け渡しにこれほどちょうどよい環境はない
神「監視室は!」
スタッフ「え、えっとそれぞれの棟の5階に...」
ズシャアアアアアアアァァァァァァァァン!!
スタッフが言い終わるよりも速く宿泊棟から稲妻がほとばしった
神「!!」
乱「え!?なに!?」
神「乱斗!!おそらく異能者による能力犯罪だ!!宿泊棟の4階!!そこから稲妻が走った!」
乱「!!」
神「私より君のほうが足が速い!!だから...」
言い終わる前に乱斗は駆け出し、あっという間に宿泊棟へと駆けていった
神「よし、スタッフさん!!」
スタッフ「は、はい!!」
神「避難指示を!館内全体に避難指示を出してください!!」
スタッフ「は、はいぃ!!!」
スタッフが放送室へ駆けていくのをみて、神も現場に駆け出る
ー緊急避難放送、緊急避難放送、能力による犯罪行為が宿泊棟4階でみられました ご宿泊の皆様は自身の安全を考え避難してください 繰り返します...ー
放送が鳴り響く
その放送を耳に避難指示を出しながら4階へと走る
神(この施設は遊泳棟と宿泊棟に別れ、お互いが渡り廊下にてつながっている 避難経路は既に記憶済み、まずはあそこへ行って宿泊客を...)
乱「全員!」
神&乱「「逃がす!!」」
神が4階につくと何の奇跡か台詞が被った
そこにはヘヴィメタミュージシャンのような格好をした男がいた
乱「神!!来たか!!」
?「ちっ援軍か」
神「状況は!!」
乱「劣勢!」
神「了解!!」
?「近づくなよ?痺れるZE!!!」
男がギターを鳴らす仕草をした途端、男の体からものすごい量の稲光が放たれた
乱&神「「!!」」
廊下が黒焦げになる
ドアが開かれる
乱「あっぶねぇ〜とっさに部屋に隠れなかったらやばかったぜ」
神「鍵が空いてて幸いでしたね」
?「ふぅ〜んそうくるか」
ビビビビッビビビビッ
SCCtの通信機器が鳴り響く
神「どうしました!?恐一ですか!?」
ーその通り!!だけどこっちがやばくてさ!!ー
乱「なにがあった!」
ーでけぇ斧を振り回す男と!!ー
恐「戦り合ってる!!!」
?「ちょこまかと...」
自身の背丈よりも大きな斧を振り回すモノクル執事服の長身男が恐一を襲う
恐「あっぶねぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
乱「アイツ大丈夫か!?」
?「お?通信か アイツのとこまで通じてんのか...なら!自己紹介してやる!!」
乱「は?」
ジャック「俺はMAZET精鋭戦闘員"危険人物"ジャック=T=エレクトロ!!」
カワリ「MAZET精鋭戦闘員"処刑人"ワン=L=カワリ」
ジャック&カワリ「よろしく」
乱「自己紹介されたらしねぇとな!!俺は...」
ー"革命家"止神 乱斗ですよね?ー
神「!?」
ジャック「あとは"天才"七海 神、"狙撃手"神居 恐一だろ!!能力も知ってるさぁ!!だから俺等が派遣されたんだ!!」
神(情報が漏れた!?どこから!!いや、情報収集用の能力者がいても不思議じゃない!!今はそんなことより...)
乱「今はココをどうにかしねぇとな!!」
神「...」
乱「神?どうした?」
神「分かれよう」
乱「へ?」
神「恐一の言葉からしてカワリという男は近接戦闘型 しかし、遠距離攻撃で分がある恐一が苦戦しているようでした おそらくカワリの能力が遠距離型の恐一を無力化できるモノだと思われる!!」
乱「なるほどな MAZETがSCCtの情報を握ってるなら対策してても驚かねぇな」
神「乱斗、恐一の加勢に行ってください」
乱「マジで言ってんの?」
神「マジどころか大マジです そこのジャックとかいう男は私に任せてください」
乱「...任せたぞ」
そういうと乱斗は廊下の窓から飛び降りた
ジャック「いいのか?お前、俺との相性最悪だろ?」
神「構いません それでおいて倒す算段はついてます」
ジャック「ケヒッ言うねぇ...」
恐「よいしょっ!!」
斧を躱し、間合いの外に出る
カワリ「身軽ですね 羨ましい」
恐「ははっ体つきはムキムキでもねぇのにそんなデケェ斧振り回せるお前の筋肉のほうが羨ましいぜ」
カワリ「そうですか」
緊張が走る
恐(カワリ...って言ったか?あの男 見た感じ180の身長でその倍の斧振り回すとかどんな筋力だよ 斧は約二倍...刃部分はその三分の一...かるーく計算して全長360cmで刃は120!?やばすぎんだろ)
カワリ「考え事ですか?」
総言葉を投げかけたカワリは音もなく恐一の背後を取り光る刃を振りかぶっていた
恐(しまった!まただ!またこの能力を使われた!!マズい!!)
カワリ「逝ってらっしゃいませ 恐一様」
執事服が返り血で赤く染まるよりも速く...いや疾く巨大な戦斧はガキイと声を上げ吹き飛んだ
カワリ「...」
乱「『罰拳』脚型“罰改飛脚”」
恐「乱斗!!」
乱「おう!恐一無事か!」
カワリ(止神 乱斗...予想通りこっちに来ましたか...)
飛ばされた戦斧を拾う
カワリ「止神 乱斗、単純な思考しかできない脳筋ゴリ押し思考の脳の容量スッカスカな史上屈指のバカ隊員と聞いていますね」
乱「情報提供元言え!!ボコボコのギタギタにしてやるから!!」
恐「一字一句お前のことしか言ってねぇな」
乱「うるせぇ!!」
カワリ「しかし」
乱「?」
カワリ「だからこそ...だからこそ常人には考えつかないような奇想天外な戦闘を行い、幾度となくピンチを脱してきた わたしはそこを警戒している」
乱「何だ...分かってるじゃん提供者 教えてくれ、褒めて褒めて褒めちぎってちぎってちぎってボコボコにするから」
カワリ「言いません」
乱「ちっ」
二人の間で緊張が走る
乱「取り敢えずぶっ飛ばす!!」
恐「待て!乱斗!!」
先に駆け出したのは乱斗だった
速く、鋭く、駆け抜ける
あっという間に間合いに入る
しかし
恐「ソイツの能力は!!」
乱「『罰拳』孤型“罰改孤さ...」
能力発動---------
放った拳は虚しく空を切り、眼の前にいたカワリの姿はなかった
乱「あれ?」
刹那、背後で戦斧を構えるカワリの姿があった
恐「ソイツの能力は!〝位置替え〟だ!!」
能力....[交換]が発動していた
カワリ「お還りなさいませ 乱斗様」
巨大な戦斧が振り下ろされる
[解放]
乱「“土煙雲隠れ”!!」
地に触れ、土が辺りに霧散する
視界を遮られたカワリは戸惑いを見せ ‘一瞬’ 怯んだ
一瞬で、十分だった
乱「ほっ!!」
飛び出し、間合いを抜ける
カワリ「...失態だ」
乱「当たれば終わりの戦斧!!対してこちらは攻撃をまともに当てることすら難しいときた!! やってやるよ 相性不利の中で神はチャックと戦ってるんだ入れ替わりだかなんだか知らねぇけどボコボコにして情報はいてもらうぜ!! 俺の悪口言ったやつ!!」
恐「え、そっち?」
第6話 夏と水 完
6話を読んでいただきありがとうございました
今回はカミノウォーの「」などの捉え方を解説します
「あいうえお」=台詞
“あいうえお”=技名
"あいうえお"=二つ名
‘あいうえお’=ただの誇張
〝あいうえお〟=物の意味や理由、重要なものの誇張
ーあいうえおー=電子機器越しでの台詞
『あいうえお』=何かしらの戦闘スタイル、流派
[あいうえお]=能力名
【あいうえお】=特殊装備