偽りの大会
地下鉄騒動から数日後、ゲームマスターの覆面からまた全体に向けてメッセージが届いていた。
「やぁ諸君。タイマンバトルを開催できなくてすまなかったね。代わりにレイドバトルイベントを開催することにした。20時間後に街中に戦闘用ロボットが解放される。君たちはそれを討伐するのが目標だ。頑張ってくれたまえ。」
普通の人はそれでメッセージが終わっているようなのだが僕達の端末にはもう一通メールが来ていた。
「君たちはデス・シンジケートの存在に気づいてしまったようだね。でも見逃してあげよう。しばらく私のお遊びに付き合ってくれるかな?その後に君達の始末はしてあげることにしよう。まずは最初のイベントを楽しんでくれたまえ。」
どうやら既に覆面は僕達がデス・シンジケートと交戦したことを知っているようだ。
「まぁ、つまりあたし達は泳がされてるって訳か。だけど、この時間はあたし達の準備時間でもある訳だな。この期間に増やせるなら仲間を増やして形勢を整えよう。」
「この期間に私の知り合いのところも訪ねてみましょうか。」
「まぁ、まずは憂さ晴らしからだな!ユウジ、イベントまでにまたあのスゲー煙玉作っておいてくれよ!」
「だから、スゲー煙玉じゃなくて……!」
またも煙玉の呼び方で2人は仲良く言い争っているようだ。
「まぁ、とりあえずやるべき方針は定まったし少しずつ計画を練っていこう!それでもダメだったらその時はその時だと割り切れるしな。」
とにかく最優先のことはこのイベントで昏睡状態にならずに生き残ることでデス・シンジケートと覆面がこの街で企んでいることを阻止することはとりあえずは後回しとなった。
数日後、覆面からまた全体に向けて新しいメッセージが届いていた。
「やぁ諸君、今からレイドバトルイベントを開催する。期間中はショップの購入はイベントコインのみでしかできなくなるから気をつけておくれ。それから昏睡状態には気をつけるように。また、今回のイベントでは仮チームというのが特別に組めるようになっている。この仮チームはイベントが終わると解散になるから気をつけておくれ。それでは楽しんで。」
メッセージを読み終わり、辺りを少し見回してみるとバイクで逃げた時や地下鉄駅で遭遇したようなロボットが何体か街道を巡回しており、頭上にはDANGERやBOSSなどの文字が浮いているロボットもいる。
「こりゃあ面白そうだ!ユウジ、ヒデキ早速あいつら倒しに行こうぜ!」
メリッサはそう言って自分のレーザーガンを手に持ってロボットへ狙いを定め撃とうとする。
ロボット側も気づいて何発か銃を撃ってくる。
僕とユウジはメリッサを援護するようにレーザー銃を何発も撃ち込む。
一体、また一体とロボット達は倒れていく。
そして残ったのはBOSSと上に書かれたロボットのみとなった。
「ここはあたしが撃ち抜く!」そう言ってメリッサはレーザーガンを構える。
しかしメリッサが引き金を引く前に狙っていたロボットは大量のレーザーの雨で爆散して行った。
「っと!そこの敵は君も狙っていたのか!すまないねぇ!」
そう言って僕たちの前に現れたのは全身黒ずくめの男だった。
「あたしが狙ってたのを漁夫しに来たのか!お前!」メリッサはトドメをさせなかったからか黒ずくめの男に対し少し強い口調で当たっている。
「いいえ?挨拶をしにきただけですよ。BOSSの分のイベントコインが欲しいならあげますよ。ほら。」
黒ずくめの男はレーザーガトリングの蒸気をプシューっと音を立てて放出させながらコインをメリッサに向かって投げる。
「挨拶ってどういうことだよ。あたし達のこと知ってんのか?」
「ええもちろんですよ。メリッサさん。」
「っ……!?おい、ヒデキ!こいつあたしの名前を今確かに呼んだよな!?」
メリッサは驚いているが僕は大体この黒ずくめが誰かが分かった。
「メリッサさん、恐らくその人は……」
「おっと、ユウジさん。それ以上は私が言いますよ。」
黒ずくめは不適な笑みを浮かべながらそうユウジに話しかける。
「どうやらヒデキさんは察しているようだが……。私はデス・シンジケートに所属しているものだ。コードネームは……いいや言わないでおこう。悪用される可能性があるな。」
メリッサの方をみると固まっており、ユウジは予想が当たっていたのかやっぱりかという顔をしている。
「さて、少し相談があるのだけどもいいかね?いや、聞くまでもないね。私と一緒に行動しないか?」
黒ずくめの男は至って真面目な顔でそう聞いてきた。
遅れてすみません!ぽてぃです!
明日は投稿をお休みさせていただきます。ご了承ください!
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