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暗躍組織『デス・シンジケート』

「おい、聞こえるか?あぁ、そんな急に起きあがろうとするな。まずは横になっててくれ。ここはしばらく安全だからな。」

 情報屋が起きたのを確認すると階段でまたも罠を仕掛けているメリッサを呼びに行き、色々と調べてもらうことにした。

 「お、目が覚めたか!無理に起きようとしなくていい。あたしが代わりにここら辺の機械の操作はしてやる。」

 メリッサは情報屋から操作方法を教わりながら僕たちを追ってきたロボットの中に埋め込まれていた小型コンピューターの分析を続けている。

 その間に僕は地下鉄ホームの待合室の近くにテントを貼る。

 なんでもこのホームはただ見せかけとしてあるだけで実際に電車が走っている訳ではないそうだ。

 「よっし。あとはここをこうして……。完成だ!」テントも貼り終わり、解析をしているメリッサの元へと戻ると丁度いいことにメリッサもコンピューターの解析が終わったようで起き上がって歩けるようになった情報屋と話をしている。

 「お!ヒデキもテント貼り終わったか!じゃあ情報を調べてみた結果を言うぞ。」

 「頼む、結局あのロボットはなんだったのか気になるしな……。」

 「結論から言うと運営の回し者だ。このバトルロイヤル・シティを運営する上で都合の悪いことを知ってしまった人を陰で()()するために派遣されるロボットのうちの一体みたいだ。実際にこの情報屋を昏睡状態にしたという記録もコンピュータの中にデータとして残っていた。相手の集団の名前は『デス・シンジケート』。」

 「『デス・シンジケート』、か。なるほどね……。ということは情報屋をしている私としては狙われる対象になりやすいって事なんだね。」と情報屋が一言呟く。

 「そういうことだ。だからあたし達と一緒に行動したほうがいい。また襲われたときに生き残れる自信があるならいいんだが……。」

 「いや、全くその自信はないです……。ご一緒させていただきます。あと知り合いの情報屋の何人かと先ほどメリッサさんに代理で連絡を取ってもらったのでその方達も微力ながら支援してくれるはずです。」

 と情報屋はメガネをクイっと持ち上げて何故か少し得意げにそう話す。

 「それは頼もしいな。ところであたし達は君のことをなんて呼べばいいんだ?普通に前みたいに情報屋でいいのか?」

 「いや、流石にそれだと私の知り合いと遭遇したときに誰を呼んでいるのか分からなくなるでしょうから名乗らせていただきますね。ユウジです、出身国は日本でエンジニアをしてました。改めてよろしくお願いします。」そう言って情報屋ユウジはペコリと僕たちに一礼をする。

 「あぁ、よろしくな!」「同じ日本出身か。よろしく、頼りにしてるよ。」

 その後、テントに移動し久々にゆっくりと休むことができる時間ができたので交代で休むことにした。

 まずはメリッサが見張りをしてくれるようなのでユウジと僕はテントで仮眠をとることにした。

 しかし、数分後に僕たちは安眠を妨げられることとなった。

 「おい、二人とも起きろ!多分ここにいることが相手にバレてる!」と言ってメリッサが僕たちを叩き起こしにきた。

 なんでも見張り中に謎のドローンが飛んできたらしくメリッサを見つけて警報を鳴らそうとしてきたので破壊したらしい。

 「となるとまたあのロボットが来ますね。来たときは任せてください。メリッサさんにコンピューターの解析をしている間に私も少しとあるものを作りまして……。」

 「やっぱりか!安静にしとけっつってんのにガサガサ音がするから後ろを振り向くんだが何もしてないように見えて安心してたが騙してたんか!」

 「でも騙しただけの価値はありますよ。この煙玉MarkIIは。」

 その後、敵が来るかもというのに5分ほど長々とユウジが説明した内容を要約すると煙幕の中にハッキング機能をリンクさせており一時的に敵の仲間荒れを誘発できるという優れものだった。

 しばらくすると走っていないはずの線路の奥の方からゴーっと音が聞こえてくる。

 「あたしの悪いカンが当たっていたらなんだがあいつら電車でここまで来て大勢で襲う気じゃないよな?」

 「残念だけど多分そのカン当たってると思う……。」

 僕たちは急いでテントを片付けてホームドアに罠を仕掛ける。

 「正直今回罠はほんの時間稼ぎにしかならない。最初に出てきた奴らが罠に引っかかってるうちにユウジはあのスゲー煙玉を投げてくれ。そしたらここから逃げるぞ!」

 「スゲー煙玉なんて名前じゃないです!煙玉MarkIIです!」

 「どっちでもいいだろ!?スゲーのには変わりないんだからよ!」

 二人が言い争っている間に列車が到着し、中から大量の戦闘ロボットが降りてこようとする。

 「言い争ってる場合か!来るぞ!」僕がそう叫ぶと二人は正気を取り戻す。

 ロボットはしっかりと罠に引っかかり、その後ろで詰まって出られないでいるロボット達に向けてユウジは正確に煙玉MarkIIを投げ込む。

 煙玉はしっかりと炸裂し、敵のロボット達は急な謀反に混乱しているようだ。

 僕たちはすぐに地下鉄駅を脱出した。

読んでくださりありがとうございます。ぽてぃです。

今回は新たな仲間ユウジが登場しましたね!

明日も19:00に投稿予定ですのでよろしくおねがします!

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