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「ねぇ、結! 記念にさ、写真撮ってもらわない?」とルカ。
「え?」
「結ちゃん、折角だし撮ってもらったら」とエマも誘う。
「え、でも……」
「すみませーん! 記念に! 二人のプライベート写真を撮ってもらってもいいですか?」
「お、いいよ!」
カメラマンさんのOKが出て、ルカと結はブライダルフォトを撮ることに。
ルカは他の人にみせたことがないキラキラの眩しい笑顔を見せ、自分でポーズを決め撮影をしてもらう。
「じゃあ、あと二ポーズだけ付き合ってね」
「うん!」
「じゃあ、結はここでアームブーケをつけて手を胸もとに重ねて真っすぐ立って」
「わかった。こんな感じ?」
「そして、目を閉じて」
「そう、そのままね」
ルカは目を閉じた結の頬にキスをする。
結は驚き目を開けてルカの方を向くと、ルカは頭と頭とくっつけニカっと笑う。ルカの無邪気な笑顔につられ、結もニカっと笑う。
「お、良い写真が出来たよ!」とカメラマンさん。
「でしょ! もう一ポーズだけお願いします!」
「OK」
「今度はお姫様抱っこ!」
「ええ! 恥ずかしいよ! 重たいよ!」
結は無理ムリと手をブンブンと振るが、ルカはニコニコしながら結の腰に手を回しお姫様抱っこをする。お姫様抱っこをされた結は急に大人しくなり、じっと動かなくなる。
「あはは。結、緊張しすぎだから! 危ないから手を俺の首に回して」
「あ、うん」
「折角の記念写真だからさ、笑ってよ、ね?」
「うん……」
結はわかりやすいくらいの作り笑いをする。
「もう! 笑ってくれないなら、くすぐっちゃうからね」
「へ? 危ないって。ルカくん、くすぐらないでよ」
ルカは結をくすぐり笑わせようとする。結もルカも楽しそうな笑顔になり、最高の一枚の写真が完成する。
「いや~いい一枚が撮れたよ~」
カメラマンが満足そうに何度も頷き喜ぶ。
「じゃあ、次はオレと一緒に撮影いいですか?」
シルバーのタキシードを着たジョンの姿のエマがボウ・アンド・スクレープで結に挨拶をする。それに対して結もカーテシーで返す。
ウエディングの格好でヨーロッパのお辞儀をするとはなんともユニークなものです。
結は憧れのジョンに抱き上げられたり、抱きしめられたり、お姫様抱っこされたりと一生の思い出になるくらいの楽しい撮影をさせてもらう。
結との撮影が終わったエマは、ルカと同じブランドでルカとペアになる男性用の指輪の広告用の撮影をはじめる。エマの方は本人が指輪を見つけるだけのため結との絡みはなかった。
エマもルカのように家にいる時と雰囲気がガラっと変わり、婀娜めかしい雰囲気に艶っぽい目つきで女性がみてもドキドキして魅了されてしまうようなそんな姿に変化する。




