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結は女性たちを安全な場所へと誘導し、日和が向かったお店に向かうと両手にレモネードを持った日和がひょろっとした男性に声かけられていた。結はさっきの件もあり、日和が絡まれていると思い、走って向かい男に声をかける。
「すみません。その子、僕の彼女なんですが。何か御用ですか?」
結は先ほど話しかけて説得しようとしたが失敗したため、行動で追い返そうと考える。そのため結は日和の彼氏になりきり、日和の後ろからギュッと抱きしめて妖艶な目つきで男に話しかける。
日和は全身が真っ赤になり、男性は一歩後ろに下がる。
結は日和の耳元で「日和、大丈夫?」と囁く。
日和は小さくうんうんと頷く。
「それで? この子に何の御用でしたっけ?」
結は目が笑っていない状態で口だけニッコリとする。
「あ、えっと。何でもないです」
ひょろっとした男が振り返り逃げようとすると、また別のチャラそうなカッコつけた男二人が声をかけてくる。
「おい、お前罰ゲームもちゃんと出来ないわけ?」
「女子をただナンパするのも出来ないとか、だっせぇ」
チャラそうな二人はひょろっとした男の肩に腕を乗せ、ニヤニヤと笑っている。
結と日和は静かにその場から離れようと反対方向へ歩いていくと、チャラい男たちは結の両腕を掴み、海側のフェンスに追い込む。
「なんですか?」と結がチャラい二人に睨みつけると男たちは結の腕を力強く掴む。
「いった。離してください」
結は両手を動かそうとするがガッチリと腕を掴まれ、動かすことが出来ない。
「さっきの妖艶な顔もいいけど、困った顔も可愛いね」
「お兄さんが君たちと遊んであげるよ」
チャラ男Aは腕を掴んでいない片手を結の肩に絡ませ、チャラ男Bは掴んでいない片手を結の腰に手を回す。結は逃げようとするが逃げ出すことが出来ないでいる。チャラ男Aは結の頭にチャラ男Bは結の頬にキスをしようとする。
(さすがに私だけ力じゃ何もできないよ……誰か助けて!!!)




