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結はぼーっと海を眺めていた。するとどこからか揉めているような声が聞こえてくる。チラリと視線を送ると二人組の女性たちに声をかける二人組の男性たちがみえる。女性たちは拒絶しながら歩いているが、男性たちはしつこく声をかけている。
結はスッと立ち上がり女性たちのもとへと向かい声をかける。
「おじさんたち! お姉さんたち、嫌がってるじゃないですか!」
「はあ? なんだ? クソガキが」
「おにいさんたちと遊んでほしいのかな?」
ガラの悪そうな男性たちは結に近づき、一人は結の頭の上に手を乗せ、もう一人は結の髪に触れる。その瞬間、草むらからガサガサと音が聞こえてくる。
「……気安く触んな~!」
結は男性二人にお得意のストレートパンチとアッパーをお見舞いし、吹っ飛ばす。その隙にお姉さんたちの手を掴み走り去っていく。
(ケイside)
草むらから様子を見ていたケイと光優と守。
結が絡まれ助けようと草むらから出ようとした瞬間、結のストレートパンチとアッパーが見事に当たり出る幕もなく立ち竦む。
「いってえな。なんだあのクソガキ。倍返しにしてやんよ」
「子供だからって容赦しねえからな」
男性二人が立ち上がろうとしたところに手を差し出す、ケイと守。
「あ、どうも」
「すんません」
男性二人がケイと守の手を取った瞬間、二人のグイっと手を引っ張り、ケイは背負い投げを守は腹にキックをお見舞いする。男性二人は目を回し気絶してしまう。
「結に手を出そうなんてするからこうなるんだよ」
「そ、姫に触れていいのは俺らだけの特権なんでね」
ケイと守はニッと笑ってハイタッチをする。
「お前ら、かっこいいな! 良いコンビだな」
光優はケイと守の間に入り肩を組む。
「あ、結を追いかけないと」
「忘れてた」
ケイと守は結を探しに走っていく。
「俺ら尾行してることも忘れるなよ!」
光優は二人を追いかける。




