7‐5
「おかえり、結」
「ただいま、日和」
結は日和が待っていたベンチに座る。
目の前には海が広がっており、静かに波の音だけが響く。
しばらく沈黙が続く。
目を閉じベンチに凭れ掛かっていた結に日和は話しかける。
「また告白ですね」
「はい。気持ちは嬉しいんだけどね。私には……」
「陽がいるもんね」
「そういうことです」
「それにしてもまた例のセリフだったの?」
「そうだね。私って男性に見えるのかな?」
「私からは見た目も中身も女子にしか見えないけど」
「女子にね、彼女になってと言われるならまだわかるんだけど。私が彼氏になるって彼女たちには私はどうみえているんだろうっていつも思うんだよね」
「聞くに聞けないもんね」
「さすがにね……」
空気が読めなそうな主人公ですがこういう時はちゃんと空気は読めるらしいです。
「結は……男の子が好き?」
「うーん。なんか性別で人を判断するのは好きじゃないかな。好きになった人が好きって感じかな!」
「そうだね。結のその考え方が好き」
「へへ。ありがと。子供大人とか男女とか、女の子だから女の子らしくしなさいとかはあまりね。人は人。それでいいと思うけどね。私が好きな陽くんはたまたま男の子ってだけだし。もし彼が女の子でも好きの気持ちは変わらないと思う」
「私もそう思う」
「ね。でも私がこう思っても相手や周りの理解がないと全く意味がないんだけどね。理解してもらえない人にはいくら説明してもわかってもらえないから、説明すらしたくなくなるというね」
「理解しようとしないのに結のその気持ちを使ってくる人ばっか。みんな都合よすぎよ」
「まあ個々の考え方はそれぞれなのでそれは仕方がないことですね」
日和は立ち上がってニコっと笑い「ここへ来る時ね、レモネードを売っているワゴンをみかけたんだ。ここはしゅわっといきませんか?」と言う。
「お! いいね! しゅわっとモヤっを吹き飛ばしたい!」
結は笑顔を見せる。
「OK! じゃ、買ってくるから待っていて」
「わかった! ありがとう」




