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(聞こえてくるのはたくさんの人がおしゃべりをしている声。
感じる香りは……美味しそうな食べ物の匂い。
木漏れ日から青い空がキラキラと見え隠れする場所。
そう……ここは。
学校の中庭。大きな木の下。
私たちはいつもここでお昼ご飯を食べている。)
結と日和と星、陽と光優と守にケイが加わったこのメンバーでお昼を食べる。
これがいつもの光景。
普通は女子だけとか男子だけとかのグループになることが多い中、このメンバーは男女7人という珍しいグループだったりする。
彼らが何故こんなに仲がいいのか……それはまた別の話にて。
結たちメンバーは円を描くように座り、各々お弁当を出す。
結とケイお弁当は母の手作り弁当。そして中身は……。
「結とケイくんはお揃いのお弁当箱……まるでラブラブカップルのようなお弁当箱ですね」
星はジトーっと二人のお弁当箱をみる。
「お弁当箱は同じでも中身は?」
ケイはニコニコしながら結がお弁当箱を開けるのを待っている。
「え? どういうこと?」と結がケイに尋ねると「まあいいから。早く開けてみて」と言う。
「うん」と言いながら結がお弁当箱を開けると、いつも母が作るお弁当とは違いカラフルなキャラ弁のような可愛く賑やかなお弁当になっている。
通常の鈴が作るお弁当は二段弁当で、一段目がお米で、ニ段目が定番の卵焼きと日替わりで変わる茶色のおかずに緑系の野菜かプチトマトが入り、サツマイモかじゃがいものお芋料理が入ったもの。
今回のお弁当は一段目がテディベアのような可愛い形をしたクマさんが座ってハート型のハムを抱えており、クマの周りには花畑のようなカラフルな野菜やおかずが並んでいる。二段目はハートの国にでも迷い込んだようなハート型の卵焼きにハート形のハンバーグ、ハート形に形成したプチトマトにハート形のミニハッシュドポテトが並んでいる。
このお弁当を男の子が作っているなんて信じられない話だ!
ちなみに、朝5時に起きて頑張って作りました!
きっと毎日は続かないとは思いますが。
男の子が好きな人へ作るお弁当なんて乙女で可愛いものです。
この気持ちがちゃんと伝わる日は来るのでしょうか……。




