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「ここなら大丈夫でしょ? あーん」とケイはニコニコしながらあーんの口をする。
「そういうことでもないんだけど……」
戸惑う結とニコニコしながら結に強引にじゃがバターを食べさせようとするケイ。結が一歩一歩と後ずさりをしていくと壁に行き当ってしまう。
「あーん」
「あ~もうっ」
行き場を失った結は仕方がなくあーんをして、じゃがバターを口に入れる。
(あれ? じゃがバターなんてどれも同じだろう。そんなことを思っていたら……。今まで食べたジャガイモと違って、ホクホク感というか口触りがいつもと違う?! たかが、じゃがいも。されど、じゃがいも。って食レポしてる場合じゃなーい!)
「どう? 美味しい?」
結は口いっぱいにじゃがいもが入っているため、何度もペコペコと頷く。
「よかった! ね、僕にも食べさせて! あーんっ」
ケイは目を閉じて頬をピンク色にして大きく口を開けて待っている。
(これも計算なのか? 口いっぱいで何も言えないし、手にはじゃがバター持たされているからツッコミというかパンチも出来ないし、これは……どうしたら……。)
結は色んな感情で震えながらじゃがバターの箸を取り、ケイの口へと運んでいこうとする……と守が現れ結の手を握りケイの口の中に力いっぱい押し込む。
「モゴモゴモゴ」
ケイは苦しくなり藻掻き、守の肩を叩きギブギブと助けを求めるが、守はケイを羽交い絞めにしながら口を押える。ケイはどんどん青ざめていき、口にじゃがいもを入れたまま力尽きる。
チーン。
「あーケイくん! マモもいい加減やめなさいよ。ケイくんが死んじゃうでしょ!」
「ちょっと煩いから寝ていてもらおっか」
「これ、寝てるっていうのかな……」
「大丈夫、息はしているし。気絶しているだけだから。さ、姫! お昼食べに行こう!」
守は結の肩を抱き、いつものお昼を食べる場所に向かおうとする。
「このまま置いてくの?」
「ダメ?」
「せめて、安全そうな場所に……」
「わかった。なら、キスしてくれたら運んであげる」
守は結と同じ目線に屈み、ウインクをしながら人差し指を唇にあてる。
「マモ!」
結は顔を真っ赤にして怒る。
「怒った姫も可愛いなぁ。口にとは言っていないよ。ここでいいから、ね」
守は頬を指でさし、ニヤリと笑う。
結は半目で守をじーっと見つめる。
「姫がキスしてくれないなら、俺がしちゃおっかな」
守はニコニコしながら結に一歩近づく。と、ケイが背後から近づき守にヘッドロックをかけ守の頬にキスをする。
「うわぁ、やめろよ!」
「え? ホッペにちゅーしてほしかったんでしょ?」
ケイは守に指で唇を触りながら艶めかしい視線を送る。
「な、それは姫に……」
「結に?」
ケイは前から守の首に手を回し、顔を近づけていく。




