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Colorful♡Drops  作者: かなたつむぐ
★第一章☆colorful drops★【♯1 ふぁーすとキスは甘酸っぱいレモン味】
5/167

1-5

 キーンコーンカーンコーン。


 (ヤバい! 遅刻ギリギリだよ! 急げ急げ!)

 結はとにかく遅刻しないようにと全力疾走をする。


 廊下には「廊下は走るな」というポスターが貼られているが、そんなの今は無視です。


 とある先生のスカートがマリリンモンローの例のスカートのように捲れようとも、用務員さんのとても大切な頭のお召し物がズレようとも、自分のスカートが引っ掛かり破れ下着が見えていたとしても、そんなことは気にせず! 教室に向かうのであった。



 キーンコーンカーンコーン。


 (これはホームルームが始まる鐘の音! ギリギリいけそう!)


 結は猛ダッシュで教室の前に着き、一度ブレーキをかけ、勢いよく教室のドアをバーンと開ける。

 すると、ドアの前に金色の髪の男の子が立っており、スピードが落ち切らなかった結はその男の子にジャンプハグをしてそのまま押し倒してしまう。

 

「うわあああ」

 ドタン、バタン、ガシャン。


「大丈夫ですか? 日本の女の子はとっても元気ですね」

 金色の髪の男の子はふんわりと優しい声で爽やかな笑顔をみせ、結をそっと抱きしめる。


 男の子は結のスカートが破れているのに気づき、着ていたブレザーを結の肩にふわりとかける。そして結の髪に触れ、ゼロ距離まで近づき耳元で「スカートが破れて、みえちゃっていますよ」と囁く。


 結は顔を真っ赤にしながら「ああ、すみません。ごめんなさい!」とアワアワと慌て、色んな意味で恥ずかしくなり両手で顔を隠す。


「僕は大丈夫だよ、君は怪我とかしていない?」

 男の子は結の頭を優しく撫でる。


「あ、はい。大丈夫です。本当にごめんなさい、ごめんなさい」

 結は恥ずかしさで涙を流しながら、正座で最敬礼をして謝る。


 (遅刻ギリギリで入ったのも恥ずかしいのに……人に体当たりしちゃうとかほんともう……どうしたらいいんだろう。)

 

「うん。日本人の悪いところは、謝りすぎるってところだよね」

 男の子は下を向いたままの結の顔をそっと上げ、流した涙にキスをし、優しく抱きしめる。

 

 (え? え? なに? 何が起きえるの???)


 突然の非日常の出来事に教室の中が騒めき出す。

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