~Snorkeling~
結たちが住んでいる場所の海とは違い、魚やサンゴ礁、海の底まで見える透き通った海。
結の憧れるハワイのような、もしかしたらハワイ以上の理想的な海。
結はシュノーケリングセットを身に着け、一面に広がる海をボーっと眺めながら微笑んでいる。一見、海が嬉しくて感動しているようにもみえるが実は……カナヅチである結は海とどう向き合えばいいかと物思いに耽っているのである。
(私はこんなにも海が大好きなのに……どうして海は私を拒むの……)
えっと、拒んでいるのは結の体であって海ではないんだけど……。
これでも低学年の時にはスイミングスクールに通ってなんとなく泳げていたけれど、プールでは補助するものがあり、安定した底があったから泳げていたというわけである。
子供の頃から海は好きなので浮き輪に入ってプカプカと浮くことなら得意で家の近くの海でもよくプカプカと浮いていたのだが、海には波というものがあるのでどんどん流され、いつも誰かに助けてもらうというのが結の海との思い出の一つだったりする。
シュノーケリングをするということは当然、水着である。
結はケイたちの水着姿をじーっと観察している。
(それにしても……ケイさんもルカくんも美しいボディライン……。
筋肉のつき方と細さのバランスが良すぎる! 私の好み過ぎるぅ!
それにエマさんもすごく美しい筋肉がついている! ステキすぎるぅ!
それに胸の大きさに対してあのウエストは細すぎる……。
ボトムのセクシーさとバランスと言い、そのボディ羨ましすぎるぞ!)
「結? じーっとみてどうしたの? なに? ハグしてほしい?」
結の視線に気がついたケイはニヤニヤしながら手を大きく広げる。
「兄さん! わかってるよね?」
ルカは腕を組み、横目でケイを見る。
ケイは何かを思い出したようにハッとなったかと思うと静かに頷く。
「はい! 次は俺が楽しみにしているシュノーケリングの時間です。結は泳げないみたいだから俺がサポートするからね」とルカは結の腕にピタッとくっつく。
(あれ? いつもならここでケイさんが出てきそうな感じだけど?)
結はチラリとケイの方を向くと、ケイは鬼の形相でルカを睨みつけているが仁王立ちしたまま動こうとはしない。
「へえ! ちゃんと約束守るんだね、偉いよ~兄さん」とケイを小馬鹿にしながら結の腕をギュッとするルカだが、ケイは何も言わず何も行動せずにいる。
「ルカくん、約束って?」
「んとね、今から俺らそれぞれが考えたデートプラン先に行くんだけど、それぞれが主役ってことで口出しをしない、手を出さないって話にしたの」
ルカは無邪気な笑顔を見せる。
(ルカくんのこういう子供っぽい笑顔が可愛いと思ってしまう……。
って実際に可愛いんだけどね。お姉さまたちを虜にする訳だ。)
「あ、そういうことね」
「そう。だから兄さんのあの顔、ほんと面白いよね」
ルカはクスクスと笑いながら、結に密着しようとして胸に少しだけ触れてしまう。




