~skydiving~
* * *
「さて、今日は遊びまくろうじゃないか!」
「そうね、楽しみましょ」
ピーター夫婦はパーティーのはじまりだ! といわんばかりにピーターはアロハシャツ、鈴はムームーを着て、海で泳ぐときに使うマスクや浮き輪やフィンを身に着けてはしゃいでいる。
ここは沖縄なのに何故、ハワイ風の服を着ているのか……。
状況を把握していないが両親のテンションに合わせ「おー」と結たち子供組の声が揃う。
「先ずは、僕らがやってみたかったことから! スカイダイニングだ!」
「お空をみんなで飛んじゃいましょ」
ピーター夫婦はテンションマックスでスーパーマンが空を飛ぶポーズを取るが、結たち世代には伝わらず……。
「彼らにはこうじゃないか?」
「そうね、若い子たちにはこっちね」
ピーター夫婦はアイアンマンが空を飛ぶポーズを取ると、結たちは理解したのか楽しそうに同じポーズを取り始める。
そんなこんなで一同、車に乗り込み出発する。
家族旅行が楽しみなのかみんなで歌を合唱している。なんだかんたで仲良しの家族。
青い海が広がる道路を走り着いた場所はスカイダイビング場。
鈴の夢の一つに『空を飛ぶこと』というのがあるらしく、今回ここに来たというわけである。
車を降りて受付を終えるとインストラクターさんがニコニコと出迎えてくれる。前日に家族分の身長と体重を記入したものを送っており、インストラクターさんたちがもう決まっているのだ。今回はインストラクターさんが偶然にも全員が外人さんで、一番小柄な鈴も小柄でファンキーな男性のインストラクターが付くことになった。
それぞれ自分たちのサポートをしてくれるインストラクターさんたちに挨拶を終えると、軽いストレッチと海老反りの練習をすることとなった。結はパンチは得意だが体が硬く海老反りが上手くできずに飛ぶまでに海老反りの練習をするように言われる。そして別室へと案内される。
暗い部屋にスクリーンだけが明るく少し緊張感のある部屋でスカイダイビングの心得と注意事項を映像で見終わると、部屋が明るくなり紙を一人一人手渡される。その紙には……注意事項を守るという内容と、ピアスなどのアクセサリーを身に着けたままですと耳が引きちぎれます。また、もしなにかあって死亡してしまっても責任を取りませんのでそれを了承出来たら自分ともう一人のサインをしてください。と書いてある。
それをみた結たち子供組はショックを受け真っ白になってしまう。
さっきまでのお祭り騒ぎはなんだったのか……。
(一度はスカイダイビングやってみたかったけど……こう現実をみるとテンションが下がってしまうのはなぜだろう)




