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Colorful♡Drops  作者: かなたつむぐ
【♯3 さーどキスはビターなハチミツ味】
25/167

3‐6

「姉さんが押したからこうなったんだろう。ごめんね、結。大丈夫だった?」

「あ、うん。大丈夫」

 ケイは結の手を取り、立ち上がらせる。

 

(さ、さすがにあの状況はドキドキでした。

 まだ心臓がバクバクする。落ち着け、落ち着け。)


 エマは目をウルウルとさせ「結ちゃん、ごめんなさいね、ちょっとだけ脅かすつもりだったんだけど」と言って両手を合わせる。


 (さっきと言っていることが違うような? まあいいか。)


「えっと……」

「あ、紹介するね、彼女はエマ。僕らの姉だよ」

 ケイは困惑している結に優しく微笑む。


「そうだったんですね、はじめまして! 結です。よろしくお願いします」

 結はニコッと笑って会釈をする。


 (エマさん、とっても大人の女性って感じだな。しなやかな身のこなしで色気が漂っていて、フェロモンを大放出している! 本当に絵にかいたような美人さんだなあ)


 なんというか結の語彙力がなさ過ぎて悲しくなってきます。しくしく。


「よろしくね、結ちゃん。姉ってことなんだけど、結ちゃんのお母様の前の再婚相手が私の母親ってことね。だからケイとは血がつながっていない義理姉弟なのよ」


 エマはニコッと笑ってからケイに抱き着きキスをするが、ケイは今までの笑顔が嘘かのように顔を歪め、エマを強く払いのける。


「姉さん、僕はそういうのは嫌いだ。知っているだろう!」

 ケイはエマを睨みつけながら声を荒げる。


 (え? ケイさんはキス魔じゃないの?)


「なによ。ただの挨拶じゃない」

「挨拶は頬にキスだろう。唇にじゃない!」


「私とケイの仲なのに?」

「……」

 ケイの表情がドンドン険しくなっていく。


 (なんか意味深な……。そもそもここにいていいのかしら……すっごく気まずいよ。)


「なによ! 頬も唇も変わらないじゃない!」

「僕は大好きな人にしか唇に触れてほしくないし、する気はないから!」

 

 ケイは大きな声で怒鳴ったと思うと目を細くし、エマに軽蔑の眼差しを向けながら口をゴシゴシとふく。


 エマは「失礼な奴ね。もう、ケイなんか大嫌いよ」といって大粒の涙を流す。

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