表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Colorful♡Drops  作者: かなたつむぐ
★第三章☆colorful time★【♯19 それぞれの距離と過去と今】
158/167

19-5

「あれ? 帰ってきたのに、誰もおかえりをいってくれないのかい?」

「ピーター、実はね」

 ピーターは鈴から事情を聞くと少し考えてからテレビの前に立ち、大きく両手をたたく。そして三人の視線を一気に集める。


「今までは鈴と結のルールがあったかもしれない。それは守るべきかもしれないけど、僕らは新しい家族だ。だから新しい家族のルールがあってもいいと思う。そこで僕は父親特権を発動しようと思う! 先ずはケイ!」

 ケイは返事をしないが、ピーターをじっと見ている。


「ケイにはこれをプレゼントする」

 ピーターは紙袋から小さな箱を取り出し、ケイに渡そうとするがケイは受け取らない。ピーターは箱の中に入っていた香水の瓶を取り出し、ケイの頭の上に香水を振りかける。

「げほげほ、何するんだよ」


「この香り、覚えてないか?」

「……これってもしかして」


「そう。ケイがまだ小さかった時に気に入ってつけていた香水だよ。結との思い出の香りだろう」

「どうしたの、これ」


「香水事業も十周年! という理由で復刻させたんだ。気に入ったか?」

 ピーターは得意げにウインクをしながらサムズアップをする。ケイはピーターから香水を受け取り自分に香水を振りかける。

「けほけほ。兄さん、香水の使い方、知ってる?」

 ルカは鼻をつまみ、目を閉じ、顔の前で手を仰いでいる。


「もちろん、知っているよ。今回はこの使い方であっているんだ」

 ケイはそういうと結の部屋へと走っていく。



 ケイは結の部屋のドアを三回叩き、部屋へと入る。結は布団とかぶったまま反応はない。ケイはいつもの調子で結の布団をはぎ取り、毛布を抱きかかえている結の背中に頭を押し当てる。


「結、おはよう」

「……」

 ケイは結のベッドにあがり、結の顔を覗き込む。すると結は閉じていた眼を開ける。


「この香り、知ってる」

 結は起き上がり、ケイを引き寄せ、つけている香水の香りを嗅ぐ。

「ケーちゃんの香りがする」

 少し寝ぼけている結は昔の記憶を思い出し、ケイをケーちゃんという女の子と勘違いしギュッと抱きしめる。


「ケーちゃん会いたかったよ、寂しかったよ」

「結、もしかして思い出して……」

 ケイは結が昔の記憶を思い出し、ケーちゃんが自分だと認識してくれたと勘違いをし、結を強く抱きしめる。


「ん? なんかごついような、痛いような」

 結は強く抱きしめられたことにより夢から覚める。

「人が寝ているところと襲うとはお兄様、セクハラですよ」

 結は力の加減を忘れ、思い切りケイの顔にストレートパンチを決め込む。

お読みいただきありがとうございました!

次回もよろしくお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ