18-3
「日和……俺もうおうちに帰りたい」
「あらあら、マモったら可愛いところもあるのね」
日和はニコニコしながら守の頭を優しく撫でる。
「日和、慰めて……」
守はもっと頭を撫でて癒してと日和に近寄ろうとするが……後ろから光優にヘッドロックを掛けられる。
「あの……俺、くっつくなら女の子にがいいんだけど」
「セクハラで日和に嫌われるぞ。まあ、結や星に今以上に嫌われてもいいなら止めないけど」
「……それは困る」
「だろ? 俺もハグするなら女子がいいに決まっているだろう」
「いやん! そういうの好き~」
星は守と光優のヘッドロックがバックハグにみえるらしく大興奮状態になり、頬を赤らめ目がハートになり、スマホでパシャパシャと写真を撮りはじめる。
「ねえねえ! ケイくんもハグごっこに入って! 三人でギューってしてるとこみたい!」
ケイは笑顔で守と光優を抱きしめ、ウインクをする。
「きゃー! ほんと! 最高です! ご馳走様です!」
陽も空気を読んでか三人にハグをしに行く。
「陽くん?」
「あら、珍しい」
結と日和は驚き顔を合わせる。
「陽! 僕のウインクで理解してくれたんだね」
陽はコクンと頷く。
さっきのケイのウインクは写真を撮るポーズではなく、陽に「おいで」という合図だったのだ。陽もそれを理解し、ハグ祭りに参加しているというわけです。
「陽もマモもコウもみんな大好きだ~」
ケイは三人をぎゅうぎゅうしながらキラキラの笑顔を見せる。
ちなみにこれは天然ケイの本気の感想であって、星のためにやっていることではありません。が結果的に星が喜びそうな構図になっていたりします。
「あの笑顔にキュンってしちゃうな~って思ったでしょ?」と日和は結の顔を覗く。
「そんなことありません」と結はそっぽを向く。
(っていうのは嘘……少しだけキュンってなっちゃったけど。
それにしても、陽くんは今までこんなことしたことないのに……ケイくんの影響?
ウインクで合図したのを考察してとかそんなに意思疎通ができるの?
ケイくんが、ちょっとうらやましいぞおおお。)
「キャーキャー! ありがとうございます!」
星は嬉しすぎてヒョンピョンと何度もジャンプをする。
(それにしてもみんな楽しそうでよかった。)
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