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数か月後。私がモデルをやった写真が雑誌に載りポスターになり、モデル界の新星として大注目されることになった。その時の私は黒髪でショートカットだったので男のモデルとして紹介されていた。私は女の子らしくしているつもりはないし、男っぽくもしていないつもりだった。だからどっちに思われても気にはならなかった。ピーターにも性別を明かすか聞かれたが、秘密ということにしてもらった。
人というものはその秘密というのはどうしても気になるようで謎のモデルとして注目度がどんどん上がっていった。私は自分を見てくれる人がいることも誰かが私という存在に気付いてくれたことも本当にい嬉しくて毎日上機嫌だった。
しかしそんな私を母は気に入らなかったようで……私生活がどんどん荒れて行き、手を出してはいけないものまで手を出すようになっていった。母は老け込み肌も荒れ、白髪交じりの髪に変化していった。私にはどうすることも出来ない……もうどうすればいいんだろう。
そんなことを思っているとピーターが家にやってきて、私と母を新居へと案内してくれた。そこにはピーターと瓜二つのケイとケイにぴったりくっついているお人形のように可愛いルカが住んでいた。ピーターは母と結婚したという。私がピーターに会ったのはこれで二回目。母と会っている様子もなかった。なのに結婚? 大人のやることはわからない。そんなことを思っていた。けど答えはすぐにわかった。
私がモデルの仕事をしていると、自然とピーターや母の噂もよく流れて来た。私の正体は性別だけでなく家族構成も不明になっていたから、噂好きの大人たちは母のことをまるで歌を口遊むようにペラペラと話していた。
その話は昔の童話かな? それともテレビドラマなのかな? と思うくらいに面白く可笑しいものだった。
娘にモデルの仕事を取られた女は手を出してはいけないものに手を出した。そして心も見た目も醜くなったその女は娘の正体を明かし人生を壊すと脅し、大金持ちと結婚をした。そしてその大金持ちはその娘の人生を守ったという物語。
これは物語の第一章に過ぎない。この物語には続きがあった。
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