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Colorful♡Drops  作者: かなたつむぐ
【♯15 君の好きな人。ずっと隣にいるのにね。陽の好きな人。】
129/167

15-1

◆陽


 今日は彼女であるヒナが「遊園地デートしよう」ということでここにやって来た。

 俺とヒナが付き合っているのは秘密にしているから、あまり外で遊ぶことはない。だから遊園地に行こうという誘いは正直、嬉しかった。だけど、やっぱりこういうことかと。これはデートではなくストーカーというか尾行と言うか……ヒナは結が好きすぎて少し可笑しな行動をとることが多いけど、今日は今までで一番な気がする。


 ヒナと俺は彼氏彼女の関係だけど、それは名前だけの関係。ヒナの一番は結。ヒナは隠しているつもりだろうけど隠せていないから。もしヒナと俺の性別が逆だったら、俺のことは視界にも入らず結だけをみるんだろうなと思う。それくらい結のことしかみていないから。俺が隣にいたとしてもヒナは結をずっとみている。俺がどんなに視線を送ろうとも気付かれることはない。



 俺とヒナは生まれた時からの幼馴染。

 一番昔の記憶は三歳の時のこと。二人で一緒にアニメをみていたら男の子が女の子に「好き」と言って頬にキスをした。子供だったけど好きってそういうことなのかと思い、ヒナの頬にキスをした。ヒナは顔を真っ赤にして恥ずかしがった。そしてキスのお返しをしてくれた。俺はその頃からずっとヒナのことが好きだった。





 それから数か月後、幼稚園に入る。そこで結と出会う。結はとても明るくて色んな子と遊んでいた。ヒナは人見知りであまり輪の中に入るタイプではなかった。俺以外の人とはほとんど話すこともなく、集団行動をしても動かず何もしなかった。


 そんなヒナに結は声を掛けて来た。それからヒナと結は仲良くなり、ヒナが変わっていった。誰とも喋るようになって集団行動の時は皆をまとめるようになっていく。誰かと出会うことで人はこんなにも変化するということに驚きを隠せなかった。真逆のような性格になったヒナだけど、ヒナはいつも俺の隣にいた。嬉しいことがあっても悲しいことがあっても一番に話してくれる。泣くときはいつも俺の胸で泣き、嬉しいことがあると俺をギュッと抱きしめる。正直、くまのぬいぐるみでも出来そうなことだけどそれは俺の特等席で俺の特権だと思っていた。


 ヒナにとって結はヒーロー的憧れの存在で。結がいることで今のヒナが存在し、それはこれからもずっとそうなんだろう。俺の入る隙間が見つからないな……そんなことを思う日々だった。どんなに努力してもその人にはなれないから俺は俺らしくいようと思った。

お読みいただきありがとうございました!

次回もよろしくお願い致します!

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