14-1
◇結
(目の前にはふわっふわの虹色の綿あめ。
聴こえてくる音楽はチャイコフスキーの『眠れる森の美女』だけど目の前にみえるお城は茨のお城ではなく真っ白な大きな時計台があるお城で。
メルヘンな雰囲気を楽しんでいる横で……カレーポップコーンの匂いがしてくる。
そう……ここは。
まだまだ遊園地の中のとあるカフェテラス。
今はケイくんとルカくんを待ちながら休憩をしているところ。)
「星、それ美味しい?」
「ん? カレー味のポップコーンのこと? めちゃウマよ。食べてみてよ! はい、あーん」
星は結にポップコーンを食べさせようとするが、守がそのポップコーンを横取りする。
「はあ? なんでマモが食べるのよ?」
「だって姫は今、甘々の綿あめを食べているんだよ? そんなのと組み合わせがいいわけないだろ。ホント、お前は空気読めないよな」
「どっちが空気読めてないのよ! アタシと結のラブラブなひと時を邪魔しやがって!」
「それを言うなら、今日の俺と姫の二人きりのデートを邪魔してんのはどっちだよ!」
「なんでマモ如きが結と二人でデートなんかしようとしてるのよ。そもそもそこがふざけてるのよ」
「あのな、姫にはちゃんと許可取ったわけ。だからお邪魔虫なのは星なんだよ、おわかり?」
「まあまあまあ」と結は二人の間に綿あめを差し出し「これでも食べてまったりしましょう。遊園地では喧嘩じゃなくてワイワイしましょ、ね」と守と星の喧嘩を止めさせようとする。
「ね、結もこう言ってますし、一緒に楽しみましょうよ」と光優が一押しする。
「ごめん、結」
「そうだな、楽しまないとな。ごめんよ、姫」
星と守は反省し頭を下げる。




