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Colorful♡Drops  作者: かなたつむぐ
【♯2 せかんどキスはしゅわしゅわラムネ味】
12/167

2-2

 コンコン。

 ケイは結の部屋をノックするが反応がない。

 結は布団の中でスヤスヤと眠っている。



 スヤスヤと眠っている結の見ている夢は……。

 大好きなジェリーとジョンと一緒にハワイの天国の海でシュノーケリングをしている夢。結の右手をジェリーが左手をジョンが手を繋ぎ、カナヅチの結をサポートしながら泳いでいる。

 透き通った海、色鮮やかな魚たち、そしてウミガメやイルカが近く泳いでいるのがみえる。

 

 シュノーケリングに夢中になっていると、結がバランスを崩し溺れてしまう。それに気が付いたジェリーがそっと結を抱きかかえ、足がつく場所まで連れて行ってくれる。


 まさに天国の海で天国に行ったような夢の中にいる。


 (ジェリーの髪サラサラ、腰も細い……。ほのかにお花の香りもする?)


 

 そんな天国の気分を壊す音が聞こえてくる。

 コンコン。


「結、おはよう! 起きている?」


 ケイは、ハキハキとした元気な声で結に話しかける。


 (ん? この声は……ケイさんか。折角のお休みなのに静かに寝かせて)


 コンッココン。

「ねえ? まだ寝ているの? 朝ごはん食~べよ?」


 (ああ、昨日のことを思い出すとケイさんにどう接したらいいかわからないよ。よし、寝ているふりをしちゃおう。)


 結は布団にもぐり、寝返りを打つ。

 と、そこには……。


「おはよう、結」と流し目で甘くとろけそうな声で囁く男の子。

 

 なんと結のベッドの中に男の子が入り込んでいたのだ。


「きゃ~~~~~」と顔を真っ赤にして大きな声をあげる結。


「うるさいな、朝から大きな声ださないでよ。さっきは俺の髪を撫でたり、ギューって抱きしめていたくせになんだよ」

 先ほどの甘い声の持ち主は駄々を捏ねた子供のように変化したかと思うと、結にフワっと抱き着き口をふさぐようにキスをする。


 

 さっき、ジェリーだと思い髪を撫でたり抱きしめていたのは夢ではなく現実だったのだ。まあ相手はジェリーではないけれど……。


「え? ルカ……くん……」

 結は昨日の今日で頭の中がいっぱいいっぱいになりパンクし気を失ってしまう。


 そう。結の布団の中には、大人気モデルのルカがもぐりこんでいたのだ。

 何故、ルカがいるかというと……それは昨日から姉弟になったからである。



 ドン!

 勢いよくドアを開け、部屋の中に入ってくるケイ。


「ルカ!」

「やあ、おはよう。兄さん」


「こんなことろで何してるの?」

「なにって、新しい姉さんと一緒に寝てたんだけど?」


 ルカは何事もなかったようにテレビ用の純粋無垢な可愛い笑顔を見せる。

 当然兄のケイにはその顔は通用せず、ケイは厭わしさを露にする。


「今、結が叫んでいたようだけど何をしたの?」

「え? 普通に朝の挨拶、キスしただけだよ?」


「普通にって……」

「兄さんだって昨日、結にキスしてたよね? だから普通だよね?」


 ケイは返す言葉がなく黙ってしまう。

 ケイの姿をみて、したり顔を見せるルカ。

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