表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩「立ち込める不信」   2018 6 6

作者: konoe sakuta

豆散らばりし杜若

腹水溜まりて水芭蕉

浸潤恥ずかし沈丁花

蝋燭消えゆる彼岸花


飾る顔色花海棠

親身な真味福寿草

苦味旨味白木蓮

所詮他人事蓮華草


解けぬ知恵の輪富貴草

約束の日割り松葉菊

しゃぶる足元花蘇芳

むせる戯論甘野老


豚肥ゆる秋鳳仙花

名無しの案山子蓮華草

無菌の精霊君子蘭

痩せる血液春紫苑



逝ってしまうのですね

私には本当の意味で寄り添うことは叶わないのです

あなたの孤独が本当の意味で共感できないのです

あなたと同じ境遇になったときに初めてあなたの本当を感じます

嘘をついたのかも知れません

私は煙草を一本だけ吸おうと思います

あなたが愛した煙草を一本だけ

私はあなたを本当に愛していました

あなたがいなくなるなんて信じられません

あなたは突き抜けて菩薩の心境でいると信じたいのです

運命を受け入れ突然よりも華々しく受け入れていると信じたいのです

背信ではないと全身で語りたいのです

しかし私はあなたに寄り添いつつあなたの全裸におぼつかない子どもなのです

あなたのそばにいつつあなたから離れた場所に佇んでいるのです

どうしても重ならない影

あなたと私の影は重ならないのです

信実

あなたにはあなたしかわからないあなたがいるのですが私は私の亡霊なのです

私もいつかなんらかの形であなたのそばに行くでしょう

それは突然なのかも知れません

できるならば

できるならばあなたが残された日々をあなたなりに噛み締めて

できるならば良き昔を胸に旅立つことを切に願うのです

不信

不信

私を疑うことなくいてくれる間にあなたに逝ってほしいと

これが本心

これが本心の拙い私信なのです

木鳴らす風もつれづれに

風を私も感じながら私の順番を待つのです

花を贈りたいのですがどの花を選べばいいのか

それを教えてくれるのはあなたではなく季節

あなたよりも季節の機嫌を伺うのです

あなたよりも季節の機嫌を伺うのです


昇華は飄々として私の手には収まらないのです


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ