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第3話:デート??

告白された彼女の名前は[佐々木 加奈]友達になった証で、2人で買い物に行くことになった。

これは、断じてデートではない。

そんなことを頭の片隅に浮かべながら予定より1時間前に、待ち合わせ場所で待っていると、待ち合わせ時間30分前くらいに佐々木さんが来た。

「ご、ごめんなさい。待ちましたか?」

………なんかベタな展開。

「いや、俺も今来たところだよ。」

「………ふふっ。」

ドキッ!か、可愛い。

ハッ!ダメダメ、こんなやましい気持ちで今日1日一緒に過ごしたら、佐々木さんに失礼だ。

「な、何で笑うの?」

なるべく平常心で言ったつもりが、ちょっと噛んでしまった。

「……あっ、ごめんなさい。その、こういうのいいなぁ〜と思って。蓮くんが待ったのに、嘘ついて待ってないだなんて………ちょっと嬉しいじゃないですか。」

!?

「な、何で待ったってわかったの?」

「だって蓮くんったら小学生の修学旅行の時も、中学生の時の提出日とか、集合時間とか、すごい早いうちに出したり10分前行動したり………そんな蓮くんが、30分前より遅く待ってる確率の方が低いし、それに…優しいから嘘付いてるんじゃいかなぁ〜って思って…。」

〜っ!

「ど、どうしてそんなに俺の事を………?」

「そんなのは!、……好き…だから……。」

………そ、そんなに俺なんかを。

「そ、それじゃあ行きましょっ。」佐々木さんは、照れを隠すように話をそらし、歩き出した。俺もすぐ隣についていく。

せっかくの友達記念日だし、俺も佐々木さんも楽しまないとな。

〜それから俺達は、普通に服屋とゲーセンに行って楽しんだ。〜

「結構楽しめたなぁ。」

「う、うん……。」

うつむきながらの悲しむような声。

「えっと…楽しくなかったかな?」

「えっ、そんなこと……ないよ。」

やっぱり俯いての悲しそうな声。

「じゃあ、何でそんなに悲しそうなの?」

「………。」

「………。」

2人の無言が続いた。

「………あの、」

「………あの、」

2人同時に無言の沈黙を破った。

「さ、佐々木さんから先にどうぞ。」無意識で声がハモるのは、恥ずかしかったため焦って、話すよう急かした。

「れ、蓮くんが先に言って!」

何故かちょっと怒ったような口調。だから、先に言うことにした。

「つまんないことだけど、歩きながら話さない?」

『……………。』

一言で場の空気が静まり返る。

佐々木さんは、ゆっくり歩き始めた。しかしその背後からは、怒りのオーラのようなものが感じられる。

「それで、佐々木さんは何を言おうとしたの?」

佐々木さんは、それを聞いた瞬間、足を止めた。

「え〜〜っと………。」

「〜〜〜から。」

「え、何て言ったの?」

「今日が終わっちゃうから。……今まで生きてて一番楽しかった今日が終わっちゃうから。グスッ」

佐々木さんは泣いていた。涙が目に浮かぶという表現が、全然当てまらないくらい大粒の涙をこぼして。

それを見た瞬間、自然と口から言葉を発していた。

「じゃあ、またこの楽しかった時間に負けないくらいの楽しい時間を創ればいいじゃん。必要なら俺も手伝うから。」

この言葉は、自分の本心からでた言葉だった。

「……本当?……手伝って……くれる……の?」

涙で声が飛び飛びになっている。

「当たり前だろ。」

「……どうして?」

「どうしてってそりゃあ、………友達だから。」

少し迷ったが、友達と言うことにした。

「…………馬鹿。ボソッ」

「えっ?何?」

「何でもない。ありがとう。また今度、遊びに連れていってくれる?」

「俺なんかでよかったらいくらでも誘ってよ。」

「ありがとう。それと、もう1つお願い、いい?」佐々木さんは、指を絡ませ、ねだるよいな目で見つめてきた。

?もう1つのお願い?

「いいけど、何?」

「その、………私のこと、名前で呼んでくれないかな?」

名前?ってことは、加奈ちゃんって呼べってこと?うわぁかなり恥ずかしいけど……

「か、加奈ちゃん…。」

「はいっ!」

加奈ちゃんは、今までにないほどの満面の笑みを見せてくれた。

「じゃあ帰ろうか加奈ちゃん。」

「うんっ!!」

そうして俺の、初デート?は幕を閉じた。

このデート?で俺は、加奈ちゃんに特別な感情、助けてあげたい、放っておけないという恋愛感情なのかわからないが、そういう想いが生まれた。

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