第2話:告白
突然だった…………
「好きです。小学生の頃から好きでした、そ、その………付き合ってください!」
小学校の頃からだろうか男友達と遊んだり、勉強に力をいれたり、基本的に女の子と関わらない人生をおくってきた俺は高校にあがっても恋愛のれの字も知らないほどだった。そんな俺が人生初の告白をうけた。正直、どういう返事をしていいのかわからない。
「あ、あの、お、俺その……。」
むろんちゃんとした返事は思い付くはずもない。
「わかっています、その……私なんかみんなからも好かれてるわけじゃないし、あなたからも嫌われてるだろうし……。」それだけ言うと彼女は黙って俯いてしまった。よく見ると肩がぴくぴくと震えている。俺は言葉を失った。軽い言葉は相手を傷つけるだけだろうし、自分の気持ちもわからないのに付き合うわけにもいかない。
「あ、あの自分の気持ちを知っておいてほしかっただけなので……そ、それじゃあ、わ、私はこれで……。」
そう言って彼女は振り返ると、走り出そうとした。
その目には、涙がほんのりうかんでいる。
そんな彼女を俺は、自然と引き止めていた。
「ま、待って!」
彼女は走り出そうとしていた足を止めると、顔を隠すかのように俯きながら振り返った。
「あのさ、俺今まで恋をしたことって言うか、好きな人ができたことがないんだ……だからその、好きとかそういうのが全然わかんなくて、だから友達、そう友達から始めない?」
何故こんなこと言ったのかも自分ではわからない。ただ、自分を好きと言ってくれている子には、嫌われたくなかったんだと思う。
「………ほ、本当ですか?本当に私なんかが友達になっていいんですか?」
「当たり前じゃん。むしろ友達になって。」
「あ、ありがとうございます。」
彼女は、涙を拭って微笑んだ。
このとき、俺は初めて女の子が可愛いと思って見とれてしまった。