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疑問。それは奴の事

 祐介が戦いに介入のおかげで、戦闘は終わった。

 それにしても何故ここに? 一般人は入れないんじゃ。


「何でここにいるのかって、台詞まんまお前に返すわ。」

「いや、深い事情があるんだけど……」

「神社で用事済ませてたら、人気が無くなるわ、戦いの音は聞こえるわ、でびっくりしたんだからな」

「お前って、なんかに憑かれてたり?」

「お前も何か知ってんのか、そうだぞ、俺は卜部季武(うらべすえたけ)に憑かれてる。お前は?」

「……確か、渡辺綱(わたなべのつな)だったかな?」

「そりゃ、凄い人に憑かれたもんだな」


 そんなに凄い人なのか。

 てか、あいつ絶対知ってただろ。何で教えないのか。


「あいつから何も説明受けてないのか?」

「昔から説明がないのが普通だから」


 昔からそうなのか。よく、現場を任してるな。


「てか、あいつって何者?」

「全くわからん」


 昔からの知り合いじゃないのか。

 それとも、詳しく教えてもらってないのか?


「なら詳しく調べるか」

「ツクモ充電したら何かわかるんじゃ?」

「ツクモって?」

「付喪神。俺の武器、しかも意識付き」

「いや、あいつ側の存在にバレたら万が一があり得る」


 まぁそれよりまず、何で今まで調べてこなかったのかって疑問もあるけど、こいつも適当だし気にしてなかったんだろうな。

 何で、そんなに気にするかわからないが、とりあえず、秘密って事かな。

 バレたら何かややこしいんだろうか。


「あと、残念だが家はリンゴのスマホだ。ロボットのスマホケーブルは持ってない」


 元より、充電が出来ないのか。

 仕方ない、自分たちで調べるか。


「じゃ、始めるか。まず文明の利器を活用するか」

「信憑性はどうなんだ?」

「まぁ、色々見て。何件も同じ内容ならある程度信用揺できるだろ。最終は本人に確認だ」

「はじめから聞けば良いんじゃ?」

「ほぅ、ならこれ見てみろ」


 祐介にあるページを見せてもらう。

 そこには、瓜子姫について書いてあった。


「アメノサグメって天邪鬼でもあるんだぞ」


 唯か誰かがそんな事を言ってたような気がするな。


「え~と、瓜子姫は……」


 瓜から生まれた瓜子姫がたいそう美人になり、金持ちが嫁にしたいと言い。

 そのためにおじいさんとおばあさんが街に嫁入り道具買いに行っている最中、瓜子姫が天邪鬼に殺されその皮を被った。そして、金持ちの家に移動中、鳥になった瓜子姫が事の顛末を告発し、正体のばれた天邪鬼は殺されてしまった。


 ……なるほど。

 つまり、玉の輿のために、姫を殺して、その皮を被ったと。

 怖っ。てかグロテスクだな。


「あいつ、何で神様扱いなんだろ」

「おぞましいな。天邪鬼って鬼じゃないか……」

「鬼と同居しちゃってるわ」

「気をつけろよ」


 気をつけるも何も。

 どうしようもないよな、あいつに正面からやり合っても勝てないのに、闇討ちでもしないとこちらが死ぬな。

 ……いや、闇討ちすら効かないだろうな。あいつら、気配とか感じ取ってるだろうし。


「で? 本人に確認取るか?」

「いや、もう少し調べる」


 流石に、怖いな。

 もう少しまともな情報さえあれば。


「アメノサグメについては?」

「アメノサグメって、古事記に書いてあるならしいな」

「やっぱり、神様なんだ」

「あんなのでも神様っぽいな」

「てか、神社の息子なんだから知ってるもんじゃないの?」

「知らん。自分の神社の事ぐらいしか」


 やっぱり、こいつも結構適当だな。


「内容はどうなってるの?」

「オオクニヌシを説得して地上の支配権を譲らせるという役目を担っていたアメノワカヒコが娘のシタテルヒメと結婚し、その役目を放棄したからキジ使わして、様子見ようとしたらアメノが唆して、そのキジ殺させたって」

「ひでぇ」

「あいつ何で神様なんだろ」

「ほんとな、適当だし」


 何であいつって、現場監督みたいな役割担ってるのか。

 いや、何で、任されているんだろう。


「これって昔話だろ?」

「まぁ、確かに」

「本人に確認してこいよ」

「はぁ?」


 ついさっき危ないって言ってたのに、なんだこいつの思考回路は、ショートでもしてるんじゃない?


「だって、もしこれが事実なら同居してる身としてどうよ?」

「諦めて首差し出すレベル」

「だろ? だから、事実確認してこいって」


 確かに、昔話だし、これが脚色されたもので、誰も殺していないのであれば安心して寝る事が出来る。

 全部事実であれば、戦うか。もしくは、全てを諦めてしまうしかない。


「流石に怖いわ、祐介お前もついて来いよ」

「なんで? お前一人で死んできたら?」

「ふざけんな——っておい! やめろ!」


 何度でも言う、俺は1人で死ぬ気はない。ならば。

 そのまま、祐介を締め落とす。

 襟を掴み、無理矢理引っ張り自宅まで引きずっていった。





 自宅に帰り、アメノの部屋をノックする。


「どうしたの? てか、それ大丈夫?」


 スッと扉が開く。いつも何も感じなかったが、今回は緊張感が漂う。

 一言でも間違えれば、万が一の事もある。

 のびている祐介を指さす、アメノ。

 よし、こいつにやらせるか。


「いや、祐介が聞きたい事あるって。起きろ!」


 頬を何度もビンタし、起こす。


「はっ、竜てめぇ!」

「何が聞きたいの?」

「い、いや、何も……」

「ほら聞けよ」


(お前マジで後で殺すからな)

(良いから聞けよ!)


 どうしたもんか、中々切り出す事が出来ない。


「綱も何か知ってるっぽいね、季が言わないなら綱が言いなよ」

「そんな、何も知らないけど……」

「俺の口からは言えないな~ 竜には全部話したから、竜が言ってくれるわ」


 こいつ、やっぱりクソ野郎か。

 もう一度、締め落としてやった。

 だがこれ以上渋ってると、逆に何されるかわからんしな。


「え~と、アメノサグメと天邪鬼について調べたんだけど……」


 おずおずと、話し始める。


「あれって、全部実話なの?」


 聞いてしまった。あとは、答えを待つだけだ。

 場合によっては…… いや、それだけはあり得ないな。あり得ないと願いたい。


「そんな分けないじゃん」


 ケラケラと笑い出す。

 良かった…… 最悪な結果にならなくて。


「だって、もし事実なら瓜子姫の時点で死んでるでしょ? しかも、古事記のあれだって、ワカヒコ殺されて私が殺されないと思う?」

「……確かに」

「ほら、わかりやすく悪者作った方が話になるでしょ?」

「そうだね」


 言われてみれば確かに、死んだらここにいないよな。


「考えてみてよ、皮被ったらその人に見えると思う?」

「目の周りとか違和感があるね」

「でしょ?」

「でも何でそんな話になったの?」


 皮を被って人を騙したってなると、相当見た目や仕草に違和感がなかったと考えられるしかないよな。

 特殊メイクでもどうしてもやっぱり目元とかも違和感は出るし。


「あの子、金持ちでも知らないおっさんの嫁とかいやでしょ?」

「まぁな」

「だから、変わってあげたの」

「どうやって?」

「こうやって」


 そう言って手で顔を覆った。その後、顔を見せたときは別人の顔だった。


「なにしたの!?」

「私、顔だけなら自由に変えられるんだよね」

「何その技」


 まれに見るドヤ顔をしている。

 確かに凄いけども。


「本当に、お前って何者なの?」

「か・み・さ・ま」

「ですよね……」


 やっぱり、まともに答えてくれないよな。

 ただの人殺しでも何でも無いってことがわかっただけでもよしとするか……


 そうこうしていると祐介が息を吹き返した。


(おい! どうなった?)

(いや、それが全く謎のままなんだ)

(役立たずめ)

(うるせぇ、クソ野郎が)

(昔話通りだったか?)

(人殺しとかではなかった)

(そっか、なら今日って)

(そういうこと)

((ただの時間の無駄遣いだった……))


 一日中費やしてわかったのが、昔話通りではなく。変な能力を持っている事だけだった。

 つまり、謎が深まるばかりで何もわからないままだった。

長々と書いた結果は戦友とアメノの特技が明かされました。アメノについて書くと話しが長くなりそうです。次回は少し出てきた、妹出してみようかなって思います。

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