一日。つまり竜之介のスケジュール【番外編】
本編が10話達成したので番外編です。
休日のスケジュール(手合わせがある日)
最近は手合わせが3日に1回のペースで行われています。
6:00「ツクモのアラームで起こされる」
『今日は手合わせの日ですよ。起きないと知りませんよ』
「起きました、目パッチリです」
『目開いてないですよ?』
「大丈夫です。起きてます」
この際、すぐに起きなくては大音量で18禁の動画が流されるので、身内のみならず、ご近所さんからの評価維持のため、何が何でも起きるしかない。
1度あえて無視し、二度寝をしようとてみたところ、一片の躊躇なく流れ始めたので飛び起きた経験がある。
……電源切ればいいじゃんって思ったけど、こいつがいなきゃ夜中に寝込み襲われたら元も子もないなし。
7:00「朝食の前の軽い運動」
最近、どんどん手合わせの内容が濃くなってきて体力無いと一方的にボッコボコにされるので、攻撃を捌けるだけの体力は付けなくてはならない。
8:00「朝食」
最近わかったけど、朝飯食べるだけで、身体の調子すっごい変わる。
てか、食わないと身体が持たない。
『今日も1時間後に手合わせしますね』
「どっちと?」
『私とやりますか。何故そんな険しい顔するのですか?』
「手加減を知らないもの……」
『手加減をするのは相手を下に見てるという証拠ではありませんか。なので、全力を尽くします』
何て言うか、馬鹿に律儀というか。真面目というか。
むしろ、身体動かして人ボコってストレス発散してる様にも感じるけど。
9:00「本日の手合わせ」
ジャージ姿のツクモと、同じくジャージを着た俺が庭で対峙する。
ほんとにやりたくない。手加減しない宣言されて、よし頑張ろうってならないよね。
『素手か、武器かどちらで手合わせしましょうか』
「痛くない方でお願いします」
『素手でやりましょうか。では、よろしく願いします』
木刀で殴られるより、痛くはないが、凄く一撃が重い。
……朝食べたもの出してしまいそう。
こちらから仕掛けても、流されては殴られ、受け止めては投げられと全く歯が立たない。
この際、相手の攻撃を誘い、カウンターで一撃入れるしかない。
隙をわざとチラつかせる。すると右のストレートが飛んできた。
——しめた。その腕を払い、腹をめがけて掌底を入れる。
しかし、左手でそれを防ごうとしてきた。それも想定済み、その左手を掌底を放とうとしていた手で掴む。
そして、そのまま足払いを仕掛ける。
アメノに似た手を使ったことがあるが、確かあの時の足払いは有効だったはず。
足払いが成功し、体勢が崩れそのまま倒れ込む。
今日は俺の勝ちだな。
そう、少し油断したときだった。いつか見た光景がフラッシュバックする。
確かあの時、足払いが成功したと見せかけて、巴投げされたよな……
全てを回想する間もなく、そのまま、ツクモに後ろへと放り投げられた。
10:00「アメノ起床」
「おはよ~」
寝ぼけ眼でゆっくりと階段を降りてくる。
髪はぼさぼさだし、服も少しダルダルになっていて全く締まりが無いが、色気は感じる。
神様なんだろうか本当に。
「なんでそんなにボロボロなの?」
「お前が寝ている間、一方的な暴力があったからな」
「ツクモかぁ、あの子、手抜かないもんね」
『失礼に値するので』
「だって~、尊敬されてるじゃん。良かったね」
尊敬されてたら、こんなにもボロボロにされないと思うけども。
10:30~12:00「自由時間」
朝から内容が濃すぎていつもこの時間からでしか自由な時間が無い。
と言ってもほとんどが、睡眠で時間が無くなる。
日によってまちまちだが、突然夕方頃にアメノが手合わせしようと言ってくるからだ。
寝ないと体力が持たない。
12:00「昼食」
「綱。おなか減ったね」
「そうだな」
「おなか減ったね」
「確かに」
「おなか減ったね」
「わかる——って痛い! 何すんの!?」
「何か作ってよ」
「何で俺が——わかりました。作らせていただきます」
その手には、ツクモもとい時限爆弾にも似たような物が握られている。
朝のアラームよりたちが悪い。
昼間から18禁の動画など流してみろ。100人に聞いて98人は俺が見ていると思うに決まっているだろう。しかも、今は開店後だぞ、万が一があれば母さんに殺される。
渋々ではあるが、昼ご飯を作りにキッチンへと向かう。
13:00「バイト」
ここからはいつも通り、実家もとい、イートインスペース付きのケーキ屋でバイトをする。
最近は、アメノ目当てのお客さんも増え、売り上げが着実に増えている。
そういった意味では、この家の神様として捉えないこともない。
俺からしたら、マイナス要素に目が行きすぎるけれども、実害のない親にしてみれば、よく入り、よく働くいいスタッフである。
だからか、最近家での扱いがアメノよりも下になってきている気がする。恐らく気がするだけだと思う。てかそうであって欲しい。
19:30「手合わせ2回目」
働き終わり、少しゆっくりしているとアメノから声を掛けられる。
「暇そうだね。身体動かそっか」
「暇じゃないわ、身体休ませてんの。朝も動いて昼もバイトしたんだから」
「そうなんだ」
「いや、見てたじゃん」
「仕方ない、今日は緩めでいいよ」
駄目だ、話聞く気がまず無い。自分が決めた道突き進んで周りお構いなしだもんな。
休ませろって言ってんのが届かないんだもん。どうしようもないな。
自分の意思とは関係なく、手合わせが始まった。
20:30「晩ご飯」
身も心もボロボロにされて晩ご飯の時間となる。
逆にわかりやすく手加減しておいて、こっちが攻撃はいるって確信したとき、若干手抜くの止めるんだもの。
褒めて伸ばす。出来る喜びを知るってことをさせないよね。
でも、1つだけ身をもって実感しているのが防ぐのがめきめき上達していること。
何とかしのげるからな。
「こんなんで大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。結構ちゃんと戦えるよ」
「ほんとかよ……」
「自身持ちなって」
一撃入れられたら、自身持てるんだけどな。
てか、こっちが攻撃して相手が防ぐってのが普通じゃないのかな。
やっぱりどっかストレス発散も兼ねているのだろうか。
……溜まるようなストレスがあるとは思えないが。
21:30「自由時間」
二度目の風呂に入る。
今日も傷口が出来、そこにお湯がしみる。
治ってもすぐ傷ができるんだもんな。
本当に強くなれているのだろうか。
2回鬼出会ったが、一度目は唯が、二度目は祐介が倒した。
独りになったとき戦い抜くことが出来るんだろうか。
そんな事を考える。しかし、それはその時にしかわからないだろう。
23:00「就寝」
ハードな1日を過ごすと、体力が持たずこの頃には、ベッドに倒れ込み気付けば寝ている。
いずれくる、独りでの戦いに勝てるよう。練習を積まなくては。
だから、どのようなことでも受け入れよう。
そう心に決め、眠りにつく。
その次に日に性別が変わっているとも知らずに。
番外編と称して書きましたが、本編が書けてないだけです。申し訳ないです。次回はちゃんと本編書きます。何でもするんで許してください。




