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戦闘。しかも女の姿

 スレスレだが、攻撃を避けられない事はない。

 もう動きには対応できるようになってきた。

 あの二人に比べると、避けやすい。

 しかし、1番気をつけたいのは、スマホの電池残量。

 耐え続けられたとしても、とどめが刺せなきゃ意味が無い。


「あとどれくらい持ちそう?」

『そうですねこのままだと10分かと』

「何も作ってない状態なら何分もつ?」

『40分は余裕です』

「なら1度、刀解除して」


 手元から、刀がなくなる。

 さぁ、今からが正念場だぞ。


「ねぇ、か弱い女の子相手に武器は卑怯な気がしない?」


 相手の攻撃をすれすれで躱しながら、反撃のタイミングを見計らう。

 よけるしか出来ないよな。やっぱり刀持ってた方が良かったか?

 いや、とどめを刺せないのが1番つらい。


 消化器を手に取り、武器にする。

 上手い事当てられれば、刀を折る事も不可能では無いだろう。

 

 ……それより先に、消化器を消化器として使ってやれ。


「お兄さん、良いもの上げるよ」


 消化器のホースを相手に向け、レバーを引いた。

 勢いよく粉がまかれ、相手の姿が見え無くなった。


「ちょっと…… 粉が出過ぎ……」


 思ったより、粉が勢いよく出たため、自分も粉まみれになる。

 これヤバい、咳止まんない……

 合いとの視界を奪うどころか、自分の視界すら奪ってしまう。

 これは、不味いな。その場をすぐに離れる。


『何してるんですか……』

「いや、ほら相手の目つぶし程度にはなるかなって思ったんだけど」

『自滅してるじゃないですか、相手も見失ってるし』


 ぐうの音も出ない。

 まさか、こんなに粉が出るなんて思ってないんだもん。


「とりあえず、あいつ見つけなきゃ。そういえば気配察知できないの?」

『充電食いますよ?』

「自力で探します」


 仕方ない。自力で気配とやらを感じ取るか。

 集中して周りの物音を広う。

 全く足音が聞こえない。これは、移動してないのでは?


 急いで元の場所に戻る。

 まだ粉が舞っているため、視界が悪い。

 突っ込むべきか、否か。


『突っ込もうなんて思ってないですよね?』

「何でわかるの? 読心でも出来るの?」

『馬鹿ですか…… 相手刀ですよ?』

「すみません」


 ですよね。駄目ですよね。

 ちゃんと作戦練らないと……

 武器を奪うことが重要だと思うけど、手持ちじゃ何にも出来ないし。

 まず、敵探さないと——


 なんとなくだが、半身を反らすべきであると感じ、反らした。

 すると、すぐ横を刀が通り過ぎる。


「あっぶねぇ!」


 少し服がかすったが、傷は負っていない。

 そうか。これが、気配か。全くコツは掴んでいないがな。


「見た目で左右されないんだね」


 ほんと、男女関係なく迷い無く命取りにくるよね。

 前は少し殺す事に戸惑って、逆に死にかけたから、今回は後で悩もう。

 ためらうと殺されるから、迷わない。


 相手が、武器を構え直すよりも先に、消化器を振りかぶり、刀を折る。

 これで刺される事はなくなった。

 しかし、相手は刀を捨てない。


「大事な刀だった? 折れたのに捨てないなんて」


 頼むから捨ててくれ。いくら刺されないとは言え、斬られたら痛いぞ。

 

 適当に商品の服をもぎ取る。

 刀をよけ、その手首に服を絡め、その腕をこちら側に引く。

 少し体勢が崩れる。

 そこにすかさず足払いを仕掛けようとしたが相手に当たらず、空を切る。


「足の長さが……!」


 ここでも身体のサイズが変化した事の弊害が出た。

 クソ、決まれば確実に仕留められた。

 すぐさま間合いを取る。


「サイズそのままに出来なかったのかね」

『平均身長に合わせたらしいので』

「ほんと、どうでも良いところに力入れてるよね」

『否定はしません。ここからどうしますか?』

「どうしよっかな…… これになれる?」


 通販サイトを開く。

 前から、武器として有りなんじゃないかなって思ってた物があったんだよね。


『なれますが、これ戦えます?』

「まぁ大丈夫でしょ」


 後は、どのタイミングで仕掛けるかだが。

 相手はまだ刀を落としてないし、どうすっかな……


「ちょっと、こっちが必死に考えてんのに攻撃止めてくんない!?」


 次の手を考えているのに、折れた刀で首を狙ってくる。

 考えながら戦うとか、ほんとにしんどいな。

 まず武器を奪う事に専念するか。


「ツクモ出して」

『わかりました』


 スマホが光り、バイクにチェーンがだてくる。

 これなら、刀を奪う事も出来るだろう。


『刀を1分使う予定でしたら、チェーンも5分程度しか保てないです』

「了解」


 5分か、攻めるしかないな。

 チェーンを振り回し、相手に当てる。

 ダメージはあるようだが、全く致命傷にはなっていない。


 振りかざしてくる刀を受け止める。

 しめた。刀身にチェーンを巻き付け、動きを止める。

 そのまま刀身に沿いながら柄まで滑らせる。

 そして、柄にも巻き付け、全力で引っ張った。


 相手の刀は宙を舞い、その手から離れる。

 ——今しかない。


 チェーンで相手の手首を締め、そのまま相手を身体に近寄せる。

 背中にしっかり相手を付け、背負い投げを繰り出す。

 地面にたたきつけ、少し怯んだその一瞬を狙う。


「刀!」


 ツクモに出してもらった刀をすぐ相手に突き刺す。


「そろそろ、ゆっくり寝てよ」


 しっかりと心臓を貫いたはずなのに、まだ身体は朽ちない。

 不死身とかそんな感じなのか。


 待てよ、いつもあいつらどうしてた。

 今までの戦いを振り返る。

 ……そうか、最後にはいつも首を掻き斬っていた。


「お疲れ様でした!」


 身体に刺していた刀を抜き、首を斬る。

 すると、身体が朽ち灰のように舞った。


「終わったんだよね?」

『確実に気配が消えたので大丈夫です』

「良かった……」


 緊張から解放され、その場で崩れ落ちる。

 ほんと今日はこれ以上動きたくない。


「おつかれ~」

「アメノもう今日は手合わせなしで頼む」

「仕方ないね。ついでだし負ぶってあげるよ」


 そう言って、アメノに背負われる。

 普段なら、恥ずかしいから絶対拒否するけど、今俺は女だし、動きたくない。

 そのまま家へ送ってもらう。





 ハッと目が覚めと、ベッドの上にいた。

 いつの間にか寝ていたようだ。


「流石にお礼言わなきゃ」


 アメノの部屋まで行くと、中から声が聞こえる。

 少し扉の前で立ち止まって様子をうかがう。

 盗み聞きではない、ほら、重要な話しだったら遮るの悪いし。


 どうやら、服の話をしているようだ。

 これなら入っても問題なさそう。


 扉をノックし、中に入る。


「アメノ、今日はありがと」

「お礼なんていいよ」


 結構いい奴なんだな。


「代わりにこれ着てくれるなら」


 そう言って色々な服を取り出す。

 普通の洋服だけじゃないな。

 ……メイド服にチャイナ服、いつ、どこで買ってきたんだ。


「待て、どっから取り出した」

「ほら、鈴ちゃん忘れてたでしょ?」

「お姉ちゃんひどいよね」

「あの時は限界だったから……」


 そっか買い物の途中だったの忘れてた。

 しかし、あの店から出た後まだ買い物続けてたんだ。


「だから、アメノさんのお礼と私への謝罪でここにあるの全部着てもらうから」


 あっ、これ本気の目だ。抗えないんだろうな。

 そのまま、着せ替え人形と化し遠い目で全てを受け入れた。


鬼との戦闘しないと話しの根本が揺らいじゃいますよね。もっとツクモを有効活用できるような話しをいつか書きます。それまでに想像力と文章力鍛えておきます。次回は女子高校生の状態で友達作りたいですね。

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