その先にいる者
1か月ぶりでした。ごめんなさい!
「あー駄目だって。今はご機嫌結構斜め上なんだよね」
魔神の出した脚を雲が絡み付き動きを止めさせた。
「お前…なにか混じっているな」
「なんだ?このフワフワしたのは?」
魔神が脚を振り抜き雲を散らせる。
「お前もまた魔王だったな。よし。殺しあおう。本気で本能で殺ろうじゃないか」
「やだよ。面倒くさい。その辺の魔王とでもやってろ」
「そうつれなくするなって」
「まてまてまてーい!」
勝手に飛び出してきた光の輪。
「…え?」
「ん?」
「いや、ん?じゃねーよ。勝手に出て来れんのかよ!?」
「出て来れますけど」
「今までの演出なんだったんだよ…?」
「演出だけど。カッコよかったろ!」
「マジか」
「マジだ。ただ力を戻すには今まで通り借りないとだけど」
「それ位は構わないが…まさかお前がやるつもりなのか?」
「そりゃ魔神が出たらこっちだって…ねー!」
「なら早くしないと」
「早く?」
「ほら」
オーリスは名も知らない魔神を指差す。
魔神は既に左半身を失い血反吐を吐いて地面に這いつくばっていた。
「嘘でしょ。えっ?…あの方魔神だよね?」
「さー。自分でそう名乗ってたけど本当かどうかは知らない」
光の輪が焦りオーリスに質問した。
「猿…猿如きに…ガバァッ…なぜ、魔神となった私がこんな相手と」
「歳の割にはまぁー。悪くない。が、うん。まだまだ若い若い」
冬雪は尻尾の毛繕いをしながら魔神を見下ろす。
「出番ない…帰る!」
光の輪は消えた。
「何しに出てきたんだよ」
「オーリス様。コレ…片付けますか?」
「いーよ。面倒だし」
「ではでは、また」
冬雪は消えた。
「もしもし聞こえますか?」
「なんだ…」
「大丈夫ですか?」
「…。」
魔神は結構ピンチらしい。
魔人化に成功した元魔王第11席、ビダル・ハイは身体再生を得意としてはいるが身体の一部分ならまださしも半身全てを簡単に再生する事は流石に出来ない。
再生には集中と膨大な魔力が必要なのだ。
オーリスとファウスは生まれながらの膨大な魔力が有り助けがあるから簡単に再生と回復をおこなえているわけです。
数分の時間を掛ければ何とかなるとは思うが殺しに来た相手を数分間も放っておく魔王はいるはずかない。
ビダルは死を覚悟して自分の身体を再生させる事をやめていた。
「ファウスの言う事、聞いとけばよかった…か」
奢っていた。
魔王の10指に入れず何十年も11席に甘んじていた自分が更なる力、魔神化した事で手に入れた力で見上げるだけの上位魔王達を見下す存在になったと確信した事で生まれた奢り。
それが今こんな姿になった原因。
得体の知れない化け物に半身を削がれ万年末席の座にいた下の下の魔王に見下される自分。
滑稽だ。
望んだ力を手にした事で自分は死ぬのだから。
「おーい…もしもし?」
死後の世界の使者の声がすー…る??
「元気ですかー!!」
「煩いな!耳元で大きな声を出すな!…ってあれ?」
ビダルは勢いよく起き上がりしゃがみ込んだオーリスを指差し叫んだ。
「私の身体が…」
目を丸くして自分の左半身を触り確かめその存在を確認するビダル。
「おー。元気になってよかった。よかった」
ゆっくりと起き上がりビダルを見上げるオーリス。
「お前がやったのか?」
「そうとも言えるが違うとも言える」
「ナゾナゾか?」
「いや、事実だし。で、これからどうするんだ?面倒なのは勘弁して欲しいのだけど」
「…なぜ助けた?自分を殺そうとした相手を」
「何故って?そりゃ諦めて死のうとしてたから邪魔してやろうと思って!」
オーリスは悪戯小僧がするような悪そうな顔で笑った。
「お前は馬鹿なのか?」
「なんでだよ!」
ビダルはオーリスの行動を理解できなかった。
オーリスは決して親切心で助けた訳ではなくただ死のうとしたからそれを邪魔するためには助かるしかなかったから助けただけ。
「呆れた末席だな」
「必死に助かろうと助けを求めていたり回復に必死ならもう半分の身体も消し飛ばそうとしたけど…まさか回復やめるとかわけわからん事するお前もお前だけどな」
「理由はどうあれかの命助けてもらった恩義がある」
「別に気にする事でもないでしょ」
「しかし、その恩が余りにも大き過ぎる…どう返せば」
「そんなに悩むなら返せる時に返してくれればいいんじゃない?」
「確かに!」
「俺は行くから。それじゃ」
「わかった。一緒に行こう!」
「ん?」
「返せる時にその場に私がいなければ返しようがないだろ?」
「まてまて!そーゆー意味でいったんじゃ…」
「さー何処にでもついていくぞ!」
オーリスは魔神ビダルを仲間にした!
「いや!仲間にしてないから!」
「そう言うな!私はビダル・ハイ。元第11席魔王にして現魔神。ビダルと読んでくれ。宜しくオーリス!はっはっはっは!
ビダルは逃げるオーリスの後をしっかりとついて行くのだった。
1人で暇していた事もありビダルを仕方なく受け入れるオーリス。
「黙って死なせてやればよかった」
「何か言ったか?」
「いえ別に…」
「ところで我々は何処に向かっているんだ?誰か探しているのか?」
「とりあえずこの元凶になっているであろうファウス・ローレンって相手を探してるんだけど何処にいるかさっぱりで」
「ファウス・ローレン?…ローレン家のファウスか?」
「そうそう」
「おー。それなら数日前に会ったが私もファウスが今何処で何してるかまでは」
「だよね…?。ファウスに会ったの!?」
「勿論。魔神化出来たのも彼のお陰と言っても過言じゃない」
手で両眼を覆い空を見上げるオーリス。
「アイツ、マジでなにしてんの!?」
「ルシとか名乗っていた相手ともう1人ヨルムと呼ばれていた相手と何か計画を企ていたみたいだが内容までは私も知らない」
「誰?その2人は」
「すまないが私も名前以外の素性は何も知らない」
オーリスにはファウスが何をしようとしているのかさっぱり分からなかった。
ただファウス達が企てていると言う計画が本当にあるとしたらその計画内容は多分どうしようもない内容の計画に違いないとオーリスは思った。
なぜって?
当然ファウスが絡んでいるだけでその証明となると言っても過言ではないから。
「ちなみファウスは元気にしてた?」
「勿論。元気と言うかやる気に満ち溢れていたと言った方が当てはまるかな」
「ビダルは計画内容知ってるの?」
「細かい事は何も聞かされてないが」
「細かい事以外は?」
「魔神の世界を作り上げる為に魔神以外の種族を支配したり、歯向かう者は殲滅とかしたりかな?」
「おいおい随分物騒な内容だけど…」
人間共が自分を襲って来た事と何か関係あるのか?
なんて事オーリスは考える。
「もしかして、魔神と人間が手を組んで魔王を討伐するみたいなのがあったりした?」
「手を組む?人間と?ないない!なぜ魔神が下等な人間如きと手を組まなければならないのだ?」
「違うの?俺が狙われたのってたまたま偶然?人間からも魔神からもたまたま同時に狙われたの?…うそーん!」
「羨ましい。モテモテじゃないか!」
「これもアイツのせいなのか…」
「アイツとは?ファウスの事か?」
「そうだよ!ファウス以外に誰がいるんだよ!!」
オーリスが叫んだその時。
「ヘッ…ヘッ……でないのかよ!」
「クシャミか?」
「なんか鼻がムズムズしてさ。風邪でも引いたかな?」
「魔神が風邪とは笑わせてくれるな」
「風邪に種族は関係ないだろ。あームズムズする!」
それともう1人。
「ヘクチッ!」
「おや?風邪ですか?もう外は寒くなりましたからね。気をつけないと」
フフルがクシャミをした相手を気遣った。
気づけばこんなに日が経っていたとは驚きです!
ブックマ増えてました!
遅くなりましたが、ありがとうございます。
100話まで残り3話…まとめられる自信はありません!笑
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