あちら側
こんばんは。
「顔ぶれを見ると、そこそこな相手が残ったみたいですね」
「そこそことは言ってくれるな」
元序列第41席、カベル・マロンが答える。
「まぁーまぁー。落ち着いて下さいよ。これからは仲良く世界を治めていく同胞なのですから」
元序列第44席、シータン・ケイローが笑って場を濁す。
「しかし、首を斬られてなお生きてるとか少し気持ち悪いきもするが」
「そーゆーな。アレは若気の至りだ」
「さほど若くはないがな」
「俺はまだ385歳だ!」
元序列第65席、ハルダ・バーギンも首元の傷を手で触りながら息巻く。
「所で今後の序列は魔王時代の序列を引き継ぐのか?」
「はははっ!冗談を、過去は過去。我々は魔神となったのだら今は今の序列を決めるに決まってるだろ」
「確かに。前から思っていたが貢献度なんて何の意味があるんだ?魔族である以上、序列は力!強い者が上に立ち弱者を支配する。そーだろ」
「その件についてはこの件が片付いたらゆっくり決めれば宜し」
「そうそう。長老の言う通りですよ」
「若いのは元気があって羨ましいもんだ」
「何をおっしゃいますか長老、まだまだ貴方様も現役だと言うのに」
「こんな爺いだと言うのに、ふぉっふぉっふぉ」
周りから長老と呼ばれるこの場の最高齢が杖に両手を乗せ上品に笑う相手は元序列第3席、クシャルナ・ネネ。
そして、その話し相手をしているのがこの場で1番若い元序列第22席、アルリ・トーン。
この2人が場を和ませる。
「最近はファウスもルシ殿も顔すら見せんがこれで良いんですかね?」
「いーんじゃない。指示されたさえやっとけば後は自由にして良いって言ってたし」
盲目の千里眼こと、元序列第39席バハイール・レロロが質問し、言葉使いが荒い数少ない元女魔王、ベイラ・クライスが酒瓶片手に答える。
「他の連中は何してんだ?だりーのに来てやったと言うのにまだ3人も来てねーじゃねーか!それに呼び出した当人はどこだよ!」
「ベイラー様ってばお酒飲み過ぎですってー」
「アリル。お前若いんだから私の相手しろ」
「いやいやいや、私にはその相手は荷が重いですって」
「…はぁ?」
「それに私、歳下にしか興味ないので」
「殺す、ババァって言った、お前殺す」
「そーゆー意味ではなくてですね!」
ベイラがアリルにだる絡みをし始める。
「歳上には歳上の良さもあるのに。アリルはまだまだだな」
「ファウスさん!」
アリルはベイラの脇の下からスルリと抜けてファウスの元に近寄る。
「やっと来おったか」
「やーやー、お集まりの皆様ご機嫌よう」
「ふぉっふぉっふぉ。こっちゃさ座りんさい」
クシャルナが中央の席に手招きする。
「どもども…よっこらせ」
「ルシ殿は?」
「あー、なんか大切な用事があるから今日は辞退するそうだ」
「大事な用とは?」
「そこまでは知らん。俺の管轄だし。それより皆様席に着いてもらってよろしいですか?」
ファウスは皆を席に着かせる。
「それではこれから魔神による魔族の為の話し合いを始めましょうか」
会議が始まる。
「これからはガンガンいこうぜ!…えーと…以上!」
5秒経過。
…。
会議は無事終わった。
「つまりは…」
「なるほど、自分の力で勝ち取れという事だな」
「まぁー、解釈はそれぞれご自由にどーぞって事で」
「終わりですか、ファウスさん!?」
「終わりです!皆様の奮起に期待する!」
ファウスは直立になり敬礼した。
「たったそれだけ?」
「シンプルisベスト!」
アリルはファウスに声をかけ確認する。
「簡単でいよきよき」
「私も賛成だ」
「同じく」
「昔の魔界が戻って来たようだな。ふぉふぉふぉっ!」
ファウスの提案に参戦する者。
そして…
「まてまて!それだと魔王時代の格差を引きずる事になるではないか!」
「そーですよ!それはあまりにも不公平じゃ無いですが!」
提案を拒否する者に分かれる。
しかし、ファウスの一言で全て者が口を閉ざした。
「その意見もごもっとも」
「それなら!」
「でも、この世界が平等だった時が一瞬でもあったでしょうか!ましてや生まれながらの格差社会のある魔族が不公平、不平等、不条理、を嘆くのですか?魔族として今ここで生きているのなら自分の欲しい物は自分の力で手にすべきではないでしょうか!その手段が非道だとしても、周りから卑怯と罵られたとしても、他の種族では禁じられた行為であったとしても我らは魔族!唯一奪う事を誰にも崇められない種族に産まれたのだから!どーせやるなら!やりたい放題!魔族らしく楽しんで行こうぜぃ!!」
「ぜぃっ!って…」
「決まったことは変えられない!ならば少年よ大志を抱け!そして美女を抱け!以上!解散!!」
そう言い残しやる事あるからとファウスは帰って行った。
「早い者勝ちなら俺はさっさと始めさせてもらうぞ」
「抜け駆けするな」
「それではお先にーー」
「爺いも粉骨砕身、頑張るかのー」
我先にと自国の領地から近い人間の住む都市を攻め込む魔神もいれば、かつての同胞である魔王の領地に攻め込む魔神もいた。
しかし、ただただ攻め込まれるのを良しとする人間や魔王はおらず当然そこには大きな争いが発生する。
とある魔神が人間の領地に踏み入れば。
「突然やる気だして何考えてんだお前ら!」
「そーだ!そーだ!あんたらのせいで楽しみにしてた旅行が中止になったんだからね!」
「そ、それは…すまん」
「すまんで済んだら警備兵なんていらないのよ!どーしてくれんのよ!」
「そーか…それなら…!我がの配下に加わってはどうだ?実力次第では高待遇で迎えいれようじゃないか」
強気な人間をヘッドハンティングする。
今後を考えれば戦力はあればあるほど自分に有利に働く。
ちなみ、魔神は種族なんて細かい事を気にしません。
「高待遇…話は聞いてあげても良いわよ!」
「そうか、話のわかる相手でよかった。詳しい話は部下から聞くと良い」
「オッケー!」
「…相手魔族だけどいいのか?」
「何言ってんのよ!世の中はね…金よ金!」
そんな人間に巡り合うのは極々稀です。
だいたいは…。
「ダルッ。仲間は全員片付けたし早く帰ってくれよ」
「そーか。それは残念だが弱かった奴らが悪い」
「薄情者!仲間意識ゼロだな!」
「仲間?何をおかしな事を言う、人間よ。さて、我を魔王と一緒にするなよ」
「何それ!どーゆー意味だ!?」
「殺りあえば分かる!行くぞっ!」
「勝手に来るな!」
なんて流れになる。
魔神が魔王の元に訪れると。
「昔の借りを返しにきたぞ、ゴール」
「突然俺の城をぶち壊しやがって!誰だ貴様ぶち殺されにきた…。お前もしかして…ホースか?」
「あぁーそうだとも」
「久しいじやないか!我がライバルよ!」
感動の再会のご挨拶にゴールがホース・ドドラの腹に拳をめり込ませる。
「先手必勝、油断大敵…だよな」
「も…もちろんだとも」
ホースが顔を上げ笑う。
「アレから益々腕をあげたな、ゴール」
「お前…もな…グハァッ」
届いた拳はまだあった。
ホースの太く逞しい右腕もゴールの胸に届き貫通していた。
そして元気よく鼓動するゴールの心臓を身体から引きちぎり握り潰した。
「これで俺の22658戦、549勝547敗21562引き分けだな」
「まだまだこれから…心臓の1つや2つくれてやる」
ゴールとホースの一騎打ちは5日5晩続き2人の因縁に決着がつく。
ゴールは力尽き床に横たわり動かなくなった。
「約束通り勝者がすべてお。つまり、お前の全てを我がモノに!」
「ご苦労さん」
疲労困憊のホースを背後から斬りつける影。
「長々待たせやがって。さっさと両方クタバレ、脳筋ども」
「お、ぉまえ…は…」
「何事も効率良くスマートにこなしてかなと。あんたらは時代遅れなんだよ」
ホースは腰から真っ二つにかれ更に業火で燃やされ灰となって消された。
永年の決着は予想だにしない幕切れとなる。
その後も争いは争いを呼び、戦禍は瞬く間に広がっていく。
そしてここにも戦う男が1人。
「あー暇、まじで暇…。寝るのも飽きたし、本も読み終わったし…誰もいないし…あー暇……」
暇と闘っていた。
ダラリと床にうつ伏せになり顔を横に向けたその先には書類の山が並んでいた。
「仕事…しようかな…いやいや!働いたら負けだ!働いたら負けだ!!!」
オーリスは暇を持て余し、魔王に着いてから始めて自らの意思で積み重なった書類に手を掛けるかどうか葛藤していたのだった。
もう8月突入。
仕事に慣れません…。
嘘つきな猫です。
ゴーTO何とかで色々慌ただしくなっていますが皆様も気をつけようがない場面もあるとは思いますが気をつけて下さいね。
お家時間の5分の暇つぶしにでもなれば幸いです。
評価とかどーでもいいので時間潰しにご活用ください。
頑張れ日本!




