わかり合う立場
お久しぶりです!
エルダは呆然とその場に立ち尽くし晴れた空の向こうをただじっと眺める。
魔王との会談を終え自分は生き残ったのだと安堵し、そして先程まで一緒にいた魔王オーリス・ロイスと何故か同盟を組む事にになってしまった今、自分はこれからどうなってしまうのか。
自分は人類の敵と同盟を組んだ事は本当に正しい選択だったのか。
次期国王として自分は正しい選択をしたと胸を張れるだろうか。
今更考えても結んでしまった以上、結果は変えられない。
それともう一つ、エルダには魔王オーリスと1時間話してみて思うところがあった。
本当に魔族は悪であり魔王とは脅威なのだろうか。
恐怖は確かに感じた。
しかし、悪意や殺意と言った感情は特に感じることはなく、人間相手同様に意思疎通もしっかりとれ、むしろ共感する所も多々あった。
魔族全てがオーリス同様とはならないまでも、少なくても同盟を結んだ相手は悪と断言できる存在ではなかったとエルダは思えた。
だからこそ、エルダは心も身体も揺れていた。
ちなみに、2人がどんな会話をしたかと言うと…。
「そっちにめちゃめちゃ美人が沢山いたりする?」
「美人な女性は国中探せばいると思いますが絶世の美女となると…居なくもないですがそれはこちら側の目線なのでそちらの方々の言っている美女となると…しかしなぜ美女が関係あるのですか?」
「絶世の美女が居ないなら…ファウスは関係なかったか…ッチ」
「ファウス?」
「名前も知らないならやっぱり関係ないか」
「よく分かりませんが、進軍したのは我が国の独断によるものでファウスさん?なんて私の知る限りその方が関わってはいないかと」
「でも、しっくりこない…アイツなら面白そうで…おっぱいが…いや、尻でも…」
「おっぱい?尻??」
目の前の魔王は何を言っているのかエルダには理解できなかったり。
そしてオーリスは納得できなかった。
エルダも嘘はついていない。
しかし、実際は間接的ではあるがファウスは関わっている。
そして、真実は本人のみぞ知る事でオーリスは知る由がない。
「思ったような結果でなく申し訳ありません」
「なんとなく聞いただけだからきにしないでok!それでだな突然なんだけど、ここからが本題で」
「はい、なんでしょうか?」
「ここから大人しく帰ってくれない?」
「それは…」
エルダは口籠る。
身の危険を感じつつも、自分の立場を考えるとこのまま帰っ
ては父に合わせる顔がない。
エルダは即答できなかった。
そんなエルダが口を開く前に目の前の相手が声を出した。
「ちなみにお前ってどれくらい偉いの?」
「私ですか?」
「お前以外に誰かいるか?」
「そうですね。どれくらいと言われても…。とりあえずこの場でなら1番の権限はあると思います。それに万が一、今の父である国王が亡くなった時は私が国王になる予定ですけど」
「マジか!次期国王ならめっちゃ好都合じゃん!」
「ありがとう?ございます?」
「次期国王の…名前なんだっけ?」
「エルダで結構です」
「エルダね!今後とも宜しくな!」
「は…はい。宜しくお願いします?」
「またまた話変わるんだけどさ、次期国王って事はエルダの今の立場めちゃ面倒じゃない?周りの顔とか評価気にしながら愛想笑いとかして誰の為の勉強なんだかわからない授業受けたりめっちゃ面倒じゃないか?俺の親も魔王で小さいころは母親が喜ぶと思って頑張ってた時期もあるけど途中で、コレには何の意味があるんだろ?って思って頑張るとか努力とか無意味だって気づいて全てその日にやめちゃってさ〜。懐かしいな〜…うんうん」
「なるほど。なんかそれ…わかります。親の期待背負ってそれに答えないといけないとか、国民の為とか国の為とか誰かのために自分が生きてるんじゃないかって。でもそれが国王として上に立つ者の使命なのだと言い聞かせてはいるのですが、それなら自分は自分の為に何をしているんだろうとか最近よく考える機会が増えて…」
「わかるよー!どうせ今回だって偉い誰かに命令されてやってきたんだろ?何の成果も上げないでのこのこ帰ったら何言われるかわかんないよなー!うんうん。わかるっ、わかるよー!」
オーリスは腕組みして首を縦に振る。
「そっちの立場だってあるだろうし、タダでなんて勿論言わないから安心してくれ。とりあえず同盟組むってのはどうだ?そっちが困ったら俺等が助けるから俺等が困ったらそっちが助かる的な?」
「しかし、我々は敵同士では??」
「俺等って敵なの?」
「敵…なのでは?」
「なんで?」
「いや、なんでと言われても…昔から人類と魔族は争ってきてますし…だから敵では?」
「そんな昔の話とか俺には関係ないない!とっくの昔に死んでる奴らの話で俺等になんの関係があるんだそれ?」
「それはー…確かに…いやいや、しかし…」
「はいはい!そーゆー面倒な事を考えるからややこしくなるんだよ。俺とお前は今日から友人って事!だから同盟、同盟!今後とも宜しくな!」
オーリスは立ち上がりエルダの手を握った。
「のんびり昼寝して適当に仕事サボりながらダラダラ過ごしたいとか思うだろ?」
「誰にも邪魔されないでのんびり2度寝なんて最高ですよねー…2度寝なんて最後にしたのはいつだったかなー…」
「同盟組んだら責任半分、戦力倍でお互いのんびりできるどろ!」
「確かに」
「俺なんて最近寝てないからな!」
「オーリスさんもですか?実は私も最近寝れなくて」
「なんかお前となら仲良くやっていけそうだ!」
「だといいですけど…」
「同盟組んだからとりあえずエルダの国に帰って報告とか面倒な事宜しく!」
「オーリスさんは?」
「…まだまだやる事山積みなんだわ…代わってくれる?」
「無理無理無理無理!」
「だよなー」
「それでは私は国王に今回の件を報告しに1度帰りますので正式な文書などを作って改めて魔王オーリス・ロイスさんにお土産持参して会いに来ますので」
「一応、子供に喜ばれるお菓子的な物も準備してくれるとたすかる!」
「お子さんがいらっしゃるのですか?」
「いや、自分のじゃないけど色々増えてるみたいで」
「…なるほど。そちらの方もたんまりと準備させましょう!」
そんな感じで話は進み、最後に硬い握手をしオーリスは去っていった。
魔王オーリスと話して感じた事は魔王とは思っていたよりも悪い相手ではない。
エルダは空を見上げてそう思った。
「エルダ様!ご無事で何よりです!」
「これから我々はこの場から撤収する!」
「???」
「兵を集め直ちに自国に帰る準備をさせろ!」
「は、はい!!」
エルダは約束通りロイス領から速やかに兵を引かせた。
兵の動きを確認した魔族の1人があの方に連絡をする。
「こちらファウスどーぞ!」
「ファウス様、ロイス領から兵が引き上げて行きますがいかがいたしましょう」
「それはほっといていいから頼んでおいた物資の搬入を確実に済ませておいて」
「了解しました」
「金は惜しまないからじゃんじゃん仕入れといて!ミスは許されないから宜しくな」
「はっ!!全身全霊をかけ働かせていただきます!」
エルダと兵が引き上げ静まり返ったロイス領にファウスが指示した物資が暗闇の中、密かにそして大量に運び込まれた事を夜を照らす月だけがはるか上から見守っていた。
投稿が全然出来ずに申し訳ありません。
新人には時間がなさ過ぎる…。
嘘つきな猫です。
他の投稿も滞っており大変申し訳ありませんがお待ち頂ければ幸いです。
決して途中退場はする気はありません。
人気が無い物でも愛着はあるので笑




