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末席魔王。オーリス・ロイスは今日もサボりたい。  作者: 嘘つきな猫
第2章 遠征 編
8/97

過程より結果、任務完了すれば問題ない。

またまた投稿に時間がかかってしまい申し訳ありませんでした。( ;∀;)

文章を書いている途中に電源が落ち、保存し忘れたおかげで1からのやり直し、パソコンの不具合等を何とか乗り越えました。。。。

保存の大切さを改めて知ることができるいい機会だと思います。


今後ともよろしくお願いいたします。(*^-^*)

きれいな素足を見せ、こぼれそうな胸元を揺らしながら女性は戻ってきた。

「色々聞きだすの苦労したんですからね。これは貸しですよー。後で私だけの為に時間取ってくださいよ」


女性からそう言われるとファウス紙切れをそっと受け取った。

「そこは大丈夫。まったく問題ない。美女との約束は死んでも守る主義だから。それより自分の体力の心配したほうがいいと思うぞ」


ファウスへニヤリと笑い席を立った。

少しの間女性の腰に手をまわし自分の胸に抱き寄せ耳元で何かをささやくと、女性は笑いながら頬を赤く染めファウスの頬に口づけをする。

腰に回した手を放し、女性の足元に膝まづくと手の甲に軽く口づけし、去り際に片乳を1度揉みその場を後にした。

 

「さてさてー。美女はどこに捕らわれているのかな___ 」

闘技場の出口に向かいながら女性からもらった紙切れを開き中身を確認する。


【ヤッグ邸の地下牢】


紙にはそれだけ書かれていた。


「悪役が監禁しそうな場所で__。美女のもてなし方を知らないようなので教えてやるか~」


闘技場を出ると露店で買い物をするついでにヤッグ邸がどこにあるか質問する。


「旦那はヤッグ様の知り合いか何かで?」


店主は嫌な顔をしながら質問してきたので冗談交じりに笑いながら。


「知り合いじゃないな。むしろ敵…かな?」


それを聞いた店主は快くヤッグ邸の場所を詳しく教えてくれた。

ヤッグ邸は意外と近場にがあったのでひとっ飛びし、今は空の上からヤッグ邸を見下ろしている。


「サクッと救出して美女とホテ・・・・安全な休憩場所で大切に保護しなければ。それにオーリスも珍しく頑張っていることだし、時間がかかると無事に解決しても親父に報告されかねないのでさっさと済ませよう」


救出方法を考えて来てみたけれど特に案は思いつかない。

手っ取り早い方法はないか再度考えてみた結果。


やっぱり思いつかない。


よくよく考えてみれば魔王様直々に命令したのだから全責任はオーリスにある!

それならいっそ屋敷ごと吹き飛ばして正体がバレる前にとんずらでもしてやろうか?

しかし、吹き飛ばすのは問題ないが牢屋の耐久力がどれほどかわからない以上、一緒に美女を吹き飛ばしたり生き埋めにしてはもともこもない。


「急がば回れって言うしな……」

 

責任追及されるのが怖いので準備してきたものを使い堂々と正面突破することに決め門の前に立つ。

ファウスは黒く重そうな悪役が好みそうな門に片手をかける。


ぎ。__ぎぎ__ぎぎぎぎっ!

バゴッッッッ!!・・・


ポイっ。

ヒューーーーー。ドンッッ!!!


門をはぎ取り邸内に放り投げると、音に驚いた護衛兵らしき者達がぞろぞろと屋敷の中から小さな虫が湧き出るがごとく門前に集合した。

そして、集まった兵士はみな目の前の得体の知らない相手を見て固まった。


「面倒だから先に要件を言うぞ。俺の美女を返せ。さもないと…そーだな……とりあえず死ぬか?」


生き残った兵士はこう言い残している。


『そこにはヤポポ神が立っていた』 と。


ヤポポ神とは女性すべてを愛し、守護し、そして育てた神の1柱とされる存在。

ほかには一夫多妻制を掲げた初めての神の使い。

女性にだらしない性欲の化身。

女を泣かせた男性を皆殺しにし全世界の男性を消しかけた悪神。

しかし男性がいないと次の女性が生まれないことに気が付き男性の皆殺しを止めたとか。

良いのか悪いのかよくわからない信仰者が少ない微妙な神だった。


しかしこの事件以降、女を泣かせるとヤポポ神が現れ惨殺されると噂が広まり賭博都市ブルギャンでは女性を大切にする風習が広まる。

そのおかげなのか信仰者はうなぎのぼりに増えたそうだ。


おもに女性信者が。


一時期は女性が支持する神ランキング1位にまでとなり、のちにそのせいもあったりなかったりで賭博都市は美容都市スキンケアと名を変え女性に支持される都市ランキング上位常連都市と成長をしていくのは少し後の話である。


ただ、ファウスはヤポポ神なんて神は知らないし、興味もない。

偶然手に取った変装用のお面がヤポポ神をモチーフにしていたものだったせい。


「一気に屋敷事、吹き飛ばすと大事になるからな…それにしても1人1人相手にするのはさすがに面倒だ」


そういうとファウスは腰にぶら下げた小さく四角い箱を手に取る。


「なにをブツブツ言ってる!誰だお前は!?」

「誰だと聞かれて名乗るわけないだろ」

「お前が誰でもいー。目の前の不審者を殺せ!!!」


門前に集まった護衛兵は一斉にファウスに剣を構え襲い掛かる。


「あんまり使いたくないけど今回は仕方ない…」


そう言ってファウスは腰に下げた箱を手に取り【魔具パンドラ】の蓋を開た。


蓋の空いた魔具から溢れ出た黒煙がファウスを一瞬で包んでいく。


「吸い取れ、パンドラ」


「なんだ!?あの黒煙は!?」

「魔法か!?」

「盾を構えろ!何か仕掛けてくるぞ!!」


黒煙がファウスから離れ魔具に戻って行くとパンドラの底から何かが飛び出してきた。


「どーも。皆様お初にお目にかかります。私は『道化神 ピエロ』ともーします。どーぞ末永くよろしくお願いいたします…と言いたいところなのですが、皆様とはすぐにお別れしなくてはなりません。ケケッ」


「なんだアイツは!?」

「魔人?魔物?」

「「「………」」」


「今回もお前か…マーメイドちゃんを期待したんだけどな」

「主様。そー言われましても彼らの欲の質が私を呼んだのです。文句を言われても困りますよ。ケケッ」


ピエロが両手をパンっと合わせると突然ステッキが現れた。


「いーから、ささっとやっちゃって」

「御意。ケケッ」


ピエロはステッキを掲げ天に不気味な笑みを向け唱えた。

「天から降り注ぐ神の逆鱗を知りなさい。ケケッ【モア・イドラ】」 


上空から突然雷撃が兵士達に降り注ぎ、直撃した相手をさっきまで生きていた人間とは思えない姿に変えた。

雷撃を受けた人間は立ったまま黒焦げにされ炭となって地面に散った。

炭となり崩れていくあたりで声がした。


「ひぃっ!!」


「女も混じっていたのか」

「主様の女性を大切にする気持ち、私は心得ていますよ。ケケッ」

「はいはい。ありがとな」


頭を抱え腰を抜かし尿と涙を垂れ流しながらうずくまる女兵士にファウスとピエロが近づく。


「どぅーが。どーふぁ。お許・・・じを・・・」

「安心してくれ。俺に女性を殺す趣味はない。ただ地下牢まで案内してくれると助かるんだが」


泣きわめく女兵士にファウスは優しく声をかけた。

「あぁ・・あぁぁー。・・あなた様はヤポポ神・・様」

「ヤポポ?神?」

「神よー」

 

そう言って女兵士はすばやく、両膝をつき両手を合わせ天を仰いだ。


「主様…なんか知り合いの神様に間違われてみたいですね。ケケッケケッ」

「この際それはどーでもいいから。ピエロ。お前はだまってろ」

「御意。ケケッケケッ」


女を立ち上がれせ、しばし説得に時間はかかったが勝手に悪の道に進んだ自分を救いに来たとかなんとか言いながらいー感じで大きな勘違いをしたようで、素直に地下牢まで案内させることに成功した。


「ピエロ。邸内の女性以外は殺してこい。見つかったら面倒だ。そらにオーリスが待っているからこれ以上時間をかけたくない」

「老人、子供もで?ケケッ」


「んー。生い先短い老人と未来ある子供は除いとけ」

「御意。ケケッ」


ピエロはステッキで地面をコンッと叩いてその場からポワンッと消えた。


ピエロと分かれたファウスは女性の後ろについて邸内の地下牢に向かう。


「ここです。ヤポポ神様」

「う…うん」


目の前の檻には鎖でつながれた獣が1匹。


「…………え?」


ファウスは大きく口を開けて固まった。


「ヤポポ神様。これが誘拐したキマイラの子です。私はやはり悪の道に……」


お前の話なんてどうでもいい。


「もう1度確認するが。本当にこの犬1匹だけなのか?」

「はい」

「巨乳の獣人は…」

「いや、獣人ではないですけど雌ですよ。あっ。巨乳な子も確か奥にもいたような…」

「それを早く言え!」


牢屋をぶち破り、怯え震えるキマイラの子の前に立つ。


「お前を母親の頼みを聞いた俺の主からの命令で助けに来た。ついて来い」

 

キマイラの子に繋がれたら鎖を引きちぎりファウスは次に向かう。


「これだ。この感じだ…!」


目の前にはぼろ布で身を包んだおびえた女性。

素敵な素足がチラリどころか股下が見えそうなくらい短いため綺麗な脚全体が見えていた。


「助けに参りました。ハニー。私は神です」

「……」

「怖がらなくても大丈夫。ささっこちらに」


キマイラの子への対応とは違い優しく丁寧に牢屋の隅でおびえた女性に声をかけ鉄格子をこじ開け女性に手を伸ばした。

様子をうかがっていた女性もファウスのことを信じたようでその手を握った。


「よし。任務完了!脱出だ!」

「主様。ケケッ」 


ピエロが突然後ろから現れた。


「準備は万端です。ケケッ」

「よし。それならそろそろ戻っていいぞ」

「それではまた。ケケッ。主様失礼します」


ファウスは魔具を開けピエロはその中に吸い込まれるように消えていった。


女兵士にキマイラの子を任せもう一人の女性をお姫様抱っこしたまま地下から出る。

地下牢の入り口からヤッグ邸の門まで赤い絨毯が敷かれ、花弁がまかれていた。


「あいつは何に時間をかけていたんだよ…」


ピエロの演出に呆れながらも歩くたびに目の前で揺れる巨乳から目を離せないままファウスは歩き続けた。


そんな目の前の欲望に心躍ろされていたファウスの主はというと____


「さすがに、そろそろ決着をつけないとまずくないか?」

「そのよーですね……」

「俺的にはそろそろ解決してくれると思うんだけどな」

「それなら、もーひと踏ん張りしましょう」


服も肌もボロボロに汚れ、怪我一つぜずに体力だけ削られながらひたすら演技を続けていた。


「ヤポポーーーー!やっぽぽーーーー!!!」

 

その頃ファウスは飛び跳ねながら走っていた。

心友の待つ場所に早く着くために。


ではなく。


そのほうが胸の揺れが大きくなり、自分の心のように踊らせることができるからという理由で。


ファウスは締まりのない顔を仮面で隠しヤッグ邸を後にする。


『任務:見知らぬ巨乳の女性の救出完了!』

『あと犬1匹も』


ファウスは軽快な足取りで闘技場へと戻って行った。


「待ってくださいよー!ヤポポ神様ー」


内容が前回書いているものとは違ったりしましたが、何とか助け出すことができほっとしております。

消える前はファウスの過去話も盛り込んでいたのですが今回の内容には必要なかった感じがしたので、吹っ飛ばしました!


この次からはオーリス話しの流れに戻りたいと思います。

また機会があればファウスについての話も書いてみたいと思いますのでその時もぜひ読んでいただけたらと思います!


よければ評価やブックマークはもちろん意見や感想などレビューでも頂けたら嬉しいです!

今後ともオーリス、ついでにファウスなんかもよろしくお願いいたします(*^-^*)


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