ファウスの行方
投稿期間が空いてしまい申し訳ありませんでした。
それと、初めて評価をしてもらいブックマークも少し増え感動しております( *´艸`)
こんな文章を評価してもらえて、なんだか申し訳ない感じと、嬉しさが入り混じっておりますがやっぱり嬉しいです( *´艸`)
本当にありがとうございます(;´・ω・)
ファウスは歩く。
どこに向かって歩くか?
当然、美女が待っている場所に向かってに決まっている。
のだが……。
「あんなこと突然言われて引き受けてみたものの。俺はどこで、誰を助ければいーんだよ…。とりあえず受付にでも行ってどんな奴がこんなのに参加しているのか確認するか」
闘技場の受付に向かい、そして見つけた。
「あれは!」
ファウスの顔がほころび、そしてキリリとした顔つきに変わる。
見つけたのは巨乳の受付嬢。
しばし目的を忘れ己の欲望を満たすように受付嬢とファウスは仲良く会話を楽しむ。
(あいつは本当にちゃんと、働いてくれているのだろうか)
(娘は大丈夫なのだろーな……)
(やるときはやる男だ。多分な)
ファウスが受付嬢とイチャイチャ楽しんでいる頃、オーリスはキマイラよりも不安との戦いで忙しかった。
「こんにちは。私はファウス・ローレンと申します。麗しき綺麗な女性を見つけたので少しの間私のためにお時間をいただけないかと」
ファウスは手慣れたように女性を口説き始める。
慣れた手つきで女性の手を握り、髪をなで腰を抱き寄せた。
「あ。あの、お仕事中なので。…ここではちょっと…」
「この場所意外ならありでした?それとちなみに何カップですか?あ、私のことはどーぞ気になさらず。お仕事を続けてください」
「いや、その。ここでは…一応Hカップですけど…」
「見事な胸もそーだけど、あなたの働く横顔がグッときます。というのは置いといて。少しお時間頂けないでしょうか?それと仕事終わりも是非お相手を」
「あっ。今は仕事と言っても名簿整理とかしかないので大丈夫ですけど…私なんかに何の用でしょうか?」
受付嬢とたわいもないエロ話に花を咲かせるファウス。
受付嬢がファウスとの会話ん楽しんでいる隙にファウスの手が素早く動いた。
____サッ_____
「貴重なお時間ありがとうございました。それでは仕事が終わったころに迎えに来ますね」
満足げにファウスは受付嬢と別れた。
「さてさて」
胸元から1枚の名簿を取り出す。
先ほど受付嬢にちょっかいを出しながらついでに盗んできた出場者の名簿用紙。
名簿を確認しながら闘技場の観戦席に戻る。
観戦席と言ってもパル達と一緒に観戦していた1階の一般観戦席ではなく、2階にある貴族などの身分が高い人物、大商人などの金持ち連中用の特別な観戦席のほうに向かう。
「オーリスの話から考えると貴族以外は排除してと。これと、これとこいつも違うな。……残った候補としては5人か。うーん、見当がつかない。どーしよう」
「そこの者。止まれ!」
2階席の入り口にたどり着くと筋骨隆々の兵士2人が剣を抜きファウスに向けた。
「おいおい、貴族様に剣を向けるとはいい度胸だな」
ファウスは胸元からローレン家の紋章の彫られた首飾りを見せた。
「それは……」
2人の兵士が顔を見合わせて目の前の相手にどう対応したらいいかアイコンタクトをとる。
「申し訳ありませんが、こちらの階の席に空きはありませんのでご入場頂くことはできません。もし無理に入ろうとする場合は規則に従いあなた様を排除することになります」
「そこをなんとか。ちょっと入るだけでいいんだけどね」
「そー言われましても……」
「まーまー。(ぎゅっ)これで少しの間、ここを誰も通らなかったことに……ね。」
2人の兵士の手を握り笑顔でもう1度頼んだ。
「……貴族様だし。規則によれば確かにこの場に入る資格はあるよな?」
「規則から言えばそーだな。貴族様が入っても規則には違反しないよな?」
「立ち見で観戦するってことなら……な」
兵士は手に握らされた金貨をチラッとみると、剣を鞘に納めファウスを通した。
「私たちは今、ゆっくりと瞬きをしますのでその間は何も見えません」
「いやー、理解ある優秀な兵士でこの国も安泰だな」
兵士が目を10秒程閉じた。
その隙に兵士の横をヒョイッとファウスは通り抜ける。
「ファウスは【買収】に成功した!テレテレテッテッテー」
名簿と観戦席の番号を照らし合わせ、候補の5人の席まで素早く移動する。
ただ5人の中から絞り込む手段までは考えていなかったが目的の相手はすぐに見つかった。
「何をしている!さっさと殺せっ!貴様の娘が人質になっていることを忘れるなよ!」
大声で自分が犯人ですと申し出てくれた人物がすぐ目の前にいる。
名簿を確認すると背は小さく、小太りの貴族。
名を【ビンド・ヤッグ】と書かれている。
「ビンド・ヤッグ。…アイツか!」
見つけたとはいえ、相手は貴族。
ここで問題を起こすとそれは盛大な事件に発展しかねない。
とはいえ、迷惑ごとはオーリスにすべて擦り付ければいーかと考えたが、さすがに貴族同士でしかも魔王が関わっている件となると規模が大きくなりすぎ。
そーなると自分も巻き込まれる可能性が大きくなるのでそれは絶対避けなければならない。
今度何かあったらオーリスは間違いなく親父に告げ口するに違いないのだから。
告げ口されると俺は……殺される。
よし、隠密行動でいこう。
「素直に人質はどこだと聞いて教えてくれるわけもないよなー」
ファウスは悩んだ。
一方、そのころのオーリスとキマイラはというと見た感じではオーリスが押されているように演じていた。
(まだかあなたの友は)
(さっき頼んだばかりでこれからだろ。そう簡単にはいかないって)
(確かに。無事に2人が帰ってくるていーのだが…)
(気楽に待ってよーぜ)
(とりあえず私を前脚で薙ぎ払って壁に吹き飛ばせ)
キマイラの前脚がオーリスを薙ぎ払い、言われた通り吹き飛ばした。
(やれやれ。なんで俺がこんなことまでしないといけないんだ……ファウス早めにたのむぞ)
オーリスがそんな期待をファウスに向けていられるとも知らずファウスはオーリスとキマイラ戦を観戦していた。
観戦!?
そう、観戦していたのです。
どこで?誰と?
「ローレン家のご子息様と聞いてもっと真面目な固い人かと思ったら…」
「こっちはかなり前から硬くなってるけどね」
「もぉー」
観戦ついでにイチャイチャしていた。
「結構これでも真面目ですねっていわれるんだけどな」
「ギャップのある人。結構タイプですよ」
「ついでにお願いも聞いてくれるともっと2人の仲がグッと縮まると思うんだけどな」
「変なお願いは嫌よー。……何してほしいの?仕方ないから何でもしてあ・げ・る♡」
「それじゃー……」
何でこうなったかと言うと。
たまたま通りかかったビンドの席の隣部屋で観戦しようとしたロイス領の貴族の娘をナンパして、一緒の席に通してもらった。
ファウスは生粋のジゴロである。
これくらいのことは朝飯前。
女性を口説くのはファウスにとっては呼吸するよーなもの。
ファウスは貴族の御令嬢の席で脚組をしてお酒の入ったグラスを片手にオーリスの観戦をしていた。
「やっぱり持つべきは【美女】と【心友】。オーリス、おれは今必死に働いているぞ!」
ファウスはオーリスにもう片方の腕を向け、親指を立て笑った。
(さっきからもの凄くイライラしてきたんだけどなんでだろーな?)
(打たれっぱなしで不満が溜まるのは分かるが、堪えてくれ)
(いや多分、それとは関係ない。多分アイツのせいだ……)
ここからは個人的に好きなキャラクターのファウスの回が続くような気がします(笑)
新年度の授業が忙しくなっておりますが、なるべく早く次を書き上げられるよう努力いたしますので末長くよろしくお願いいたします。
少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。
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