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末席魔王。オーリス・ロイスは今日もサボりたい。  作者: 嘘つきな猫
第2章 遠征 編
6/97

誰もがどこかで苦労している

ブックマークが少し増え、興奮気味の嘘つきな猫です。本当にありがとうございます。


それと、今までの話の中で細かい部分を修正いたしました。

読みにくく、前回の投稿に関しては修正前のをアップしてしまうミスまで。話の流れとか意味不明な文章で本当にすみませんでした。


今後は読み返しながら投稿出来たら思います。

相変わらず不定期投稿ですみません。。。。見捨てずにオーリス達を読み続けてもらえたらと思います。

やる気を出して目の前のキマイラに向けて一歩を踏み出す。


(強き者よ)

 

突然、オーリスの脳内に直接声が響いた。


(だれだ?)

(目の前のキマイラだ)


オーリスは首をあげキマイラの眼を見た。


(違う違う。私は山羊の方だ)

(そっちかよ!)

(よく勘違いされるが、今はそれについてはどうでもいい)

(で、なんで俺は今話しかけられているんだ?)

(突然で申し訳ないが。助けてもらえないだろうか?)

(突然の命乞いか。こっちもこっちで負けられない理由があるからそれは無理だ。諦めてくれ)

(助けて欲しいのは私ではない。我が娘を助けてもらいたい)

(娘?どいうことだ?)


「おいおい!いい加減戦いをはじめろーーーー!」

「黙っていても勝負は決まらんぞー!」

「金返せーーー!」

 

キマイラとオーリスが動かずに会話をしていることに観客が文句を言い始めた。


「オーリスはどうしたんでしょうか?」

「変だな。アイツ何してんだ?」


(外がうるさいですね。私にも戦う理由があるので、とりあえず戦いながら話しませんか?間違っても殺さないでくださいよ。魔王様)

(なんだ。バレていたのか。右に回り込んでライオンの頭に剣を振り下ろすからしっかり受け止めろよ)

(上に立つ者にはそれ特有の臭いがありますからね)


オーリスは宣言通り、ライオン顔の上部に剣を振り上げて下す。

その行動を知っていたかのように口を開けて待ち構えていたキマイラが剣を牙で噛み受け止めた。


「「「「おぉぉぉぉ!!!!!」」」」  


やっと始まった戦いに観衆は大声を上げた。

「キマイラ!!!」

「早く死ね!小僧!!!」

「頼む・・!俺の人生が・・・キマイラー!」


(やれやれ俺にかけている人数は少数かよ)

(皆様は見る目がない)

(次は尻尾に切りかかるぞ。それでなんでお前の娘も助けなきゃない)


尻尾の蛇が後ろに回り込んだオーリスの攻撃を毒を吐きつつ牽制するキマイラ。

尻尾から吐き出された毒が地面に落ちるとジューっと地面が焼け焦げ腐っていった。


(私の娘も?ほかにも助ける相手がいるのですか?)

(それが俺の目的だからな。それより毒はまずいだろ!)

(ちょっとした神経毒ですから。見た感じあーですが少しピリピリするくらいです)

(今度は下から蹴り飛ばすからうまい具合に吹き飛んでくれよ)


いやいや、そんな風には全く見えないぞと思いながら、吐き出された毒を回避し足元に回り込み、キマイラの胴体を蹴り飛ばしたようにみせる。

キマイラは蹴られた方向に自分でバレないように飛び蹴り飛ばされたように見えるよう闘技場の壁に背中を打ち付けた。

外の罵声はほっといてキマイラとオーリスは戦いながら話しを続ける。


(振り上げた右前脚と魔法を少し放つから気を付けて下さい)


オーリスの目の前に右前脚の落ちてきた。

爪を向き出しにして。

それと同時に山羊の本体が何やら呪文を唱え始め辺り黒い霧に包まれた。

 

「なんにも見えねーぞ!」

「どーなってんだ!?キマイラの勝ちか?!」

「どうか・・神様、魔王様。キマイラ様ぁ----」


話して分かったことは、キマイラの娘が人質となっており優勝しなかったら娘は殺されるそーだ。

だから自分が死んだその時は娘を助けてもらいたいとの事だった。


(あんたも結構強いんだからそこら辺の人間なら倒せるだろ?)

(この首輪と娘が人質になっていなければな。今の私には無理な話だ)


キマイラの首輪に目を向けるオーリス。


(従属の首輪だ)

(それはそれはえげつないオシャレの仕方だな)


こっちはこっちで負けられないし、相手も相手で八方ふさがり。

助けてくれと言われてもオーリスはこの場から動く事はできない。

いっそ真剣勝負、恨みっこなしでと言いたいところだが明らかに自分のほうが強いので、オーリスはその提案をすることができなかった。


(長引けば怪しまれそうだ。今の話しなかったことにしようか)

 

悩むオーリスにキマイラは提案する。


(それは卑怯だ。そちらから提案してきて一方的に破棄するのは納得ができない)

(しかし、勝ちは譲ってもらえそうにない。そして勝ち目のない状況ではしかたあるまい)


(それなら、娘を助けたら問題は解決するんだな)

(それ以外の問題はないから)

(娘の件が片付けばあんたと戦う必要がなくなるし。そもそも俺がこんなに苦労しているのだからアイツにも働いてもらう口実ができたと思えばいいか)

(アイツとは)

(ただの女好きだよ)


悪い顔でオーリスは笑った。

そしてにやけ顔で胸から通信機を取りだす。


「ピッ…ピッピピピピピ」


「はいはい。こちらファウス・ローレン!君の電話を待っていたよ」

「ほー。俺の電話を待っていたのか」

「オーリスかよ!戦ってんじゃないのか?黒い霧で闘技場は全く見えないけど」

「その件で、相手のキマイラと話をしていてな」

「嫌な予感がするから切るぞ!」

「ほぉー。切ったらそのままお前の父親に報告しないとな。今までの全てを」

「心友を脅すとは卑怯、卑劣だぞ!」

「俺は魔王だ。なんとでも言ってくれ。冗談はここまでとしてお前に働いてもらいたいことができた」


今までの流れや事情をファウスに話した。


「しゃーない。俺もたまには働かないと。お前と一緒にされるのはごめんだからな。で、娘はいい女か?」

「上物らしいぞ。それで出来るのか?」

「テンションあがる~!お前の心友ファウス様だぞ!お前のためなら出来ないこともやってやるー!」

 

相手が美人と分かってからの態度の急変に不安を覚えるが、ファウスなら大丈夫だと自分に言い聞かせるオーリスだった。


「それなら頼んだ。できるだけ早めにな」

「王の意のままに」


ファウスはオーリスとの会話を終えると両脇の女の胸から手を離し立ち上がった。


「ファウス様はどこに?」

「ちょっとお願い事を叶えに行ってくるからここでゆっくりオーリスの応援でもしててくれ。帰ってきたら2人まとめて可愛がってやるから」


両脇の2人に口付けをし、パルに手を振るとファウスはどこかへ歩いて消えた。

それと同時に黒い霧が少しずつ晴れていった。


(ソイツは信用ができるのか?)

(手癖は悪いが子犬にまで手を出しはしないだろ。それじゃー、長い戦いを続けようか)

(すまない。それと娘は獣人なんですけど)


(え?!!!そうなの?てっきり子犬みたいなのかと思っていたのに!)


ファウスのやる気を出させるためについた嘘が本当になってしまった。


(旦那が人間だったので)

(人間も人間だけど、あんたもあんただな)

(愛に性別、種別は関係ない)

(性別は関係あるだろ)


(それで娘は美人か?胸が大きいとか?)

(私似の美人で、それなりに良い体つきだとおもうが?助けたお礼に娘を横瀬と?!)

(私似とかどの顔がいってんだよ。さすがにそれはないけど…)


言葉を詰まらせ、黒い霧が晴れた空を見上げてオーリスは目をつむる。

「……手を出さない。はず多分。と思う」


いろんな意味でファウスにこの件を任せたことが不安になってきたオーリスだった。

そんなことを不安に思われているとも思っていないファウスは助け出した後の展開を妄想しながらポーカーフェイスで通路を歩く。


「キマイラの娘なら獣人とかかな?獣人は胸の大きな割合が高いから期待できるぞー!オー神よ。我に力と祝福オー!」


 すぐにポーカーフェイスも崩れ、足取り軽く闘技場の受付のとこまでスキップをしながら向かっていった。


「待っていてね!マイスウィート。ハニーーーー!!!!!」


 読んでいただきありがとうございました。

 文章が短くなってしまいましたが、これからは女に弱いファウスの話を少し書ければと思っています。


 ついでにオーリスとファウスと別行動中のロハスの話なんかもかければなと思っていますので、女に弱いファウスとお金に五月蠅いロハスの今後にも期待しつつ、オーリスの屑さにあきれてもらえればと思います。


 よければ評価していただけると嬉しいのでよろしくお願いいたします(*´ω`*)

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